Trademark Appeal Case
図形商標の表現態様類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900158(T2008−900158/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
理 由
1 本件商標
本件登録第5105744号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成19年5月10日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同20年1月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第912039号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第3類、第8類、第11類、第14類ないし第16類、第18類、第20類ないし第22類、第24類、第25類及び第28類に属する商品を指定商品とし、2006年2月27日フランス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、同年8月8日に国際登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第7号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標と引用商標とは、共に、幼児等が馬の背に乗って、前後に揺り動かして遊ぶ玩具である、いわゆる「揺り木馬」の図形と見られるものであるから、外観及び観念において同一又は類似する商標であって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、商標法第8条第1項に違反して登録されたものである。
また、引用商標は、本件商標の出願日より前に国際登録されたものであり、本件商標の先願に当たるものである。
したがって、本件商標は、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2の規定により、取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)外観について
本件商標は、別掲(1)のとおり、口輪(轡)の部分を白抜き様にし、それ以外を全て黒塗りに表してなる遊具としての木馬と思しき図形であって、これに接する需要者は、シルエット風の単純に構成される木馬を表現したものと印象し、その構成が極めてシンプルなものであるところから、そのままの構図を記憶に残し商取引に資するものといい得る商標である。
他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、目、たてがみ、口輪(轡)、手綱及び鞍を装着した馬を線書きし、横木と揺り子及びその下に太い横線、及び尻尾と揺り子の前後にやや湾曲した線を書き加え、恰も揺り動いているかの如き木馬を描いた図形であり、その描写からすると、具象的に揺り動く木馬を表現した商標と印象付けられ記憶されるものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、上記及び別掲のとおりの図形からなる両者は、いずれも遊具としての木馬を描いたものであるとしても、一瞥してもその全体の構図、表現態様及び描き出し方において顕著な差異があり、これによっても視覚上において両者を十分に識別できるものである。
また、本件商標がシルエット風の単純に構成される抽象的な印象を有するものであるのに対し、引用商標は具象的に揺り動く木馬を線書きにより表したものであって、その発想は異なり明らかに両者の印象は大きく相違するといえる。
してみると、本件商標と引用商標とは、これに接する看者に全く別異の印象を与えるといえるものであるから、両商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、両者は外観において判然と区別できる互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)称呼及び観念について
本件商標は、別掲(1)及び上記のとおりの構成よりなり、その外観印象とその記憶により商取引に資されるものであり、必ずしも特定の称呼及び観念が生じ、それが商取引の指標となり得るものともいい難いところ、敢えていうならば「黒塗り木馬」(クロヌリモクバ)又は「シルエット木馬」(シルエットモクバ)程の称呼及び観念が生じるというのが相当であって、他方、引用商標からは、別掲(2)及び上記のとおりの構成よりなるところ、その図形からは、申立人が述べる如くに「揺り木馬」(ユリモクバ)、或いは「揺り動く木馬」(ユリウゴクモクバ)程の称呼及び観念が生じるということはできる。
してみると、本件商標と引用商標とは、上述した判然と区別し得る外観印象と相俟って、それぞれの称呼及び観念においても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念において類似するものでなく、非類似の商標であるといわざるを得ない。
したがって、両者の指定商品の類否について検討するまでもなく、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
なお、甲各号証は、引用商標の使用についての開始時期や期間、宣伝広告の方法や回数等の具体的な取引状況を証明するものは僅かであって、引用商標がこれらの証左によって、本件商標の登録出願時に我が国の需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認めることはできないから、これを理由に上記判断を左右できない。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。