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Trademark Appeal Case

称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−11599(T2008−11599/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「LEX」の欧文字を標準文字で表してなり,第7類に属する願書に記載の商品を指定商品として,平成19年3月26日に登録出願され,その後指定商品については,同20年1月7日付け手続補正書により,第7類「眼鏡用レンズ研削機械器具及びその部品」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願の拒絶の理由に引用した登録第4401647号商標は,別掲1のとおりの構成からなり,平成2年5月2日登録出願,第9類「産業機械器具(印刷または製本機械器具を除く。),動力機械器具,風水力機械器具,その他の機械器具で他の類に属しないもの(施錠及び解錠装置及びこれに類似する商品を除く。),これらの部品及び附属品,機械要素」を指定商品として,同12年7月21日に設定登録され,その後,商標権一部取消し審判により,指定商品中の「販売機及びこれに類似する商品」について,取り消すべき旨の審決の確定登録が同17年4月11日になされ,現に有効に存続しているものである。

同じく登録第4401648号商標は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成2年5月2日登録出願,第9類「産業機械器具(印刷または製本機械器具を除く。),動力機械器具,風水力機械器具,その他の機械器具で他の類に属しないもの(施錠及び解錠装置及びこれに類似する商品を除く。),これらの部品及び附属品,機械要素」を指定商品として,同12年7月21日に設定登録され,その後,商標権一部取消し審判により,指定商品中の「販売機及びこれに類似する商品」について,取り消すべき旨の審決の確定登録が同17年4月8日になされ,現に有効に存続しているものである。

同じく登録第4401649号商標は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成2年5月2日登録出願,第9類「産業機械器具(印刷または製本機械器具を除く。),動力機械器具,風水力機械器具,その他の機械器具で他の類に属しないもの(施錠及び解錠装置及びこれに類似する商品を除く。),これらの部品及び附属品,機械要素」を指定商品として,同12年7月21日に設定登録され,その後,商標権一部取消し審判により,指定商品中の「販売機及びこれに類似する商品」について,取り消すべき旨の審決の確定登録が同17年4月6日になされ,現に有効に存続しているものである。

以下,これらをまとめて「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)商標の類否について

商標が類似するかどうかは,最終的には,対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり,具体的にその類否判断をするに当たっては,両商標の外観,観念,称呼を観察し,それらが取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべきであって,決して上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないが,少なくともその一つが類似している場合には,当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて,出所の混同を生ずるおそれがあると認めるのが相当である(参照:平成12年6月13日判決言渡、東京高等裁判所平成11年(行ケ)第422号)。

以下,これを踏まえて本件商標及び引用商標とをそれぞれの指定商品に使用した場合において,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かについて検討する。

(2)本願商標と引用商標の類否について

本願商標は,前記1のとおり,「LEX」の欧文字からなるものであるところ,その文字は英和辞典(「ランダムハウス英和大辞典」株式会社小学館発行)によれば,「法,法律。」の意味合いを有する語であると認められるものであるが,該文字は,かかる意味合いを有する欧文字として,我が国において,一般に広く知られたものということはできないから,むしろ,これに接する取引者,需要者をして,特定の意味合いを看取させることのない一種の造語と理解するというのが相当である。そして,その構成文字よりは,一般に馴染まれて広く用いられている英語読み風に,「レックス」の称呼を生ずるものである。

他方,引用商標は,別掲1ないし3のとおり,多色の線で描かれた半円形の図形,波形の図形,長方形の図形等とそれらの図形の下部分に「REX」の欧文字とを組み合わせてなるところ,その全体の構成より特定の称呼,観念が生ずるものとはいい得ないから,その構成中の図形部分と欧文字部分とを常に一体のものとして把握しなければならない特別の事情は認められないものである。また,簡易迅速を旨とする取引の実情においては,当該商標を常に全体として把握するとは限らず,適宜親しみやすく馴染み易い部分を抽出し,他の部分を省略して簡便に取引に当たることがしばしば行われるという事情があることからすれば,その構成中の「REX」の文字部分が独立して自他商品の識別標識として機能するとみるのが相当である。

そうとすれば,引用商標からは,その構成文字に相応して「レックス」の称呼が生じるものであり,「REX」の文字は,「レックス党」,「男子の名」及び「国王」などの様々な意味を有する英語として辞書に記載は認められる(「ランダムハウス英和大辞典」株式会社小学館発行)が,それらのどの意味合いにおいても,一般に広く知られたものということはできないから,特定の意味合いを看取させることのない一種の造語と理解されるものである。

そこで,本願商標と引用商標とを比較すると,本願商標「LEX」と引用商標の構成中の「REX」からは,前記のとおり,ともに「レックス」の称呼を同じくするものである。

つぎに,観念についてみるに,本願商標と引用商標は,前記のとおり,それぞれ英語の意味を有するものであるが,両者は一般に広く知られたものということはできないから,特定の意味合いを看取させることのない一種の造語と認められ,観念において比較することができず,明らかな観念上の相違があるとは認められない。

そして,外観については,引用商標はその構成中に図形を有するものであるが,前述のとおり「REX」の文字部分が独立して識別機能を果たすものと認められることから,本願商標と引用商標の構成中の「REX」の文字部分について比較するに,その構成文字が相違するものの,両者は,共に三文字の欧文字と少ない文字数で構成されている中,「E」,「X」の2文字を同じくする共通性を有するものである。また,いずれも特異な構成態様からなるものではなく,一般に用いられる態様をもって表してなるものであるから,両者が別異のものとして明確に区別されるということもできない。

以上を総合すると,両商標は,その構成文字より「レックス」の称呼を同じくするものであり,観念において明確な違いを有するものではなく,外観において差異を有するとしても,両者共に3文字と少ない文字数で構成され,そのうちの「EX」の2文字を同じくする共通性を有していることも相俟って,これらを同一又は類似の商品に使用したときは,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標というべきである。

そして,引用商標の指定商品には,本願商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。

さらに,本願商標と引用商標とは,観念において比較することができず,外観において差異を有するとしても,少なくとも称呼を同じくするものであるから,前記(1)の判例からは,当該指定商品について商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が存在する場合を除き,出所の混同を生ずるおそれがあるものと認めるべきと解されるところ,原審における意見の内容及び当審における請求の理由を徴するも,何ら特別の事情が存することを見いだせない。

(3)請求人の主張について

請求人は,審判請求書の補充された理由において,商標の類否について平成19年(行ケ)第10428号の判決を挙げ,本願商標と引用商標は,外観が相違し,観念において明らかに区別され,称呼においては,「L」と「R」をより注意していちいち確認するのが一般であり,両者が区別できないものとはいえないと述べているが,本願商標と引用商標との類否についての判断に当たっては,称呼,外観,観念及び取引状況を考慮し,それらの事実を総合して,前記(2)のとおり判断するものであり,簡易迅速を旨とする取引の経験則に照らし,その共通する「レックス」の称呼から,その語頭の文字が「L」か「R」かをその都度確認することが一般であるとはいい得ず,本願商標と引用商標の英語上の発音を区別できるとは言い難いことについては,請求人も認めるところであるから,前記(2)の判断が左右されるものではない。また,請求人(出願人)は,既登録例を挙げ本願も同様に登録されるべきである旨述べているが,請求人(出願人)の挙げる登録例は,その構成・態様が異なるものであって,同列には論じられないばかりでなく,商標の類否判断は,比較する両商標について個別具体的に考察し,検討されるべきものであるから,請求人の主張は採用できない。さらに,請求人(出願人)は,本願の指定商品及び引用商標の指定商品は,一般の消費者が使用するものではなく,これらの使用者は,一般の消費者と比較して高い識別能力を持つのが一般であり,本願商標と引用商標との間で出所の混同を生じるおそれはない旨主張するが,たとえ需要者が高い識別能力を有していたとしても,商品を購入するにあたり,商品のカタログ等から電話等で口頭によって,その商品を特定する場合がないとはいえないばかりでなく,時と所を異にする取引の実際にあっては,両者は,「レックス」の称呼を共通にする商標であるから,その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。したがって,いずれの請求人の主張も,採用することができない。

(4)むすび

以上のとおり,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願を拒絶した原査定は,妥当であって,取り消すことができない。

よって,結論のとおり審決する。

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