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Trademark Appeal Case

MOSSの識別力と品質表示

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−26446(T2008−26446/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「モス」の片仮名文字と「MOSS」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引き防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布」を指定商品として、平成19年3月28日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『MOSS』の文字とその表音と認められる『モス』の文字を二段に書してなるものであるが、これらの文字はその指定商品との関係よりすれば『苔のような緑色のこともいう。モス・グリーンに同じ。』(新田中千代服飾辞典:同文書院)の意を表すことから、本願商標をその指定商品に使用する場合、これに接する者はその商品が『苔のような緑色』であることを理解するものであり、これが何人かの業務に係る商品であることを認識することができないもの、すなわち、本願商標は単に商品の品質を表すにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「モス」の片仮名文字と「MOSS」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成中「MOSS」の文字は、「スギゴケ類、セン(蘚)類、コケ、コケの茂み」等(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典 第2版)の意味を有する語であり、また、その構成中「モス」の文字は、該「MOSS」の文字の表音を表したものと認められる。

そして、たとえ、「MOSS」の文字が、「植物の<こけ>のことで、こけのような緑色のこともいう。モス・グリーン(moss green)に同じ。」(株式会社同文書院 新・田中千代服飾事典 第一版新訂)の意味を有する語であるとしても、本願の指定商品を取り扱う業界においては、「moss」の文字を冠する語が、たとえば、「ビロート苔(ごけ)のような外観の織物。」等の意味を有する「moss crepe」(モス・クレープ)や、「鹿の子編みのこと。」の意味を有する「moss stitch」(モス・ステッチ)(いずれも文化出版局 服飾辞典 第一版)のように、複数存在することから、単に「MOSS」の文字のみでは、いずれの文字の略称なのかが不明確であり、また、該文字が上記のとおり、既成語であることを併せ考慮すれば、本願商標を構成する「モス」及び「MOSS」の各文字が原審説示の「苔のような緑色」を直ちに認識させるものとはいい難い。また、本願の指定商品を取り扱う業界において、該文字が、商品の色彩を表示するためのものとして、取引上、普通に使用されていると認めるに足りる事実も見出すことができなかった。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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