Trademark Appeal Case
欧文字一字違いの商標類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900138(T2008−900138/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5105279号商標(以下「本件商標」という。)は、「SKE」の欧文字を横書きしてなり、平成19年1月19日に登録出願、第12類「航空機の部品及び附属品,鉄道車両の部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品,自転車の部品及び附属品,車椅子,荷車,陸上の乗物用の機械要素」を指定商品として、同20年1月18日に商標権の設定登録がされたものである。
2 登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第48630号商標は、「S.K.F.」の欧文字を横書きしてなり、明治44年9月21日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月23日に設定登録がされたものであり、その後、指定商品については、平成14年11月13日に指定商品の書換登録により、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
(2)登録第1450479号商標は、別掲(1)のとおりの態様からなるやや図案化した「SKF」の欧文字を横書きしてなり、昭和51年11月5日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同56年1月30日に商標権の設定登録がされたものであり、その後、指定商品については、平成13年11月14日に指定商品の書換登録により、第9類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
(3)登録第1453809号商標は、別掲(1)のとおりの態様からなるやや図案化した「SKF」の欧文字を横書きしてなり、昭和51年11月5日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同56年2月27日に商標権の設定登録がされたものであり、その後、指定商品については、平成13年11月14日に指定商品の書換登録により、第6類、第7類、第9類、第11類、第12類及び第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
(4)登録第1487724号商標は、別掲(1)のとおりの態様からなるやや図案化した「SKF」の欧文字を横書きしてなり、昭和51年11月5日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同56年11月27日に商標権の設定登録がされたものであり、その後、指定商品については、平成14年8月28日に指定商品の書換登録により、第1類、第9類及び第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
(5)登録第2612482号商標は、別掲(2)のとおりの構成態様からなるところ、その構成中にやや図案化した「SKF」の欧文字を横書きしてなり、平成元年11月1日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年12月24日に商標権の設定登録がされたものであり、その後、指定商品については、同16年9月1日に指定商品の書換登録により、第6類、第9類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
3 登録異議申立ての理由(要点)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標から生ずる「エスケイイー」の称呼と、引用各商標から生ずる「エスケイエフ」の称呼とは、後段における「イー」と「エフ」の差異のみであり、この音の有無がこれらの称呼の全体に及ぼす影響は小さいものであるから、これらの称呼をそれぞれ一連に称呼するときには、全体の語感が近似したものとなり、彼此聞き誤るおそれがある。
また、本件商標と引用各商標とは、後半に「E」と「F」の差異があるにすぎないから、両商標は、外観上も相紛らわしいものである。
したがって、本件商標と引用各商標とは、称呼及び外観において類似する商標であり、その指定商品と同一の商品に使用するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人たる「AKTIEBOLAGET SKF(アクチボラゲット エスケイエフ)」の商号「SKF」と共に、引用各商標に極めて類似するものであり、しかも、引用各商標「SKF」は申立人及びその子会社(日本エスケイエフ)が明治41年以来日本国内において、商品「一般ベアリング、及び一般機械部品としてのベアリング、また自動車部品等」について使用し、すでに日本国内及び全世界において著名となっているものである。
したがって、商標権者が本件商標「SKE」を使用するときは、申立人の商品と何らかの関係を有するかの如く一般世人をして認識させるに足るものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
以上の旨を申立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第18号証を提出した。
3 当審の判断
本件商標を構成する欧文字3文字については、その指定商品である輸送用機械器具の分野をはじめ、各種の産業分野において商号あるいは何らかの意味合いを有する熟語の頭文字などをもって、欧文字3文字により略称や略語として採択し使用することが決して少なくないところであり、このような場合に当該欧文字3文字の称呼を特定する役割を果たすべき事情があれば別として、アルファベット一文字一文字の読みに従って発音されるというのが取引の経験則上相当である。
そうすると、本件商標は、「SKE」の欧文字3文字を羅列した構成よりなり、その構成文字に従って「エスケイイー」の称呼をもって取引に資するものというのが自然である。
一方、申立人に係る引用各商標は、その構成前記のとおり「S.K.F.」及びやや図案化した「SKF」を単独で、またはこれと図形とを組み合わせたものであって、いずれの場合も、それら構成文字より生ずる「エスケイエフ」の称呼をもって取引に資されるものといえる。そして、「SKE」、「S.K.F.」及び「SKF」は、いずれも特定の意味合いを有しない造語商標からなるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「エスケイイー」と、引用各商標より生ずる「エスケイエフ」の称呼とを比較するに、両称呼は共に6音で構成され、末尾において音質を異にする「イー」と「エフ」の差異を有するものである。そして、両商標は、共に欧文字3文字を羅列してなるものであり、このような場合、発音に際しては一気一連というよりも、一文字一文字を区切って明確に発音されるのが常といえるから、発音上のかかる事情と前述の音の差異とを考え合わせれば、両商標は称呼上相紛れることなく十分区別し得るものというのが相当である。
また、両商標は、上記のとおり各種産業分野において採択、使用されることが少なくない欧文字3文字から構成されることや、その比較的に簡潔な文字数からして、これに接する需要者における通常の知覚作用や注意力をもってすれば、その相違する3字目の「E」と「F」とを見誤り、かつ誤認することはないといえるから、外観においても容易に識別でき互いに相紛れるおそれはないといえる。
さらに、両商標は、特定の意味合いを有しない造語商標からなるものと認められるから、観念においては比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用各商標は、外観、称呼及び観念のいずれからも判然と区別し得るものであるから、結局、両者は何ら紛れるおそれのない非類似の商標であって、互いに別個の商標とすべきものである。
そして、たとえ、引用各商標が申立人及びその子会社(日本エスケイエフ)の業務に係る商品「一般ベアリング、及び一般機械部品としてのベアリング、また自動車部品等」を表示するものとして、本件商標の登録出願時に需要者の間に広く認識せられたものであるとしても、本件商標と引用各商標とは、上記のとおり別個のものであり、ほかに、両者間にその出所を混同させる要因は見出せないから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が直ちに引用各商標を想起し、申立人の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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