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Trademark Appeal Case

指定商品の使用意思

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900113(T2008−900113/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5098998号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5098998号商標(以下「本件商標」という。)は、「ATHLETE LABEL」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年2月7日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、同年10月16日に登録査定され、同年12月14日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

1 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。

(1)登録第4422102号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成10年3月12日登録出願、第10類「医療用機械器具」を指定商品として、同12年10月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(2)登録第4441402号商標(以下「引用商標2」という。)は、「アスリート」の欧文字を横書きしてなり、平成10年3月12日登録出願、第10類「医療用機械器具」を指定商品として、同12年12月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 理由の要点

(1)商標法第3条第1項柱書について

本件商標の商標権者は、1899年の創業になり、主な事業内容は「医薬品・化粧品・機能性食品等の製造販売」である。

そして、主として目薬、胃腸薬等の医薬品が一般に知悉されている。

しかしながら、本件商標に係る指定商品中、「第5類 医療用腕環」については、商標権者の製造販売項目には全く見当たらないし、また、創業以来100年以上経過した経緯をみても、近い将来において、このような「医療用腕環」の製造販売等の業務を開始するとも思われない。

ちなみに、特許庁商標課編の商品及び役務の区分解説[国際分類第9版対応]によると、「医療用腕環」とは、磁気を利用した治療用腕環等専ら医療用のものに限られる、と解説されている。

斯かる医療用機械器具の鈍磨の製品ともいうべき「医療用腕環」を医療用機械器具メーカーなら兎も角も、医薬品メーカーである商標権者が近い将来において製造販売するとは到底考えられない。

したがって、本件商標に係る指定商品中、「第5類 医療用腕環」については、本件商標は、現に使用していないばかりでなく、将来使用するとは到底考えられない。

本件商標に係る指定商品中、「第5類 医療用腕環」については、自己の業務に係る商品について使用しないことが明らかであり、商標法第3条第1項柱書の規定に違反してなされたものである。

(2)商標法第4条第1項第10号について

申立人は、1981年の創業以来一貫して循環器関連の医療機械器具の供給や医療情報提供を行い大学病院等の全国医療中枢で高く評価されている(甲第4号証)。

申立人は、本件商標に係る指定商品中、「第5類 医療用腕環」の類似商品に該当する「第10類 医療用機械器具」の分野において、平成6年を皮切りに平成10年頃より本格的に「医療用機械器具」、特に「ガイドワイヤー」について「ATHLETE」「アスリート」を冠する商標のブランド展開を行っている。

すなわち、申立人は、「ATHLETE」「アスリート」をはじめこれら「ATHLETE」「アスリート」を冠する商標群について15件の登録商標と2件の商標登録出願(登録査定済み)を所有している。(甲第5号証の1ないし17)。

申立人は、本件商標の登録出願又は登録時以前から、「第10類 医療機械器具」について引用商標1及び引用商標2をはじめ、「ATHLETE」「アスリート」を冠する登録商標を所有している(甲第5号証)。

すなわち、「第5類 医療用腕環」の類似商品に該当する「第10類 医療用機械器具」の分野では「ATHLETE」「アスリート」をはじめ、これら「ATHLETE」「アスリート」を冠する商標は申立人のブランド商標として、本件商標の登録出願時及び登録時において、ガイドワイヤーをはじめとする医療機械器具を表示するものとして医療機械器具の取引者又は需要者の間に広く認識されていいる周知商標である。

本件商標の「ATHLETE LABEL」は、その要部は「ATHLETE」の部分にあり、間隔を置いて結合された「LABEL」部分は指定商品中「医療用腕環」との関係では自他商品の識別力は極めて希薄なものであるといわざるを得ないものである。

加えて、取引者又は需要者において、この「LABEL」部分の称呼を「ラベル」と呼ぶのか、「レーベル」と呼ぶのか戸惑いを生ずることを考慮すると、本件商標において自他商品識別力の部分はあくまでも「ATHLETE」にあるというべきである。

更に、商標法第4条第1項第10号について、他人の「需要者の間に広く認識された」いわゆる未登録周知商標と他の文字を結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものを含め、原則としてその未登録商標と類似するものとする、との商標審査基準の解釈からすると、申立人の引用商標1及び引用商標2と本件商標とは、類似商標というべきであり、指定商品についても、本件商標に係る指定商品中、「医療用腕環」と前記した引用商標1及び引用商標2に係る指定商品「医療用機械器具」とは類似商品である。

したがって、指定商品中「医療用腕環」に係る本件商標は、商標法第4条第1項第10号の「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であってその商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用するもの」に該当するものである。

(3)商標法第4条第1項第11号について

引用各商標は、前記したように、医療機械器具について長期かつ広範囲にわたる使用の結果、本件商標の登録出願時及び登録時において、申立人の業務である医療機械器具を示す商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものである。

本件商標は、上記したように「ATHLETE LABEL」の文字を横一連に記載した構成からなるものであり、「ATHLETE」と「LABEL」との間に間隔を設けてなるものである。

本件商標は、その外観構成上、これが全体として一個の商標を構成するとはいえ、「ATHLETE」と「LABEL」との間に間隔を設けて分離した構成となっているために、該登録商標の要部はあくまでも「ATHLETE」の文字にあるものというべきであり、後半の「LABEL」の部分は、指定商品中「医療機械器具」との関係において自他商品識別力が極めて希薄で乏しいものと判断される。

したがって、本件商標の外観は、申立人の所有する引用商標1と類似するものである。

次に、本件商標と引用各商標との称呼の観点からその類否を検討するに、本件商標の「ATHLETE LABEL」は「アスリートラベル」若しくは「アスリートレーベル」の称呼を生ずるとも考えられるが、一般的には我が国においては「アスリートラベル」と称呼されるのが通常であると判断される。

しかしながら、前記したように本件商標「ATHLETE LABEL」のうち、後半の「LABEL」の部分は、指定商品中「医療機械器具」との関係において自他商品識別力が極めて希薄で乏しいものとの判断から、「LABEL」を除いた「ATHLETE」の部分のみから「アスリート」の称呼を生じるものと判断されるのが一般的である。

すなわち、その意味内容からしても、「ATHLETE」と「LABEL」が不可分に結合するといった格別な理由はなく、本件商標は「ATHLETE」商標と率直に認識されうるものである。

特に、前記したように引用各商標が申立人の商標として医療機械器具の分野において取引者又は需要者の間に広く認識された商標となっており、この点からも本件商標中「ATHLETE」の部分に格別の印象を与えるものである。

しかも、申立人は、医療機械器具についてその所有する上記引用各商標を始め、これら引用各商標を冠する商標群のブランド展開を行っていることを鑑みた場合に、本件商標に係る「医療用腕環」が存在したと仮定した場合、これに接する者は、一見してこれが「ATHLETE」からなるものと認識し、「アスリート」の称呼、観念をもって特定し、認識するものであると思料する。

よって、本件商標は、引用各商標とその外観、称呼及び観念を共通にする類似商標である。

次に、本件商標は、指定商品「第5類 医療用腕環」を含んでおり、これが引用各商標の指定商品「第10類 医療用機械器具」と抵触することは明白である。

したがって、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当することは明白である。

3 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項柱書、同法第4条第1項第10号及び同第11号に該当し、その第5類の指定商品中「医療用腕環」についての登録は取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 商標法第3条第1項柱書について

申立人は、商標権者が本件商標をその指定商品について使用する意思がない旨種々主張し、甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。

しかしながら、本件商標は、上記第1のとおり、平成19年2月7日に登録出願され、同年10月16日に登録査定され、同年12月14日に設定登録されたものであって、設定登録から1年も経過していないものである。また、申立人は上記のとおり商標権者のホームページによる会社概要の写し(甲第1号証)、商標審査便覧(甲第2号証)、商標審査における拒絶理由通知例(甲第3号証)を提出しているが、これらの証拠のみによっては、商標権者が本件商標をその指定商品について使用する意思がないとする具体的な証拠資料とは認められないものであるから、本件商標は商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないとはいえないというのが相当である。

2 商標法第4条第1項第10号について

先ず、本件商標と引用商標1、引用商標2及び「ATHLETE」「アスリート」の文字を有する申立人登録商標(甲第5号証の1及び4ないし17、以下同じ。)との類否について、以下検討する。

(1)本件商標は、前記のとおり「ATHLETE LABEL」の欧文字を標準文字で表してなり、中間部に一字程度間隔を有しているとしても、他の構成各文字は同書、同大、外観上一体に表してなるばかりでなく、これより生ずると認められる「アスリートラベル」又は「アスリートレーベル」の称呼も冗長でなく、無理なく一気一連に称呼し得るものであるから、該構成文字全体に相応して、「アスリートラベル」又は「アスリートレーベル」の一連の称呼のみ生ずるものであって、単に「アスリート」の称呼は生じないというべきであって、他に、本件商標の構成にあって、「ATHLETE」のみ分離、抽出して観察しなければならない格別の事由は見いだせない。

したがって、本件商標は、「アスリートラベル」又は「アスリートレーベル」の一連の称呼のみ生ずる一体不可分の一種の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。

(2)他方、引用商標1は、別掲のとおりの構成よりなるところ、語頭の欧文字「A」の横線(バー)を省略して表示した認められ、全体として「ATHLETE」の文字を書してなるものであり、また引用商標2は、「アスリート」の文字のみからなるものであるから、これらよりは、「アスリート」の称呼のみ生じ、「競技者、運動家」の観念を有するものである。

(3)また、「ATHLETE」「アスリート」の文字を有する申立人登録商標は、いずれも「ATHLETE」又は「アスリート」の文字を有する商標であって、文字全体の構成に相応した称呼、若しくは「アスリート」の称呼を生ずる場合があるとしても、「アスリートラベル」又は「アスリートレーベル」の一連の称呼を生ずるものでない。

そうとすれば、本件商標から生ずる称呼「アスリートラベル」又は「アスリートレーベル」と引用商標1、引用商標2及び「ATHLETE」「アスリート」の文字を有する申立人登録商標から生ずる「アスリート」の称呼若しくは全体の構成に相応した称呼とは、その構成音数又は構成音において明らかな差異を有し、音感、音調を異にするものであるから、称呼上十分区別し得るものである。また、両者は、外観においても明らかな差異があり、観念においては比較できないものである。

(4)してみれば、本件商標と引用商標1、引用商標2及び「ATHLETE」「アスリート」の文字を有する申立人登録商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないものであるから、たとえ、申立人の提出に係る甲第4号証、甲第6号証ないし甲第19号証より、「Athlete」標章、「ATHLETE」標章が「医療用ガイドワイヤー」に使用されていることが認められるとしても、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものではない。

3 商標法第4条第1項第11号について

上記認定のとおり、本件商標は、引用商標1及び引用商標2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。

4 まとめ

したがって、本件商標の登録は、登録異議申立てに係る指定商品第5類の「医療用腕環」について、商標法第3条第1項柱書、同法第4条第1項第10号及び同第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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