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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2007−890157(T2007−890157/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4898683号商標(以下「本件商標」という。)は、「コスモラブ」の文字と「COSMOLOVE」の文字を二段に横書きしてなり、平成17年1月12日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同年9月30日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第46号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標について

本件商標は、「コスモラブ」と「COSMOLOVE」とを上下二段に併記してなるところ、これは「COSMO(コスモ)」(世界、宇宙)と「LOVE(ラブ)」(愛)を結合させてなるも、そのような熟語が存在するものでもなく、また、それによって新たな統一的意味合いが看取されるというわけでもない。また、「LOVE」を英和辞典でみても、「love affair」、「live sick」、「love story」、「love grass」のような「love ○○」からなる熟語は多数見受けられるも、「○○ love」というタイプの熟語は皆無である。さらに、「cosmo ○○」という熟語も全然見当たらない。

このように、「コスモ(COSMO)」は、つぎになんらかの語と結合する性格、事例もないし、「ラブ(LOVE)」もその前になにか語がきて新たな熟語を形成している事例もないものである。

イ 請求人は、以下の登録商標を引用する。

(ア)「コスモポリタン」の文字を横書きしてなり、平成6年2月15日に登録出願、第21類「くし,化粧用箱,ヘアブラシ及びその他の化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」を指定商品として、平成9年6月20日に設定登録された登録第4013821号商標(以下「引用商標1」という。)。

(イ)「COSMOPOLITAN」の文字を横書きしてなり、平成8年5月24日に登録出願、第21類「くし,化粧用箱,ヘアブラシ及びその他の化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」を指定商品として、平成10年3月27日に設定登録された登録第4129597号商標(以下「引用商標2」という。)。

ウ 本件商標と引用商標1及び2との類否について

引用商標1及び2は、共に「コスモポリタン」又は「COSMOPOLITAN」からなるところ、(2)で述べるように、請求人が出版している著名な雑誌「COSMOPOLITAN」が「COSMO/コスモ」と愛称されていると同様に、「COSMO/コスモ」と愛称されているものである。

そうすると、本件商標は、その愛称に「LOVE」を付加したものとも看取されるものである。

したがって、略称の好まれるファッション界である化粧品等の指定商品との関係では、本件商標は、引用商標1及び2と同様に、単に「コスモ(COSMO)」(世界、宇宙)とも略称され、愛称されることが当然ありうるところである。

さらに、本件商標の指定商品中の「歯磨き」は、引用商標1及び2の指定商品中の「歯ブラシ」と類似関係にある。

エ なお、請求人の所有に係る商標権ではないが、以下のような先登録商標(いずれも更新済)が存在することを付言する。

(ア)別掲のとおりの構成よりなり、昭和38年11月25日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和40年2月16日に設定登録され、その後、平成17年6月15日に、指定商品を第3類「化粧品,香料類」とする指定商品の書換登録がされた登録第667742号商標(以下「引用商標3」という。)。

(イ)別掲のとおりの構成よりなり、昭和38年11月25日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和40年2月8日に設定登録され、その後、平成17年5月6日に、指定商品を第2類「塗料」及び第3類「つや出し剤」とする指定商品の書換登録がされた登録第666121号商標(以下「引用商標4」という。)。

(ウ)「コスモ」の文字を横書きしてなり、昭和38年3月8日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和39年7月8日に設定登録され、その後、平成17年3月9日に、指定商品を第3類「つけづめ,つけまつ毛」、第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,マニキュアセット,まつ毛カール器」、第10類「耳かき」、第14類「貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「携帯用化粧道具入れ,かばん類,袋物」、第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」及び第26類「頭飾品,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。),造花(「造花の花輪」を除く。)」とする指定商品の書換登録がされた登録第646803号商標(以下「引用商標5」という。)。

(エ)「COSMO」の文字を横書きしてなり、昭和45年10月30日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和50年1月9日に設定登録され、その後、平成17年8月17日に、指定商品を第3類「つけづめ,つけまつ毛」、第6類「金属製のバックル」、第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,マニキュアセット,まつ毛カール器」、第10類「耳かき」、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「携帯用化粧道具入れ,かばん類,袋物」、第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。),ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。)」とする指定商品の書換登録がされた登録第1102581号商標(以下「引用商標6」という。)。

オ 本件商標と引用商標3ないし6との類否について

引用商標3ないし6が「コスモ」(世界、宇宙)と呼称、観念されることは明白である。

そうすると、本件商標は、引用商標3ないし6と「コスモ」(世界、宇宙)の称呼、観念を共通にする類似の商標である。

また、本件商標の指定商品は、引用商標3ないし6の指定商品と同一又は類似の関係にある。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、それが仮に商標法第4条第1項第11号に該当しないとしても、その出願時点では同法第4条第1項第15号に該当するものであった。

ア 請求人は、雑誌関係の商品区分において、以下の登録商標を所有している。

(ア)「COSMOPOLITAN」の文字よりなり、第26類「雑誌、新聞」を指定商品として、昭和58年2月25日に設定登録された登録第1570863号商標(なお、指定商品は、平成15年3月26日の指定商品の書換登録により、第16類「雑誌,新聞」となった。甲第5号証)。

(イ)「COSMO/コスモ」の文字よりなり、第26類「月刊雑誌、その他の印刷物、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和55年10月31日に設定登録された登録第1440708号商標(なお、指定商品は、平成14年3月6日の指定商品の書換登録により、第16類「雑誌,その他の印刷物,書画,写真」となった。甲第6号証)。

(ウ)「コスモポリタン」の文字よりなり、第26類「雑誌、新聞」を指定商品として、昭和57年2月26日に設定登録された登録第1499913号商標(なお、指定商品は、平成13年12月19日の指定商品の書換登録により、第16類「雑誌,新聞」となった。甲第7号証)。

(エ)「COSMOPOLITAN」の文字よりなり、第26類「印刷物(文房具に属するものを除く。)書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、平成8年11月29日に設定登録された登録第2717807号商標(なお、指定商品は、平成19年11月14日の指定商品の書換登録により、第16類「印刷物,書画,写真,写真立て」となった。甲第8号証)。

(オ)「COSMO」の文字よりなり、第26類「印刷物(文房具に属するものを除く)書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、平成9年6月6日に設定登録された登録第2721984号商標(なお、指定商品は、平成19年8月29日の指定商品の書換登録により、第16類「印刷物,書画,写真,写真立て」となった。甲第9号証)。

(カ)「COSMO」及び「コスモ」の各文字を二段に横書きしてなり、第16類「雑誌,書籍,その他の印刷物」を指定商品として、平成10年9月4日に設定登録された登録第4184665号商標(甲第10号証)。

イ 請求人は、「COSMOPOLITAN」なる商標を指定商品中「雑誌」について株式会社集英社に使用許諾し、当該雑誌(女性向ファッション雑誌)は1979年9月に日本で創刊され、発行されてきた。

「COSMOPOLITAN」は、女性総合雑誌の中でも世界で最も代表的な一つであり、現在25エディションが発行され、100カ国以上の国と地域で流通している。最新ファッションを中心に、化粧品、ヘアケア、スキンケア、ダイエット、フィットネス、ヘルス、恋愛、セックスなどの情報。特にアメリカでは、若い女性のバイブル的存在感のある女性雑誌であり(甲第40号証及び甲第41号証)、2001年10月22日付「ニューヨーク・タイムズ」が発表した200年10月22日(審決注:「2001年9月」の誤記と認める。)のファッション誌での広告収入は、世界第3位であった(甲第42号証)。

また、洋雑誌のネット販売をしている「マガジンワールド」の統計によると、当該店で販売されている洋雑誌のうち、英語版「COSMOPOLITAN」は第2位(2007年定期購読者)となっているように、わが国でも著名な雑誌となっており、その内容の魅力、良さ、豊富さ等により、わが国では日本版「COSMOPOLITAN」を毎月11万前後の部数を発売していた(甲第11号証)。

そして、日本版「COSMOPOLITAN」(コスモポリタン)は、本件商標の出願時点である2005年1月12日では、著名となっていたばかりか、「COSMO/コスモ」の愛称(略称)でも人気雑誌の一つとなっていた(甲第11号証ないし甲第28号証)。

例えば、「COSMOPOLITAN」(日本語版)をみても、12箇所にわたって「COSMO(コスモ)○○」というように、「COSMO(コスモ)雑誌の○○というタイトルの記事です。」という意味合いで、「COSMOPOLTAN」の略称で使用されており、当然のことながら読者もそれに沿って略称していた(甲第15号証ないし甲第28号証)。

なお、当該雑誌は、その後事情があって2005年12月20日に休刊してはいるが、英語版「COSMOPOLITAN」が「COSMO」と愛称されていることに変わりはない(甲第40号証)。

ウ さらに、請求人は、「COSMOPOLITAN」又は「コスモポリタン」の文字よりなる商標を第16類以外にも登録を受け、商品化業を展開している(甲第29号証ないし甲第39号証)。例えば、「COSMOPOLITAN」印の「女性用下着、シャツ、パンツ、ガウン、インナーキャミソール」等を販売している(甲第44号証ないし甲第46号証)。

また、当該雑誌の中には、多数の化粧品、せっけん類等の広告を掲載しているところである。

エ したがって、本件商標は、請求人の著名商標の著名な略称を含んでなり、その顧客吸引力を盗用するものであり、その出願時点において、その指定商品「化粧品、せっけん類」等に使用された場合には、それもまた請求人の業務に係る商品又は請求人からライセンスを受けた商品ではないかと商品の出所につき混同を惹起するおそれが多分に存在していたものである。

(3)むすび

以上の次第で、本件商標の登録は、商標法商標法第4条第1項第11号又は同第15号に該当してされたものであるから、同法第46条第1項に基づき、無効とされるべきものである。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。

(1)本件商標については、平成17年12月28日付けで請求人より異議申立て(以下「本件異議」という。)がなされ、同18年8月4日付け異議の決定において「登録を維持する」との結論が出された(乙第1号証)。

そして、請求人は本件審判において、本件異議とほぼ同一の証拠を提出し、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に該当すると主張するものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は「コスモラブ」及び「COSMOLOVE」の文字を二段書きに表してなるものであって、引用商標3が本件商標と並存して登録されていることからも、本件商標の構成中「COSMO/コスモ」のみが独立して認識されるものではない。

そこで、本件商標と引用商標1ないし3とを対比するに、これらの商標が外観上類似しないことは明白である。また、本件商標から生ずる「コスモラブ」の称呼と引用商標1及び2から生ずる「コスモポリタン」の称呼、又は引用商標3から生ずる「コスモ」の称呼とは類似しないものである。さらに、本件商標から想起し得る観念は、「COSMO(コスモ)」(世界、宇宙)と「LOVE(ラブ)」(愛)を結合してなる「世界と愛」程のものであり、引用商標1及び2から想起し得る「国際人」という英語「COSMOPOLITAN」の意味及び女性雑誌「コスモポリタン」の観念、引用商標3から想起し得る「世界、宇宙」の観念とは類似しないものである。

以上、本件商標と引用商標1ないし3とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、十分に区別し得る非類似の商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号には該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

ア 本件商標と、雑誌関係の商品区分及びそれ以外の区分において請求人所有の「COSMOPOLITAN」、「コスモポリタン」、「COSMO」及び「コスモ」とは、十分に区別し得る別異の商標であることは、上述したとおりである。

そこで、本件商標が、請求人が著名な略称であると主張する「COSMO」及び「コスモ」の文字を含み、出所の混同を生ずるかについて述べる。

この点について、本件異議における決定は、「申立人の提出に係る証拠によれば、申立人が『COSMOPOLITAN』、『コスモポリタン』、『COSMO』及び『コスモ』の登録商標を所有していること及び『COSMOPOLITAN』なる商標が、株式会社集英社により『雑誌』に使用され、ある程度知られていることは認められる。しかしながら、申立人が著名であると主張する『COSMO』及び『コスモ』については、『COSMO』の文字が当該雑誌の中で記事の説明やサブタイトルの一部として使用されている程度で、これらの証拠をもって、『COSMO』及び『コスモ』が商標として使用され著名になっているものとは認められない。」とした。

そして、請求人は、本件異議において提出した資料に加え、甲第40号証を追加しているが、甲第40号証には、「COSMOPOLITAN(通称COSMO,...)」との記述があるのみであり、本件異議において提出した資料と同様に、「COSMO」及び「コスモ」が商標として使用されている資料や、著名であることを証明する資料には足らないといわざるを得ない。

イ 以上、本件商標と「COSMOPOLITAN」、「コスモポリタン」、「COSMO」及び「コスモ」とは、十分に区別し得る別異の商標であり、また、「COSMO」及び「コスモ」は著名な商標とは認められないものであるから、被請求人が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、「COSMOPOLITAN」、「コスモポリタン」、「COSMO」及び「コスモ」を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が請求人又は請求人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号には該当しない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同第15号の規定には該当しないものである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標

本件商標は、前記1のとおり、「コスモラブ」の文字と「COSMOLOVE」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中の「COSMOLOVE」の文字部分とその片仮名表記である「コスモラブ」の文字部分は、いずれも同一の書体をもって一体的に表され、「コスモ」、「COSMO」と「ラブ」、「LOVE」の各文字の間に外観上軽重の差は見いだせない。さらに、本件商標全体より生ずると認められる「コスモラブ」の称呼も無理なく一気に称呼し得るものである。また、本件商標は、全体として、「宇宙愛」なる意味合いを想起させる場合もあるが、造語の一種を表したものと捉えられる場合が多いとみるのが相当であるから、構成全体をもって一体不可分の造語を表したと把握、認識されるものとみるのが相当である。他に、本件商標を「コスモ」、「COSMO」と「ラブ」、「LOVE」とに分離して、「コスモ」、「COSMO」の文字部分のみを抽出して観察しなければならないとする格別の事情は見いだせない。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「コスモラブ」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。

イ 各引用商標

前記2(1)イのとおり、引用商標1は「コスモポリタン」の文字を、引用商標2は「COSMOPOLITAN」の文字を、それぞれ横書きしてなるものであるから、いずれもその構成文字に相応して「コスモポリタン」の称呼を生ずるものであって、「世界主義の、全世界的な、国際人」などの観念を生ずるものである。

また、引用商標3ないし6は、前記2(1)エのとおり、それぞれ「COSMO」又は「コスモ」の文字を横書きしてなるものであるから、これより「コスモ」の称呼を生ずるものであって、「『世界、宇宙』の意の連結形」を表す英語又はその片仮名表記と認められる(なお、引用商標4の指定商品は、第2類「塗料」及び第3類「つや出し剤」であるところ、これらの商品は、本件商標の指定商品と非類似の商品と認められる。)。

ウ 本件商標と各引用商標との対比

本件商標より生ずる「コスモラブ」の称呼と引用商標1及び2より生ずる「コスモポリタン」の称呼は、前半部分において「コスモ」の音を同じくするものであるとしても、後半部分において「ラブ」と「ポリタン」の顕著な音の差異を有するものである。また、本件商標より生ずる「コスモラブ」の称呼と引用商標3ないし6より生ずる「コスモ」の称呼は、「ラブ」の音の有無の差異を有するものである。

そうすると、本件商標と各引用商標から生ずる称呼は、これらをそれぞれ一連に称呼した場合においても、明瞭に聴別し得るものである。

また、本件商標は、前記認定のとおり、造語を表したと理解されるものであるから、明確な観念を有する各引用商標とは、観念上比較することができない。

さらに、本件商標と各引用商標は、ぞれぞれ前記した構成よりみて、外観上明らかに区別し得るものである。

したがって、本件商標と各引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

なお、請求人は、引用商標1及び2に関し、請求人が出版している著名な雑誌「COSMOPOLITAN」が「COSMO/コスモ」と愛称されているのと同様に、引用商標1及び2も「COSMO/コスモ」と愛称されている旨主張するが、引用商標1及び2が、その指定商品の分野において、「COSMO/コスモ」の愛称をもって使用されているという事実を明らかにする証拠の提出はない。また、仮に引用商標1及び2が「COSMO/コスモ」との愛称をもって使用されている事実があるとしても、その愛称いかんに関わらず、本件商標は、前記認定のとおり、「コスモラブ」の一連の称呼のみを生ずるものであり、本件商標と引用商標1及び2とは、非類似の商標である。したがって、上記請求人の主張は理由がない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

甲第11号証ないし甲第22号証及び甲第40号証によれば、請求人の取扱いに係る「COSMOPOLITAN」の題号のファッション雑誌(以下「COSMOPOLITAN誌」という。)は、株式会社集英社より本件商標の登録出願前から我が国において発売されていたものであり、若い女性を中心とした需要者層には、ある程度知られていたものと推認することができる。

しかし、これらの証拠(特に甲第15号証ないし甲第22号証)からは、COSMOPOLITAN誌が単に「COSMO」及び「コスモ」の愛称をもって使用され、本件商標の登録出願前よりその需要者に広く認識されていたものとは到底認めることができない。確かに、甲第15号証ないし甲第22号証には、「COSMO LIFE ESSAY」、「COSMO INTERVIEW」などのようにサブタイトルの一部に「COSMO」の語が使用され、また、「COSMOはしばしば、みなさんにお届けしてきました。」、「COSMO読者からは・・」、「コスモが厳選した20冊・・」などの記述が認められるが、これらの「COSMO」及び「コスモ」は、COSMOPOLITAN誌の中の記事において、編集者等がいわば独断的に用いた語であり、その読者を含めた一般の需要者が自然発生的にCOSMOPOLITAN誌を「COSMO」又は「コスモ」と略称していたものとは認められないから、これらの使用が、「COSMO」及び「コスモ」がCOSMOPOLITAN誌の愛称(略称)を表すものとして、本件商標の登録出願前より需要者の間に広く認識されていたいう事実を明らかにするものではないことはいうまでもない。

したがって、「COSMO」及び「コスモ」の語が、COSMOPOLITAN誌の愛称(略称)として、著名性を獲得していた旨の請求人の主張は理由がないというべきである。

加えて、前記(1)認定のとおり、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと把握、認識されるものであり、「COSMO」、「コスモ」と省略されるものではない。

そうすると、本件商標に接する需要者が、これよりCOSMOPOLITAN誌を想起又は連想することはなく、したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が請求人又はこれと営業上何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標と認めることはできない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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