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結論

勝訴(請求認容)

第3条第1項第3号「記述的商標の使用による識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2007−3442(T2007−3442/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2007−3442(T2007−3442/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
記述的商標の使用による識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2007−3442(T2007−3442/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「記述的商標の使用による識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「スリムダクト」の片仮名文字を普通に用いられる方法で横書してなり、第6類「暖冷房装置の配管用の金属製のダクト,ルームクーラー・ルームエアコンディショナーの配管用の金属製のダクト」及び第19類「暖冷房装置の配管用のプラスチック製のダクト,ルームクーラー・ルームエアコンディショナーの配管用のプラスチック製のダクト」を指定商品として、平成17年10月18日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『細身のダクト』の意味合いを看取させる『スリムダクト』の文字を書してなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、『細身の暖冷房装置の配管用の金属製のダクト,細身のルームクーラー・ルームエアコンディショナーの配管用の金属製のダクト,細身の暖冷房装置の配管用のプラスチック製のダクト,細身のルームクーラー・ルームエアコンディショナーの配管用のプラスチック製のダクト』を認識させるにとどまるものであって、自他商品を区別するための識別標識としての機能を有せず、単に商品の品質・形状・内容を表示するものとしか認識されないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、出願人(請求人)は、仮に本願商標には、自他商品の識別力が備わっていないとしても、本願商標は、出願人の長年月にわたる継続した使用によって、遅くとも本願出願日前に、需要者が出願人の業務に係る商品であることを認識できるものとなるに至っているとして商標法第3条第2項の適用を主張しているところ、提出された証拠(資料)によれば、いまだ本願商標が指定商品との関係において取引者、需要者において出願人の業務に係る商品であることを認識させるに至っているものとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「スリムダクト」の片仮名文字を普通に用いられる方法で横書してなるところ、その構成中前半の「スリム」の文字は、「細いさま。ほっそりしたさま。」等の意味を有する外来語であり、後半の「ダクト」の文字は、「建物内で、空調調節・換気のために空気を通す管路。また、一般に流体の輸送、地下の送電線・電話線などの収容に用いる管路。導管。」の意味を有する外来語であるから、これらの文字を組合せてなる「スリムダクト」からは、「細いダクト」程の意味合いを容易に認識させるものである。

そうしてみると、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の品質・形状を表示するにすぎないものである。

しかしながら、請求人(出願人)は、本願商標が、その指定商品に使用された結果、請求人(出願人)の商品を示す商標として、取引者、需要者に広く認識されるに至ったものであるから、商標法第3条第2項の規定により登録されるべきものである旨主張し、資料1ないし資料15(これらの資料は枝番を含む。以下、枝番全てを引用するときはその枝番を省略する。)を証拠として提出している。

そこで、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて検討するに、資料3ないし資料7(ホームページ抜粋の写し、販売状況等写真の写し及びカタログ抜粋の写し)、資料9(国内占有率を示す計算資料及び陳述書(添付資料1ないし添付資料13を含む。)の写し)によれば、本願商標及びそれと同一と認められる商標を「配管用ダクト」について、1981年(昭和56年)から現在に至るまで継続して使用してきたことが認められる。

そのうえ、資料7及び資料8(カタログ抜粋の写し、カタログ発行部数例一覧表及び証明書の写し)によれば、本願商標は、遅くとも1988年(昭和63年)からカタログに掲載され、毎年10万部以上、多い年では30万部以上発行しており、これらのカタログのほとんどが本願指定商品の需要者である取引業者に配布されているものと認められる。

また、資料9(国内占有率を示す計算資料及び陳述書(添付資料1ないし添付資料13を含む。)の写し)及び資料12(新聞記事の写し)によれば、本願商標の指定商品を取り扱う業界において、本願商標の市場占有率は、1981年(昭和56年)の販売当初の段階で市場規模は極めて小さかったとはいえ、1985年(昭和60年)までの間は、事実上100%を占めており、その後、1986年(昭和61年)から1994年(平成6年)までが約75%から約95%の間を推移、1995年(平成7年)から2002年(平成14年)までが約58%から約68%の間を推移してきて、2005年の出願時においても、約60%という高い市場占有率を維持してきたものと認められる。

さらに、資料11(納品伝票例一覧表及び製品受領書の写し)及び資料15(陳述書一覧表及び陳述書)によれば、本願商標の取引業者が、日本全国に及んでいることが認められる。

そうすると、本願商標は、1981年(昭和56年)頃より継続して、その指定商品に使用された結果、現在においては、取引者、需要者間において、請求人(出願人)の業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと認め得るところである。

してみれば、本願商標は、商標法第3条第2項に規定する要件を充たしているものであるから、同法3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶すべき限りでない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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