Trademark Appeal Case
称呼の認定と類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900100(T2008−900100/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5095322号商標(以下「本件商標」という。)は、「ラックス」の文字を標準文字で表してなり、平成18年12月7日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年9月21日に登録査定、平成19年11月30日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4448450号商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成11年7月30日に登録出願、第9類、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年1月26日に設定登録されたものである。
(2)国際登録第772358号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、2001年8月2日にスイス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して2001年12月12日に国際登録され、第9類、第14類、第16類、第18類、第24類、第25類、第28類、第35類及び第42類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年4月4日に我が国において設定登録され、その後、第42類に属する役務については、2006年10月13日及び2007年12月24日の2度に亘り、国際商標登録原簿に記載のとおりの役務に補正されたものである。
(上記(1)及び(2)の登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)
3 登録異議の申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成文字より「ラックス」の称呼を生ずるものである。他方、引用商標は、その構成中、需要者の間で広く認識されている「AX」の文字部分より「アックス」の称呼を生ずるものである。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼上相紛らわしい類似の商標であって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、著名な引用商標及びその略称である「A|X」ないし「AX」と称呼上類似する商標であるから、本件商標をその指定商品について使用するときは、申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「ラックス」の文字を書してなるものであるから、これより「ラックス」の称呼を生ずるものである。また、片仮名文字の「ラックス」からは、直ちに特定の観念が生ずるものではないから、本件商標は、造語を表したと理解されるとみるのが相当である。
これに対して、引用商標は、別掲(1)及び(2)のとおり、「A|X」の文字及び記号を大きく表し、その下に、「ARMANI EXCHANGE」の文字を横書きしてなるものであるところ、その構成中の「ARMANI」の文字部分は、ファッションデザイナーとして世界的に著名な「ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)」の略称を表したものと理解され、引用商標が使用される商品が該デザイナーに係るものであると認識されるものである。しかしながら、引用商標中の「A|X」の部分が「アックス」と称呼され、本件商標の登録出願前より我が国のファッション関連の商品の分野の需要者の間で知られているという事実は、申立人の提出した証拠によっても認めることができず、むしろ、甲第19号証(平成10年第35281号審決)中の請求人(本件申立人)の主張によれば、「A|X」の部分から「エイエックス」との称呼が生ずるとしているところであり、また、引用商標を表示した商品の紹介においては、「〈A/X〉のネーミングは、軍人の家族に手頃な価格で商品を提供した米軍購買部P/X(ポスト・エクスチェンジ)から取られた。」(甲第20号証)、「A/X(アルマーニ・エクスチェンジ)」(甲第21号証)、「アルマーニ・エクスチェンジ/ARMANI EXCHANGE/A/X」(甲第15号証)などと記載されているところである。
そうすると、引用商標は、その構成中の「A|X」の部分より生ずる称呼は、「アルマーニ・エクスチェンジ」ないし「エイエックス」であって、「アックス」の称呼は生じないというのが相当である。
してみれば、本件商標より生ずる「ラックス」の称呼と引用商標より生ずる「アルマーニ・エクスチェンジ」ないし「エイエックス」の称呼は、構成する音数、各音の配列・音質等の差異により、それぞれの称呼を一連に称呼しても、互いに紛れるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼上類似する商標ということはできない。また、本件商標と引用商標とは、外観上明らかに区別し得る差異を有するものであり、さらに、本件商標は、前記のとおり、造語よりなるものであるから、両商標は、観念上比較することができない。
以上によれば、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
甲第4号証ないし甲第15号証及び甲第17号証ないし甲第21号証によれば、引用商標は、ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)のデザインに係る若者向け被服等に表示される商標として1991年より使用されたことが認められる。しかしながら、上記証拠の大半は、引用商標が外国で使用された事実を立証するものである。また、前記(1)の認定のとおり、引用商標を表示した商品の紹介においては、「〈A/X〉のネーミングは、軍人の家族に手頃な価格で商品を提供した米軍購買部P/X(ポスト・エクスチェンジ)から取られた。」(甲第20号証)、「A/X(アルマーニ・エクスチェンジ)」(甲第21号証)、「アルマーニ・エクスチェンジ/ARMANI EXCHANGE/A/X」(甲第15号証)などと記載されている事実は認められるものの、上記証拠を総合しても、引用商標中の「A|X」の部分が引用商標の略称として、本件商標の登録出願前より我が国のファッション関連の商品分野の需要者の間に広く認識されているという事実を見出すことはできない。そして、前記(1)の認定のとおり、本件商標は、引用商標とは全く類似するところのない非類似の商標であるから、本件商標に接する需要者が直ちに引用商標を想起又は連想するものとは考え難く、したがって、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
そうすると、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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