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Trademark Appeal Case

不使用取消と指定商品解釈

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−301447(T2007−301447/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第446822号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第446822号商標(以下「本件商標」という。)は、「TOTO」の文字を書してなり、昭和28年8月4日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同29年6月25日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が同49年10月30日、同59年6月20日、平成6年11月29日及び同16年6月15日の4回にわたりなされ、さらに、同17年6月29日に第23類「生糸,絹糸,織物用人造絹糸,野蚕糸,天蚕糸,金糸,銀糸」を指定商品とする書換登録がなされているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証(枝番を含む。)を提出した。

1 理由

本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁書に対する弁駁

被請求人の提出した証拠によっては、本件商標が書換後の指定商品について、現実に使用されていたものとは認められない。

(1)被請求人も認める如く、昭和29年6月25日に登録された本件商標は、その指定商品を、旧第26類「生糸、絹糸、人造絹糸、野蚕糸、天蚕糸、金糸及び銀糸」とするものである。

これにつき、被請求人は、「昭和32年1月22日通商産業省令第2号をもって公布、同年4月1日施行された商標法施行規則の一部改正により類別第26類の指定商品が『糸』とされたことを考えれば...(中略)...出願当時には既に日本国内で事業化されていたポリエステル糸、ナイロン糸についても包含すると考えるべきものである」と解釈している。

まず、「糸」が全て旧第26類に所属するとの考慮は、旧第27類「綿糸」、旧第28類「毛糸」、旧第29類「麻糸・混紡糸・紙糸」の他区分での「糸」存在や、旧第8類「釣り糸」、旧第70類「石綿糸」、その他「手術用縫合糸」等の存在からみても、勝手な解釈であることが理解できるところであり、仮に、同区分に属するとしても「例示」に記載のない「積極表示」がなされていない商品である。

また、旧第26類に属する「人造絹糸」は、「天然絹糸にまねた人造の織物用繊維。綿花や木材パルプのセルロースを種々の方法で溶解し、コロイド溶液とし、これを細孔から凝固液中へ射出して繊維状に凝固させたもの。人絹。レーヨン。」(広辞苑第五版)とあるように、植物性繊維から製造された「再生繊維」であり、ポリエステル系のナイロン(成形用ナイロン樹脂「アミラン」)等の「合成繊維」とは性質が異なるもので少なくとも「人造絹糸」には属するものではなく、他の指定商品「生糸,絹糸,野蚕糸,天蚕糸,金糸及び銀」にも属するとは考えられない「糸」であって、旧第26類に属したかどうかは不明ではあるが、他の区分にも「例示」のない、「積極表示」がされていない商品であることは明白である(「再生繊維」と「合成繊維」については甲第2号証参照)。

(2)しかるに、本件商標は、昭和29年6月25日の商標登録以来、同49年・同59年・平成6年の更新登録を経て、同16年6月15日の更新登録に際し、その大正10年法当時の指定商品、旧第26類「生糸、絹糸、人造絹糸、野蚕糸、天蚕糸、金糸及び銀糸」の書換登録がなされ、第23類「生糸,絹糸,織物用人造絹糸,野蚕糸,天蚕糸,金糸,銀糸」を指定商品として「積極表示」して更新登録したことを認めている。

特許庁のIPDLでも公開されている書換ガイドの旧第26類の表示(甲第3号証)には、被請求人の書換えした指定商品以外に「17区分 人造絹糸(織物用のものを除く。)」、「28区分 テグス」が例示されており、少なくとも、被請求人は、この2品目を書き換えずに、かつ、「ポリエステル系の糸」とか「ナイロン糸」(乙第2号証にある写真の「アミラン」は、被請求人のホームページにある会社案内の沿革に「成形用ナイロン樹脂」と記載されている...甲第4号証)の如き「合成繊維糸」を積極表示を行わなかったものであり、この書換行為により明らかに指定商品から外れたものと考えざるを得ない。

(3)百歩譲って、「再生繊維」と異なる「合成繊維」が、旧法の指定商品中、概念の明確な「生糸、絹糸、野蚕糸、天蚕糸、金糸、銀糸」を除いた「人造絹糸」に含まれると解したとしても、これとて「人造絹糸(織物用のものを除く。)」及び「天蚕糸」中の「テグス」までもが除外されており、「織物用人造絹糸」のみが含まれているにすぎない。

そうとすると、乙第2号証の写真は、商品「網糸」(甲第5号証)に関するものであって、「織物用人造絹糸」とは異なっており、また、乙第3号証は、商品が不明ではあるため使用証明としての価値は全く認められないが、「100m」の記載や、通常使用権者とされる株式会社ゴーセン及び納品先と思われる西村商店(兵庫県西脇市山手町428)の何れも「スポーツ店・フィッシング店」のジャンルで紹介されているサイトが存在すること(甲第6号証)に鑑み、「織物用人造絹糸」であるとは考え難い。

(4)次に、使用商標について考察するに、乙第2号証の写真は、使用者のみならず、使用年月日、撮影年月日も不明であって、証拠価値は全くなく、また、乙第1号証の契約書に記載された登録第446821号「トト」の使用は見当たるとしても、本件商標「TOTO」が「トト」のほか「トートー」や「トゥートゥー」の称呼も考慮されるに拘わらず、外観・観念・称呼の何れにおいても社会通念上の同一性が考えられない使用である。

また、乙第3号証においては、1文字の間隔は存在するものの、一連一体に「TOTO KAIRIKI」と書されており、本件との関連を念頭において考察するため、「TOTO」が含まれていることが理解できるとしても、全く一連の活字で書されたもので分断すべき理由もなく、この点から考慮しても、社会通念上の同一性は見当たらない。

更に、このような身内の通常使用権者名による、この売上伝票1枚のみでは、現実に取引がなされたものであるかを確認することはできない。

(5)したがって、乙第1号証の通常使用権契約がなされていたとしても、乙第2号証として提出された写真は、使用商品において異なり、また、使用者、使用年月日の不明な現実の使用を確認でき得ない証拠にすぎず、乙第3号証の伝票に表された商標は、本件商標と社会的同一性が認められない構成のものであり、使用商品も不明で、契約上も権利者から証明を義務づけられている当事者の伝票であるなど、現実の使用が全く認められない証拠でしかない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。

1 理由

(1)本件商標は、本件商標の通常使用権者によって、本件審判の請求の登録前三年以内に日本国内において、「合成繊維糸」について継続的に使用(以下、使用という)されており、したがって、本件審判の請求は成り立たない。以下にその理由の詳細を述べる。

(2)商標権者は、本件商標の通常使用権を以下のとおり許諾しているが、当該許諾に関する契約書を乙第1号証として提出する。

更に、被請求人は、本件商標が通常使用権者によって現在使用されていることを証明する資料として、本件商標と社会通念上同一とされる商標「トト」を付した商標表示物を乙第2号証、本件商標に関する商品の売上げ伝票を乙第3号証として提出する。当該売り上げ伝票の日付は2007年10月24日であり、本件審判の請求の登録前三年以内に日本国内において使用されていることが分かる。

(3)なお、通常使用権者が使用している商品は、乙第1号証で示した契約書に記載されている許諾商品、ナイロン糸又はポリエステル糸であるが、昭和32年1月22日通商産業省令第2号をもって公布、同年4月1日施行された商標法施行規則の一部改正により類別第26類の指定商品が「糸」とされたことを考えれば、本件商標の指定商品である、大正10年法の指定商品「生糸、絹糸、人造絹糸、野蚕糸、天蚕糸、金糸及び銀糸」及び書換後の第23類「生糸,絹糸,織物用人造絹糸,野蚕糸,天蚕糸,金糸及び銀糸」は、出願当時には既に日本国内で事業化されていたポリエステル糸、ナイロン糸についても包含すると考えるべきものである。

第4 当審の判断

1 本件使用に係る商品が本件請求に係る指定商品中の「合成繊維糸」の範疇に属する商品であるか否かについて、以下検討する。

(1)本件商標の指定商品について

本件商標の指定商品は、大正10年法の指定商品、第26類「生糸、絹糸、人造絹糸、野蚕糸、天蚕糸、金糸及び銀糸」を平成17年6月29日に第23類「生糸,絹糸,織物用人造絹糸,野蚕糸,天蚕糸,金糸,銀糸」とする指定商品の書換登録がなされたものである。

そして、「商品及び役務の区分解説」〔国際分類第8版対応〕によれば、[関連商品]として「化学繊維糸(織物用のものを除く。)」(第17類)とあり、書換登録後の本件商標の指定商品中の「織物用人造絹糸」は、織物用に限っていると理解すべきである。

(2)上記(1)を前提として、本件使用に係る商品「合成繊維糸」についてみるに、乙第2号証の「本件商標の商標表示物写真3葉」は、右端に色のついた糸の束の包装袋と糸の束が入っている透明の包装袋が貼付されており、両者に「トト印」、「アミラン網糸」の記載、及び糸の束が入っている透明の包装袋には「NO.1」、「360M」の記載がなされている。

しかし、写真を撮した人物、撮影年月日、撮影場所、及び「アミラン網糸」の材料・用途などについての記述は見当たらない。

また、本件商標の通常使用権者(乙第1号証)である「日東商事合資会社」が「西村商店」に宛てた2007年10月24日付けの「売上伝票」(乙第3号証)の商品コードの欄には「60800」(末尾不明)の数字、商品・サイズの欄には「TOTO KAIRIKI 100m 4」の記載がされていることが認められるが、「売上伝票」に対応する「納品書」等の証拠の提出はない。

2 以上を総合すると、乙第1号証の使用許諾の「契約書」中に本件商標の登録番号と「TOTO」の表示は認められるが、乙第2号証及び乙第3号証中には「トト印」の表示は認められるとしても、「TOTO」の表示は見当たらない。

そして、「売上伝票」(乙第3号証)の商品コードの欄の「60800」(末尾不明)の数字、及び「TOTO KAIRIKI」表示と上記写真との関連性を裏付ける具体的証拠は一切提出されていないものである。

してみると、被請求人の使用商標が本件商標と社会通念上同一と認められる商標か否かを判断するまでもなく、被請求人が使用しているとする商品「合成繊維糸」は、少なくとも、織物用に限っている本件商標の指定商品中の「織物用人造絹糸」の範疇には属しない商品といわざるを得ないし、また、本件商標の指定商品中の「織物用人造絹糸」以外の商品の範疇には属しないことは明らかである。

3 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも本件商標の指定商品について、本件商標を使用していたことを証明し得なかったということのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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