sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

商標「やさしはだ」と「ばんそうこう,粘着包帯,包帯,創傷被覆材,医療用シート状粘着テープ,カテーテル…」の商標の称呼判断(第4条第1項第11号・第4条第1項第15号|審判異議2008−900133(T2008−900133/J7))

審判番号
異議2008−900133(T2008−900133/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「やさしはだ」引用商標「ばんそうこう,粘着包帯,包帯,創傷被覆材,医療用シート状粘着テープ,カテーテル…」
争点(論点)
商標の称呼判断
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
第5類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2008−900133(T2008−900133/J7)・異議)は、本件商標「やさしはだ」と引用商標「ばんそうこう,粘着包帯,包帯,創傷被覆材,医療用シート状粘着テープ,カテーテル…」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「商標の称呼判断」です。指定商品・役務は第5類に属します。特許庁は「登録第5103436号商標の登録を維持する」と判断しました(登録維持)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第5103436号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5103436号商標(以下「本件商標」という。)は、平成19年6月8日に登録出願、「やさしはだ」の平仮名文字を標準文字で表してなり、第5類「医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,生理用パンティライナー,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,失禁用ナプキン,失禁用パッド,失禁用パンツ,失禁用ライナー,大人用紙オムツ(パンツ式のものを含む),失禁用おしめ,失禁用吸収性ショーツ及びトランクスその他の失禁用吸収性下着」を指定商品として、同20年1月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立の理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録第4640129号商標及び使用に係る商標「優肌」を引用して、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2の規定により取り消されるべきものであると申し立て、証拠方法として甲第1ないし第80号証を提出した。

(1)引用商標

登録第4640129号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成14年4月4日に登録出願、第5類「ばんそうこう,粘着包帯,包帯,創傷被覆材,医療用シート状粘着テープ,カテーテル固定用粘着テープ,その他の医療用粘着テープ,医療用テープ」を指定商品として、同15年1月24日に設定登録されたものである。

(2)使用に係る商標

申立人の知名度及び継続した宣伝広告の結果、引用商標及び「優肌」(以下これらを「使用商標」という。)は、医療用粘着テープ及び医療用粘着フィルム、医療用包帯等の申立人のブランドを指標するものとして、本件商標の登録出願時には需要者や取引者に広く認識されていた。

(3)商標法第4条第1項第11号について

本件商標からは「ヤサシハダ」の称呼を生じるのに対し、引用商標を構成する「優肌」の文字部分からは「ヤサハダ」の称呼を生じるものである。

そうすると、本件商標と引用商標の称呼とは、中間音の「シ」の有無という相違を有するにすぎず、その語感・語調は相紛らわしいものであるから称呼上類似する。

また、本件商標及び引用商標を構成する「優肌」の文字部分からは「優しい肌」、「肌に優しい」の共通の観念を生じるものである。

そうすると、本件商標と引用商標とは、観念が類似する。

(4)商標法第4条第1項第15号について

使用商標は、申立人の商標として周知著名であるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所につき混同を生じるおそれがある。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、上記のとおり、平仮名「やさしはだ」を標準文字により表してなるから、その構成文字に相応して「ヤサシハダ」の称呼が生じるものであり、かつ、平仮名を羅列した当該文字綴りからは、直ちに特定の意味合いを生じることのない造語商標というのが相当である。

他方、引用商標は、別掲に示したとおりの構成よりなるところ、上段に小さく書された「ゆうき」の文字自体は、その構成態様からして、中段の漢字「優肌」についての振り仮名と、また、下段の「YU−KI」の欧文字にあってもその読みを欧文字とハイフンとで表したものと容易に看取されるものということができ、当該「ゆうき」及び「YU−KI」の各文字は、「優肌」の文字の上下に配されて、その読み方を特定するものとして理解され、その構成が全体的な繋がりをもって一体的に認識し把握されるものである。

そうすると、引用商標は、その構成文字全体に相応して「ユウキ」の称呼のみを生ずるものと判断するのが自然である。

なお、申立人は、引用商標と構成態様を同じくする登録商標にあって、特許庁の称呼検索におけるデータに「ユウキ、ユーキ」の他に「ヤサハダ」の称呼を附していることから、申立人の主張の正当性が裏付けられる旨述べている。しかし、この称呼データは広範な検索結果を得るためのものであり、採択される称呼データにより当該商標から生じる称呼が確定するものでなく、上述の認定は妥当であって、これにより上記判断を左右することはできない。

そして、「優肌」の文字は、既成語として馴染まれ、かつ、普通に使用されるものではなく一種の造語といえるものである。

してみれば、上述のとおり、引用商標より「ヤサハダ」の称呼を、他方、本件商標より「優しい肌」、「肌に優しい」の観念を生じるものとはいえないから、これを理由に本件商標と引用商標との類似を述べる申立人の主張は妥当でなく、その理由をもって、本件商標を商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

その他、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

申立人又はその関連会社の業務に係る商品「医療用粘着テープ、医療用粘着フィルム及び医療用包帯」に、読み仮名「ゆうきばん」を振った「優肌絆」、その他「優肌パーミエイド」及び「優肌シリーズ」等の「優肌」の文字又はこれを冠した各商標が「肌に優しい」の如き宣伝文句と共に使用されていることが認められ、これらが医療補助品を取り扱う業者や医療従事者等の需要者間において広く認識されたものであるとしても、その宣伝広告などにおいて「優肌」の文字自体が訓読みの如くに「ヤサハダ」と称呼し取引されている事実は見出せない。

そうすると、当該商品に使用される「優肌」の文字は、「優肌絆」の使用例に倣って「ユウキ」と称呼されて取引に資されているものというのが相当である。

してみると、本件商標と引用商標とは、互いに別異のものであること前記のとおりであり、本件商標と「優肌」の文字又はこれを冠した各商標も同様に互いに別異のものと判断でき、ほかに両者が紛れ得るとする事情は見出せないから、本件商標を指定商品に使用した場合、直ちに使用商標を想起し、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれはないとすべきである。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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