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Trademark Appeal Case

不使用取消における使用証明

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−301711(T2007−301711/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4729263号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年3月21日に登録出願、後掲のとおりのモノグラム様図形と「PROFIELD」の欧文字とを結合した構成よりなり、第35類「請負又は派遣による商品管理・棚卸・商品仕分・伝票整理及びそのデータ入力に関する事務の代行,請負又は派遣によるデータ入力・データ作成に関する事務処理,請負又は派遣による一般会社事務又は経理事務,請負又は派遣による文書又は磁気テープのファイリング」ほか、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成15年11月28日に設定登録されたものである。

そして、本件審判請求の予告登録は、平成20年1月25日にされている。

2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の指定役務のうち「請負又は派遣による商品管理・棚卸・商品仕分・伝票整理及びそのデータ入力に関する事務の代行,請負又は派遣によるデータ入力・データ作成に関する事務処理,請負又は派遣による一般会社事務又は経理事務,請負又は派遣による文書又は磁気テープのファイリング」に係る登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号証を提出した。

(1)取消の理由

本件商標は、指定役務「請負又は派遣による商品管理・棚卸・商品仕分・伝票整理及びそのデータ入力に関する事務の代行,請負又は派遣によるデータ入力・データ作成に関する事務処理,請負又は派遣による一般会社事務又は経理事務,請負又は派遣による文書又は磁気テープのファイリング」について、日本国内において継続して3年以上、本件商標権の権利者、その専用使用権者、その通常使用権者(未登録のものも含む)によって使用されていない。

(2)答弁に対する弁駁の理由

ア 乙第1号証ないし乙第3号証のパンフレットに本件商標が記載されているが、それが実際に使用されたかどうかが証明されていない。また、それが実際に使用された場合の時期が証明されていない。

なお、乙第3号証のパンフレットに移転後の住所が記載されていることをもって、その移転後に本件商標が使用されたことの証明にはならない。

また、乙第5号証1及び2によって、答弁書提出時点においての使用者のサイト及び携帯電話向けのサイトで、本件商標が使用されていることが証明されているが、本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたことの証明にはならない。

したがって、乙第1号証ないし乙第3号証、並びに乙第5号証1及び2によって、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたことが証明されたといえるものではない。

イ 被請求人が答弁書に記載した使用者が、当該商標権の通常使用権者であることは証明されていない。したがって、たとえその使用者によって本件商標が使用されていたとしても、その使用が通常使用権者による使用であるかどうかは不明である。

ウ 以上のように、被請求人が答弁書で提出した乙第1号証ないし乙第5号証によって、本件商標の使用が証明されていない。また、被請求人の通常使用権者によって本件商標が使用されたことが証明されていない。

3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。

本件商標は、未登録の通常使用権者により現に使用されているものであって、その事実は、以下にのとおり、乙各号証により立証されるものである。

(1)本件商標の使用者は、未登録の通常使用権者である下記法人である。

住所:愛知県名古屋市中村区名駅四丁目24番8号

名称:株式会社プロフィールド

代表者:近藤聡実

乙第3号証の裏面に「PROCASTGROUP」との記載があるように、使用者は、商標権者の株式会社プロキャストを中核とするプロキャストグループの一員であり、使用者の代表者は、商標権者の専務取締役でもある。使用者は上記住所において実務上は平成18年3月1日より業務を行い、登記上も平成18年10月19日に移転しているが、それ以前は、名古屋市内においては下記2箇所で業務を行っていた。

旧本社:名古屋市熱田区金山町一丁目3番6号

旧支店:名古屋市中村区名駅四丁目6番18号名古屋ビルディング8階

(2)乙第1号証は、会社案内(PROFIELD/information of company)であって、平成18年の移転前に作成されたため、裏面の住所は旧住所となっており、これが「社員募集用」という性格上、一度の印刷で数年間に亙って使用可能なように、普遍的な事項のみが記載されている。また、このパンフレットは、移転後の現在も在庫が多数あり、かつ、代替品も未製作のため、住所以外の記載内容は現状と一致しているので、応募者と面接する際には、事業内容の説明資料として使用し、必要に応じて、裏面の住所が旧住所であることを断った上で、そのまま手渡している。

そして、このパンフレットの表紙左下には本件商標が記載されており、使用者の法人名と組み合わされたその使用態様から、このマークが、使用者の行う事業全般に用いられる、いわゆる「ハウスマーク」として使用されていることが分かる。また、「事業内容」の筆頭には、「人材派遣サービス」の記載があり、その中の「オフィス部門」の項には、「OA・ファイリング事務」「営業事務」「人事・総務事務」「経理事務」などの、種々の事務職に人材派遣をしている旨が記載されている。

乙第2号証は、会社案内(PROFIELD/information of company)であって、事務職を主とする人材派遣サービス・人材紹介サービス・教育/研修サービスに関する顧客への配布用のパンフレットである。これも乙第1号証と同様に、一度の印刷で数年間にわたって使用可能なように、普遍的な事項のみが記載されており、移転後も、新住所などを記載した「会社概要」を間に挟んで配布されている。

そして、このパンフレットの表紙左下にも乙第1号証と同一の態様で本件商標が記載されている。また、業務の筆頭に「人材派遣サービス」との記載があり、その中の「オフィス部門」の項には、「OA・ファイリング事務」「営業事務」「人事・総務事務」「経理事務」などの、種々の事務職に人材派遣をしている旨が記載されている。

乙第3号証は、会社案内であって、技術職を主とする人材派遣サービス・研修制度に関する顧客への配布用パンフレットであり、現在の住所に移転した平成18年以降に作成されたので、裏面の住所はすべて移転後のものとなっている。そして、このパンフレットの表紙左下にも乙第1号証及び乙第2号証と同様の態様で本件商標が記載されていることから、平成18年の移転の前後を通じ、継続的に本件商標がハウスマークとして使用されていることが分かる。

また、「人材派遣サービス」の「マンション・オフィス部門」の項には、「OA・ファイリング業務」「営業事務」「総務経理事務」などの、種々の事務職に人材派遣をしている旨が記載されている。

乙第4号証は、使用者の登記簿謄本写であって、使用者の移転が平成18年であったことを示すものである。

乙第5号証1は、使用者のホームページ中「お仕事探しの皆様へ」部分の写であって、使用者は、答弁書提出時点においても種々の事務職への人材派遣を行っており、画面の上部には本件商標が記載されている。

乙第5号証2は、乙第5号証1のインターネット携帯電話版の写であって、これと同等の情報はインターネットの携帯電話を通じても配信されている。

なお付言すると、使用者は、乙第1号証ないし乙第3号証のような紙媒体は普遍的・一般的な情報のみを記載して、主として新規に顧客となりそうな法人への営業時に、使用者の事業概要を説明するために利用し、実際に派遣を依頼する場合や、使用者に関する最新情報を得たい場合には、使用者のホームページにアクセスしてもらうよう顧客に促している。そのため、乙第1号証ないし乙第3号証のいずれも、住所・電話番号よりホームページのURLの方が大きく記載されており、特に最も新しく作成された乙第3号証では、裏面の上端に住所・電話番号の数倍もの大きな活字で、紙幅いっぱいにURLが記載されている。一方、具体的な人材派遣に関する情報を必要とする人材派遣登録希望者へは、時差のない最新情報の提供が重要なので、インターネットを利用している。このように、紙媒体配布の主たる目的は、顧客が使用者に関心を抱いた際に、使用者の最新情報・詳細情報を得るために使用者のホームページにアクセスしてもらうことなので、URLさえ正確であれば、乙第1号証及び乙第2号証のような旧住所のままの資料を移転後も配布しても、さほど支障はないのである。

(3)以上のとおり、乙第1号証ないし乙第5号証により、本件商標は、過去3年以内に、取消請求に係る役務のいずれかには使用されていたというべきものである。

4 当審の判断

被請求人は、審判請求の予告登録日である平成20年1月25日前3年以内日本国内において通常使用権者により、取消請求に係る役務のいずれかについて本件商標は使用されていたとして、乙第1号証ないし乙第5号証を提出しているので、これによりその使用が証明し得たかについて以下、検討する。

(1)本件商標の取消請求に係る役務への使用について

乙第1号証ないし乙第3号証は、名古屋市に本社を置く「株式会社プロフィールド」の会社案内(パンフレット)であって、それぞれに本件商標と社会通念上同一と認められる商標が記載されている。

また、乙第1号証の社員募集用とする会社案内における「事業内容」の項には、「人材派遣サービス」、「■オフィス部門」、「OA・ファイリング業務」、「営業事務」、「経理事務」等が記載されている。

乙第2号証の事務職を主とする人材派遣サービス・人材紹介サービス・教育/研修サービスに関する顧客への配布用のパンフレットとする会社案内にも、「人材派遣サービス」、「■オフィス部門」、「OA・ファイリング業務」、「営業事務」、「経理事務」等が記載されている。

乙第3号証の技術職を主とする人材派遣サービスに関する顧客への配布用パンフレットとする会社案内には、「人材派遣サービス」、「マンション・オフィス部門」、「OAファイリング業務」、「営業事務」、「経理事務」等が記載されている。

そうすると、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る役務中の「派遣による一般会社事務又は経理事務,派遣による文書又は磁気テープのファイリング」について使用していたということができる。

(2)本件商標の使用場所及び使用時期について

ア 上記のとおり、乙第1号証及び乙第2号証は、社員募集用と顧客への配布用の会社案内(パンフレット)であって、それらに記載の本社の住所は、共に「名古屋市熱田区金山町1−3−6 金山ブリッジビル6F」であり、URL「http://www.profield.info」の記載等を同じくするものである。また、乙第3号証の技術職を主とする人材派遣サービス・研修制度に関する顧客への配布用パンフレットとする会社案内に記載の本社の住所は、「名古屋市中村区名駅4−24−8 EME名古屋ビル2F」であるが、URLを乙第1号証及び乙第2号証と同じくするものである。

そして、乙第4号証の「株式会社プロフィールド」の登記簿謄本によれば、本店の欄には「名古屋市熱田区金山町一丁目3番6号」と「平成15年5月14日移転」の記載及び「名古屋市中村区名駅四丁目24番8号」と「平成18年10月19日移転」の記載がある。

また、乙第2号証の会社案内(パンフレット)には、右下に「2007/07/30改訂」の記載のある「会社概要」が挟まれており、それには本社所在地として、乙第3号証の会社案内の本社住所及び登記簿謄本の現住所ほか、一般労働者派遣業許可番号及びURLを同じくする記載などがある。

イ してみると、株式会社プロフィールドは、該登記簿謄本の目的の欄及び乙第1号証ないし乙第3号証の各会社案内(パンフレット)の記載によれば、少なくとも平成13年4月27日から本件審判請求の予告登録日までの間、一般労働者派遣業の許可を受けた会社として、その事業を継続して行っていたものとみて差し支えない。

そして、乙第1号証及び乙第2号証の会社案内(パンフレット)の作成時期については、その記載住所と登記簿謄本の記載事項とを照らしてみれば、現住所に移転した平成15年以降、同18年の移転前に作成されたものであるとしても、これが本件審判請求の予告登録日前3年以内に作成されたものであるかは不明というほかない。しかし、一つのパンフレットやカタログ類を何年にも亙って使用することはあり得ることであり、必ずしも3年のサイクルでパンフレット等を再制作するものともいいきれず、また、住所、電話番号や商品の仕様や定価等の記載内容を補足し訂正したものを貼付したり或いは挟み込んで頒布することは、一般の商取引でもみられることがある。

ウ この点、顧客への配布用の乙第2号証の会社案内(パンフレット)にあっては、それに挟み込まれた一葉の「会社概要」の右隅に「2007/07/30改訂」や移転後(登記簿上平成18年10月19日移転)の本社住所やその他の記載からして、本件審判請求の予告登録日前3年以内に使用されていたものというのが相当であって、乙第3号証の会社案内(パンフレット)もその本社住所をみれば移転後の平成18年以降に作成され使用されていたというのが妥当である。

そして、乙第1号証ないし乙第3号証の会社案内(パンフレット)は、会社の取り扱いに係る業務内容等を紹介し、その営業目的のための広告宣伝手段の一としての取引書類(パンフレット類)として作成されたものであって、これを作成した以上は、本社所在地や各支店において頒布し使用されていたものというのが一般の商取引の実際に照らして自然である。

(3)本件商標の通常使用権者について

本件商標の通常使用権者は、商標登録原簿へ登録されておらず、また、被請求人は、通常使用権の許諾に関する証拠を提出していないが、被請求人が日本国内で取消請求に係る指定役務について使用していることを証明するための証拠として自ら提出した株式会社プロフィールド発行のカタログ等であることに照らせば、株式会社プロフィールドは、本件商標の通常使用権を被請求人から許諾された通常使用権者であると推認することが不自然ではないというべきである。

(4)まとめ

以上のとおり、(1)ないし(3)で認定した点を総合して判断すれば、被請求人は、審判請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者により、取消請求に係る役務中の「派遣による一般会社事務又は経理事務,派遣による文書又は磁気テープのファイリング」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用を証明し得たものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、本件審判の取消請求に係る指定役務について、その登録を取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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