Trademark Appeal Case
著名略語商標の類似判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900098(T2008−900098/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5094580号商標(以下「本件商標」という。)は、「TOJFL」の文字を標準文字で書してなり、平成19年1月29日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年11月30日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4134583号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年5月22日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成10年4月10日に設定登録されたものである。
(2)登録第4358413号商標(以下「引用商標2」という。)は、「TOEFL」の文字を横書きしてなり、平成8年7月10日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成12年2月4日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
引用商標は、「米国に留学を希望する外国人のための英語の学力テスト」を意味する「Test of English as a Foreign Language」の略語として世界的に著名である。本件商標は、引用商標とは僅かに「J」と「E」の文字の差異を有するにすぎず、外観上類似する商標である。また、引用商標は「トーフル」と称呼され著名であるから、本件商標は「トーフル」と称呼される可能性が高い。さらに、本件商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、引用商標の著名性にただ乗りを意図し、不正の利益を得る目的で出願されたものである。
(3)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、申立人の登録商標であるかのような誤解を招くおそれがある。したがって、本件商標は、社会公共に利益を損なうと同時に、国際信義にも反するものである。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第19号及び同第7号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「TOJFL」の文字を標準文字で書してなるものである。
これに対し、引用商標1は、別掲のとおりの構成よりなるものであり、また、引用商標2は、「TOEFL」の文字を横書きしてなるものである。
そうすると、本件商標と引用商標1とは、その構成よりみて、明らかに区別し得る差異を有するものである。また、本件商標と引用商標2とは、中間部において、「J」と「E」の文字の差異を有するものであるところ、いずれも簡潔な活字体よりなるものであり、後記(2)認定のとおり、引用商標は、「トーフル」と称呼され、「米国に留学を希望する外国人のための英語の学力テスト」を意味する「Test of English as a Foreign Language」の略語として、我が国においても著名であるのに対し、本件商標は、一見して我が国において親しまれている語ではなく、これより特定の称呼を生じないか、あるいは、アルファベット読みにした「ティーオージェイエフエル」の称呼を生ずるものといえるから、その称呼上の差異も相俟って、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上相紛れるおそれはないものとみるのが相当である。
さらに、本件商標は、上記認定のとおり、その構成文字より、特定の称呼を生じないか、あるいは、アルファベット読みにした「ティーオージェイエフエル」の称呼を生ずるものであるから、「トーフル」の称呼を生ずる引用商標1及び2とは、称呼上比較することができないか、あるいは、構成音数等の差異により、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、明らかに聴別し得るものである。
また、本件商標は、特定の観念を有しない造語よりなるものと認められるから、引用商標1及び2とは、観念上比較することができない。
したがって、本件商標は、引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(2)商標法第4条第1項第19号及び同第7号について
甲第5号証ないし甲第12号証によれば、「TOEFL」の語は、「米国に留学を希望する外国人のための英語の学力テスト」を意味する「Test of English as a Foreign Language」の略語であって、申立人が1964年(昭和39年)より実施をしているテストであること、1990年において、日本人の受験者数が10万人を突破したこと、世界100カ国以上の国々で実施されていることなどが認められ、本件商標の登録出願時において、申立人の実施する英語の学力テストを表示するためのものとして、日本国内外の需要者の間に広く認識されているものと認めることができ、その著名性は、その登録査定時に至るまで継続していたものと認められる。
しかしながら、前記(1)のとおり、本件商標は、引用商標1及び2とは、商標それ自体非類似のものである。
そうすると、本件商標は、引用商標1及び2の著名性へのただ乗りをする等、不正の目的をもって使用するものということはできない。また、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということもできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第19号及び同第7号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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