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結論

勝訴(請求認容)

商標「IT−POP」の略語結合商標の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2008−21884(T2008−21884/J1))

審判番号
不服2008−21884(T2008−21884/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「IT−POP」
争点(論点)
略語結合商標の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2008−21884(T2008−21884/J1)・不服)は、本件商標「IT−POP」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「略語結合商標の識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は「IT−POP」の欧文字を標準文字で表してなり,第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として平成19年11月7日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定では,「本願商標は,『IT−POP』の文字を標準文字で表してなるところ, 新聞記事及びインターネット情報によれば,昨今の工場では,生産効率の向上を図るために,生産情報を管理する手法としてIT(情報通信技術)を活用することが積極的に行われており,そのようにして情報を管理することを「Point Of Production(生産時点情報管理)」略して「POP」と称している実情がうかがわれる。上記実情よりすれば,本願商標は,その指定商品との関係上,「情報通信技術」を意味する「IT」の文字と,「生産時点情報管理」を意味する「POP」の文字をハイフンで結合してなるものであると容易に理解され,全体として「情報通信技術を活用した生産時点情報管理」ほどの意味合いを認識させるにとどまるというのが相当である。そうすると,本願商標を,その指定商品中,例えば「生産作業の進捗状況を分析するために用いられるコンピュータ」など,生産時点情報管理のために用いられる情報通信技術による商品に使用しても,単にその商品の品質(機能),用途を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨,認定,判断をして,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は,前記1のとおり,「IT−POP」と標準文字で表してなるところ,「IT」と「POP」の欧文字はハイフンで結合されているが,全体として,同書体・同大・等間隔に表示されており,本願商標より生ずる「アイティーポップ」の称呼も格別冗長ではなく,無理なく一気に称呼し得るものである。

しかして,構成中の「IT」及び「POP」の文字が,指定商品との関係で「情報通信技術」及び「Point Of Production(生産時点情報管理)」の略語として理解されることがあるとしても,「POP」の文字は,一般的には「大衆的なさま。ポピュラー音楽の」等(「広辞苑 第5版」岩波書店発行)を意味する英語として知られている語であり,本願指定商品との関係においては,原審説示の意味ばかりでなく,「POP:Post Office Procol(インターネットでポピュラーに用いられている電子メール〔E−mail〕のプロトコル。)」(「最新インターネット用語事典」技術評論社 134頁),「Point Of Presence(アクセス・ポイント)」(「通信・ネットワーク事典03−04版」日経BP社 415頁)などの意味を有する略語としても使用される語であるから,「POP」の文字より直ちに原審説示の意味合いを理解させるものとはいい難いものである。そして,「IT−POP」と一連に書してなる本願商標をその指定商品に使用した場合に,これに接する需要者は,「IT」及び「POP」の語からなるものと理解するとしても,「IT−POP」の構成全体をもって,直ちに特定の観念を生じるものということはできないから,本願商標は,一種の造語を表したものとして認識されるとみるが相当である。

また,職権をもって調査するも,本願の指定商品に関連する業界において,本願商標を構成する文字が,商品の品質等を表示するためのものとして,取引上普通に使用されているとする事実を発見することはできなかった。

そうとすれば,本願商標は,そのいずれの指定商品について使用しても,商品の品質,用途を表すものではなく,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであり,かつ,商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないものといわなければならない。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとはいえないから,これを理由に本願を拒絶すべきものとすることはできない。

その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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