Trademark Appeal Case
コールドシートの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第11733号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、後掲したとおり、「コールドシート」及び「COLD SHEET」の文字を上下二段に書してなり、第11類「化学物質を塗布してなる保冷具,化学物質を充てんした保冷具」を指定商品として、平成8年3月25日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『冷たいシート状の商品』を容易に認識させる『コールドシート』及び『COLD SHEET』の文字とを普通に二段に書してなるものであるから、これをその指定商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成後掲したとおり、「コールドシート」の片仮名文字と「COLD SHEET」の欧文字とを二段に書してなるものである。
しかして、本願商標の構成中「コールド」、「COLD」及び「シート」、「SHEET」の各文字部分は、「冷たい、冷えた」及び「薄板、薄板状の」等の意味合いをもって、ともに一般に親しまれている平易な英語又は外来語と認め得るものであって、全体として「冷たい薄板状(シート状)のもの」の如き意味合いを容易に看取し得るものと認められる。
ところで、本願の指定商品とする「保冷具」に関して、日刊新聞紙の当該関連記事をみるに、例えば、1997.11.28付東京読売新聞夕刊によれば、「やさしい経済」の「今年ヒットした話題の商品」の一つとして、「15.足専用冷却シート(女性用に加え男性用も)」の記載が認められ、また、1997.02.03付同紙朝刊の「[ニューセラー・ロングセラー]」の一品目として、「足専用冷却シート 悩む女性に急普及」の記事に見られるように「足専用冷却シート」が需要者の注目を集めていることが認められる。
また、これ以外にも、上記同様のいわゆる「冷却シート」に関する新聞報道が以下の如くしばしばされたことが認められる。
(イ)「熱冷まし用冷却シート、ライオンが全国展開、子供向け好評」(1996.02.08付日経産業新聞より)、(ロ)「『小林製薬、熱冷まし用シート、大人向け追加発売−市場急成長に対応。』・・九四年に発売した子供向け商品が好調なうえ、張るだけで冷却効果がある簡便さに目をつけた他社も参入、市場が急成長してきたと判断した。・・」(1996.05.09付日経産業新聞より)、(ハ)「『コロンブス、フットケア用品拡充−冷却シートなど投入。』・・足の疲れなどを緩和する冷却シートとスプレーを七月上旬に新たに投入する。」(1997.07.02付日経産業新聞より)、(ニ)「『ほてった手足冷やすシート、ダイヤコーポレーション(新発売)』スポーツ後のほてった筋肉を冷やす手足用の冷却シート・・」(1997.08.26付日経流通新聞より)、(ホ)「『エスエス製薬、発熱時に肌に張る冷却シートを発売。』・・急速な冷却効果が得られるシート状の・・」(1998.08.08付日経産業新聞より、(ヘ)「『ショウワノート、医薬部外品を強化』・・額などに張って熱冷ましに使う冷却シート・・」(1998.09.15付日経新聞より)、(ト)「ロッテ電子工業の『冷ゃっこいシート子供用・長時間タイプ』(開発トピックス)・・冷却シートを発売した。ジェルゼリー状の水溶性高分子基材を二枚重ねたダブル構造が特徴。・・」(1999.02.18付日経流通新聞より)、(チ)「『頭と目の冷却シート、ファインメディカル』頭と目を同時に冷やし、疲れを和らげるシート」(1999.03.20付日経流通新聞より)。
さらに、いわゆるインターネットホームページ情報においても、「玉川衛剤株式会社」、「三洋薬品工業株式会社」、「株式会社小久保工業所」をはじめ多くの医療用品等関連会社が「冷却シート」と称して、上記新聞報道記事と同様の商品を製造或いは販売している状況が当該製品紹介情報により認められる。
また、「コールド」(cold)の文字(語)について関連商品分野の実情をみると、例えば、急性の軽い傷害(特に打撲や捻挫)の際、緊急時の処理として行う冷却スプレーを「コールドスプレー」と称し、或いは、発熱、炎症、歯痛、目の疲れなどで冷やしたいときに使用する冷湿布を「コールドパック」と称していることがインターネットホームページ上の「トレーナーズキット使用説明(http://www.cramer.co.jp/products/kit.html)」、「スポーツデイトのテーピィング用品案内(http://www.sportsdate.co.jp/sportsgoods/tp.htm)」等により認められる。
以上によれば、本願商標の指定商品に関連する商品分野の業界において、熱冷まし用、むくみ対策用、筋肉疲労用、引き締め用等に使用される「冷却効果を有する化学成分を塗布してなるシート状の保冷具,冷却効果を有する化学成分を充てんしたシート状の保冷具」を「冷却シート」と称し、取引上普通に使用している状況が認められる。
そうすると、「冷たいシート」の意味合いを直ちに看取させる「コールドシート」及び「COLD SHEET」の文字よりなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、「冷却シート(冷却効果を有するシート状の商品)」であること、すなわち、該商品の品質、効能又は用途を表示したものと理解するに止まり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。
また、いわゆるシート状の保冷具を流通過程に置く場合に、本願商標は何人もその表示を必要とし、かつ、その使用を欲するものといえるから、かかるものを一私人の独占に委ねることは、商標の本質的機能及び商標使用者の業務上の信用維持を目途とする商標法の法目的に照らし、妥当性を欠くものといわなければならない。
してみれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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