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Trademark Appeal Case

著名商標との混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第12962号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別記(1)に表示するとおりの構成よりなり、第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定商品として、平成8年12月13日に登録出願したものである。

2 原査定における拒絶理由

これに対し、原査定において、「本願商標は、ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ(アメリカ合衆国ニューヨーク市マディソンアベニュー650所在)がラルフ・ローレンのデザインによる紳士スーツ、ポロシャツ、ネクタイ等に使用して本願出願前より広く需要者に認識されていた『POLO』の文字とポロ競技をしている人馬を描いてなる図形を含むものであるから、これを出願人が指定商品に使用するときは需要者は上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)「POLO」「ポロ」「Polo」の商標の著名性について

「男の一流品大図鑑」(株式会社講談社 昭和53年7月発行)及び「舶来ブランド事典 ’84 ザ・ブランド」(サンケイマーケティング 昭和58年9月発行)によれば、以下の事実が指摘できる。

ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立し、社名を「ポロ・ファッションズ」とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバン等のデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服のデザインにも進出、服飾業界の名誉ある「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャッビー」で主演したロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことからアメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

わが国においても、そのころからラルフ・ローレンの名前は、服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には別記(2)に表示するとおりの「Polo」の文字とともに「by Ralph Lauren」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレイヤーの図形の商標(以下「引用商標」という。)等が用いられ、これらの商標は「POLO」「Polo」「ポロ」と略称されている。

そして、「海外ファッションブランド総覧 1980年版」(株式会社洋品界 昭和55年4月発行)における「ポロ/Polo」の項及び「ライセンス・ビジネスの多角的戦略 ’85」(ボイス情報株式会社 昭和59年9月 発行)の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項及び同63年10月29日付けの日経流通新聞によれば、わが国においては、ポロ・ファッションズとの契約に基づき、西武百貨店が昭和51年にポロ・ファッションズから使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、「dansen男子専科」(株式会社スタイル社 1971年7月 発行)、前掲「男の一流品大図鑑 ’79年版」(株式会社講談社 昭和54年5月 発行)、別冊チャネラー「ファッションブランド年鑑 ’80」(株式会社チャネラー 同54年9月 発行)、「男の一流品大図鑑 ’81年版」(株式会社 講談社 同55年11月 発行)、「世界の一流品大図鑑 ’80年版」(株式会社 講談社 同55年6月 発行)「MEN’S CLUB 1980.12」(婦人画報社 同55年12月 発行)、「世界の一流品大図鑑 ’81年版」(株式会社 講談社 同56年6月 発行)前掲「舶来ブランド事典 ’84 ザ・ブランド」「流行ブランド図鑑」(株式会社 講談社 同60年5月 発行)によれば、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ジャケット、シャツ、ネクタイ等に「POLO」「ポロ」「Polo」商標が使用されていることが認められる。

他にこれを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」「ポロ」「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決「平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡」がある。

以上の事実を総合し、上記判決を併せ考慮すると、わが国においては、遅くとも本願の登録出願時までには、既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして、引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は、現在においても継続しているものというのが相当である。

(2)本願商標は、別記(1)に表示するとおり、馬に乗った一人の競技者がマレットを振り上げてポロ競技をしている図形と「METROPOLITAN」及び「POLO」の欧文字とを二段に横書きしてなるものである。

これに対し、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして著名な商標である引用商標は、別記(2)に表示するとおり、馬に乗った一人の競技者がマレットを振り上げてポロ競技をしている図形と「Polo by Ralph Lauren」の欧文字を横書きしてなるものである。

してみれば、本願商標の構成中の馬に乗った一人の競技者がマレットを振り上げてポロ競技をしている図形部分の描き方は、著名なラルフ・ローレンのポロ競技をしている引用商標の図形商標と似たところがあり、本願商標の図形部分から、ポロ競技を認識させるものである。また、本願商標と引用商標との構成中に「POLO」と「Polo」の文字部分の差異を有するとしても、前記認定の如く、引用商標が著名であることに照らせば、本願商標に接した取引者・需要者は、引用商標の構成中の馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形部分と「Polo」の文字部分を有しているものと容易に認識・理解するものである。

そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、前記した実情からラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして著名な引用商標を連想・想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有するものの業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとする原査定は妥当なものであって取消すことはできない。

なお、請求人(出願人)は、本願商標が、取引の実情において、需要者が自他商品の出所を明らかに識別することができ、商品の混同を生じないし、また、生じるおそれも存在しない旨主張しているが、本願商標をその指定商品に使用するときには、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標と判断されること前記のとおりであるから、請求人(出願人)の主張は採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

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