Trademark Appeal Case
略語と外来語の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900500(T2007−900500/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5064185号商標(以下「本件商標」という。)は、「DBパッケージプラン」の文字を標準文字で表してなり、平成18年8月23日に登録出願され、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,クレジットカード利用者に代わってする支払代金の清算,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,中古自動車の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機・現金自動預け払い機の貸与」を指定商品として、同19年7月20日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要点)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標が「defined benefit(確定給付年金又は確定給付型年金)」の略称として、保険業界において一般的に使用されている「DB」の文字と「各種の保険を組み合わせた保険設計」程度の意味合いの外来語「パッケージプラン」(package plan)の文字とを結合して「DBパッケージプラン」と標準文字で表してなるものであり、これを本件商標の指定役務中「確定給付(型)年金と組み合わされた生命保険契約の締結の媒介,確定給付(型)年金と組み合わされた生命保険の引受け,確定給付(型)年金と組み合わされた損害保険契約の締結の代理,確定給付(型)年金と組み合わされた損害保険に係る損害の査定,確定給付(型)年金と組み合わされた損害保険の引受け」等の保険に関する役務に使用するときは、役務の質、内容を表示するにすぎないものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当すると申し立て、その証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
第3 本件商標の登録に対する取消しの理由
1 申立人提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)「DBとは?年金」に係るウェブ検索結果(甲第3号証)には、「DB(k)プランとは、企業年金のDBプラン(Defined Benefit Plan、確定給付型)と401(k)プラン(Defined Contribution Plan、確定拠出型)の組み合わせという意味の造語である。・・」と表示されている。
(2)日本興亜損保のウェブページ(甲第4号証 http://www.nipponkoa.co.jp/401k/step/kigyo3.htm)には、確定拠出年金の項に、「企業型の場合」「3 導入パターン例」として、「DC(Defined Contribution)・・・確定拠出年金)」及び「DB(Defined Benefit)・・・企業年金・退職一時金」の表示があり、その図解中で「DC」と共に「DB」が使用されている。
(3)はてなダイアリー(甲第5号証 http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%CE%C4%EA%B5%EB%C9%D5%C7%AF%B6%E2)の「確定給付年金」の項には、「DB(給付建て年金) 年金給付額を固定して、保険料を逆算するしくみの年金。・・」と記載されている。
(4)インフォバンク マネー百科(甲第6号証 http://money.infobank.co.jp/contents/T400015.htm)には、「DB」として、「よみ でぃーびー」「英語 Defined Benefit Plan」の記載があり、「DBとは、あらかじめ支給額又は支給額の計算方法が定められている年金のことで、確定給付年金ともいわれます。・・・。我が国の公的年金制度はこの確定給付年金です。」との記載がある。
2 職権をもって調査したところ、「DB」の文字について、以下の事実が認められる。
(1)2006年11月9日付け日刊工業新聞 25頁には「ポスト・適格退職年金への挑戦(下)りそな信託銀行−田中卓社長に聞く」と題する記事中、「移行先として確定給付年金(DB)と確定拠出年金(DC)が注目されています。中堅・中小企業にとってどちらが好ましい選択ですか。」との記載がある。
(2)2006年3月23日付け日刊工業新聞 3頁には「企業研究/日本生命保険(7)401kの受託合戦−証券・損保と競争激化」と題する記事中、「DB(確定給付型年金)の受託機関であるというノウハウと強みを生かす」との記載がある。
(3)2005年2月3日付け日刊工業新聞 27頁には「企業年金、主役交代へ−確定給付が厚年基金抜く」と題する記事中、「02年に登場した確定給付企業年金(DB)が1日現在で923件に達し」との記載がある。
(4)2004年4月26日付け日刊工業新聞 19頁には「検証『401k』/企業年金の救世主か(8)大手生保、コンサル強化」と題する記事中、「私どものスタンスはお客様がDB(確定給付年金)、DC(確定拠出年金)どちらを選択してもおつきあいする」との記載がある。
(5)1999年2月8日付け日刊工業新聞 17頁には「市場を拓く/確定拠出型年金−金融界、システムで陣取り合戦」と題する記事中、「現行の確定給付型年金(DB)制度は低金利、少子高齢化、雇用のリストラなどで運用利回りが予定利率の年五・五%を大きく割り込み、年金財政が行き詰まっている。」との記載がある。
(6)りそな信託銀行のウェブページ(http://www.resona-gr.co.jp/resona-tb/kyufu/dbplan/index.html)には、「りそなDBプラン」として「りそな信託銀行では確定給付企業年金(規約型)の新商品『りそなDBプラン300』を開発しました。」との記載がある。
(7)平成15年6月12日第20回社会保障審議会年金部会議事録(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/06/txt/s0612-3.txt)中の「○矢崎企業年金国民年金基金課長」の発言の中に、「資料1−1でございます。・・・(略)・・。それに加えまして、新しいタイプの企業年金として、『DC』と書いてございます確定拠出年金、そして『DB』と書いてございます確定給付企業年金も新しく導入されております。」との記載がある。
(8)企業年金連合会のウェブページ(http://www.pfa.or.jp/top/yougosyuu/ka/26.html)には、「『か』から始まる用語 確定給付型年金(=DB)」との記載がある。
(9)損保ジャパンDC証券のウェブページ(http://www.sjdc.co.jp/401k/intro/dbdc.html)には、「DB(確定給付年金)とDC」との記載がある。
(10)三菱アセット・ブレインズ株式会社のウェブページ(http://www.mab.jp/db.html)には、「用語集 カ行 確定給付型年金(DB年金) 給付額が確定しており、年金数理計算によって算出された拠出額を積立てていく年金。」との記載がある。
(11)第一生命のウェブページ(http://www.dai-ichi-life.co.jp/company/gyouseki/gyseki03/date/76-79.pdf)には、「日本の企業年金制度においては、平成13年度以降、『確定拠出年金制度(DC制度)の導入』、『確定給付企業年金法(DB法)の制定(厚生年金基金・適格退職年金の制度改定/他制度への移行)』といった抜本的な制度改革が実施されています。」との記載がある。
(12)りそな信託銀行のウェブページ(http://www.resona-gr.co.jp/resona-tb/info/note/pdf/200507.pdf)には、「『確定給付企業年金法』、『確定給付企業年金法施行令』を『DB法』『DB令』と略記。」との記載がある。
3 職権をもって調査したところ、「パッケージプラン」の文字について、以下の事実が認められる。
(1)「パッケージプラン」の文字が各種サービスにおいて使用されている事実
ア 2003年10月1日付け毎日新聞 地方版/奈良 21頁には「[経済あらかると]南都銀行で資産運用パッケージプラン一番人気など /奈良」と題する記事中、「南都銀行(奈良市)は、投資信託、外貨定期預金のいずれかとスーパー定期預金(3カ月)を組み合わせる『資産運用パッケージプラン 一番人気』が好評なことから、取り扱いを04年3月31日まで延長する。」との記載がある。
イ 1998年8月25日付け流通サービス新聞 1頁には「都市型ホテル、秋のブライダル作戦−ジミ婚ブームをどう跳ね返すか」と題する記事中、「オリジナルウエディングを望むカップルが増えてきたのを受け、各ホテルはパッケージプランでありながら料理、装花などのバリエーションを拡大。多様化する消費者ニーズにこたえようと躍起になっている。」との記載がある。
ウ NDソフトウェア株式会社のウェブページ(http://www.ndsoft.jp/p_prd_H_hoken/p_prd_H_hoken_sin-yogorojin-plan.html)には、「新型養護老人ホームパッケージプラン」との記載がある。
エ 南都銀行のウェブページ(http://www.nantobank.co.jp/sonota/ichibanninki.htm)には、「資産運用パッケージプラン」との記載がある。
オ hans−huberのサイト(http://store.shopping.yahoo.co.jp/h-h/bp198000.html)には、「ブライダル:パッケージプラン」との記載がある。
カ So−netのウェブページ(http://www.so-net.ne.jp/business/soho/service/hosting/package.html)には、「ホスティングパッケージプラン」との記載がある。
キ 株式会社日本コンサルタントグループのホームページ(http://www.niccon.co.jp/hrm/hrd/start/index.htm)には、「新入社員研修パッケージプラン」との記載がある。
ク 「ハワイ旅行の専門サイト ビック楽園ホワイ」のウェブページ(http://www.bigrakuen.com/tour/pack_t.htm)には、「完全パッケージプラン」との記載がある。
(2)「パッケージプラン」の文字が本件商標の指定役務中の保険等の業界で使用されている事実
ア 2003年3月5日付け日刊工業新聞 29頁には「UFJ信託、確定拠出年金業務を強化−中堅・中小企業向けに提案」と題する記事中、「UFJ信託銀行は確定拠出年金業務を強化する。中堅・中小企業向けに制度導入に必要なサービスをパッケージ化した新商品『UFJのDCパッケージプラン』を投入。」との記載がある。
イ 2003年2月25日付け共同通信には「中堅企業向け一体型商品」と題する記事中、「UFJ信託銀行は二十五日、主に中堅・中小企業向けに、確定拠出年金の導入、運営に必要なサービスをまとめて提供する『UFJのDCパッケージプラン』の取り扱いを始めると発表した。」との記載がある。
ウ 西日本シティ銀行のウェブページ(http://www.ncbank.co.jp/nr/images/050614.pdf)には「・・・確定拠出年金(企業型)の導入を希望される中堅・中小企業のお客様を支援するために開発したパッケージプランです。」との記載がある。
エ 損保ジャパンのウェブページ(http://www.sompo-japan.co.jp/news/200305120854.html)には、「商工会議所等の事業者団体向けには、企業型DCと個人型DCを組み合わせた『事業者団体向けDC総合型パッケージ・プラン(DC総合パッケージ・プラン)』を4月に開発・発売いたしました。」との記載がある。
オ 十八銀行のウェブページ(http://www.18bank.co.jp/news/topics/2007/2007_035.html)には、「『十八銀行確定拠出年金総合型プラン』は、複数の企業が参加するパッケージプランです。」との記載がある。
カ UFJ信託銀行のウェブページ(http://www.mufg.jp/ir/presentation/backnumber/pdffile/nomura030415.pdf)には、「・・・【DC(確定拠出型年金)パッケージプラン】■中堅・中小企業(従業員200〜500人)が対象」との記載がある。
キ さくらアソシエイトのウェブページ(http://www.sakura-associate.co.jp/personal_list.html)には、「● シニアにきちんと!医療保険 ・・・お求めやすいパッケージプランもご用意しています。」との記載がある。 ク あんしんWEBのウェブページ(http://www.sougouansin.co.jp/)には、「病院経営者の皆様へ 病院向けパッケージプラン 超ビジネス保険(病院向け)」との記載がある。
ケ ライフプランニングのウェブページ(http://womanexcite.hokende.com/mrt550.asp?newkeyword=%83%8C%83f%83B%81%5B%83X%82d%82u%82d%82q%83V%83%8A%81%5B%83Y)には、「保険市場オリジナルパッケージプラン! 6つのポイントから選ぶ、女性のための医療保険。」との記載がある。
コ AIU保険会社のウェブページ(http://www.aiu.co.jp/individual/product/medical/index.htm)には、「もう保険選びで迷う必要はありません。・・・。お求めやすいパッケージプランもご用意しています。」との記載がある。
サ ソニー損保のウェブページ(http://www.sonysonpo.co.jp/prod/auto/difference/N2010906.html)には、「補償プラン設計ナビ」の項に、「お客様のライフステージに合わせたパッケージプランもご用意しています。」との記載がある。
シ TAKE IN JAPANのウェブページ(www.take-in-japan.com/hoken_pac.htm)には、「パッケージプラン(保険料建)」として「パッケージプランにご加入いただくと、保険料がお得です。」との記載があり、「パッケージプランでは、『傷害治療費用』『疾病治療費用』『救援者費用』の3つの補償内容を一つにまとめ『治療・救援者費用』としてセットいたしました。」との記載がある。
4 以上によれば、「DB」は、保険等の業界において、「確定給付(型)年金」を指す語として使用されているものである。また、「パッケージプラン」は、保険等の業界を含め各種のサービス業において「各種のサービスを組み合わせた設計(計画)」程の意味を表す語として普通に使用されていることから、本件商標を構成する「DBパッケージプラン」の文字は、前記の両語を結合したものとして容易に認識され、確定給付(型)年金と組み合わせになったものと容易に理解されるというべきである。
してみれば、本件商標に接する取引者・需要者は、当該役務の内容が確定給付(型)年金と組み合わせになったもの(確定給付(型)年金と組み合わせになった保険の引受け等)であることを示すものと理解するというのが相当であるから、これを指定役務中前記に照応する役務に使用するときには、本件商標を役務の質、内容を表示するものとして認識するに止まり、自他役務の識別標識としては認識しないというべきである。
また、本件商標の指定役務中、前記確定給付(型)年金と組み合わせになった役務以外の役務について使用するときは、役務の質について誤認するおそれがある。
5 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
第4 当審の判断
当審において、商標権者に対し、上記第3の取消しの理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
そして、上記第3の取消しの理由は妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、この取消しの理由により、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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