Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−19430(T2006−19430/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「POWER LINEAR CUTTER」の文字を標準文字で表してなり、第10類「外科用機械器具,その他の医療用機械器具」を指定商品として、平成16年12月28日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、原審における同17年11月17日付け及び同18年5月18日付け提出の手続補正書により、最終的に「外科用切断機械器具」に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『POWER LINEAR CUTTER』の文字を標準文字で書してなるものであるところ、その指定商品中『外科用機械器具』においては『医療用に用いられる切断機械(Cutter)』が存在することからすれば、これをその指定商品中『外科用機械器具』に使用しても、全体として『力のある線状の(医療目的の)カッター』の意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質を表示したものとしか理解・認識されないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べを行ったところ、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知した。
記
1.YAHOO!JAPAN辞書によるインターネット検索情報(なお、下線は当合議体によるもので、以下2ないし4も同じである)
(1)「POWER」の意味について
(http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=power&dtype=0&stype=0&dname=0na&pagenum=1&index=15776415154400)
「原動機などの馬力。動力。仕事率。」
「...を動力[電力]で動かす。」
(2)「power(パワー)○○」の例について
(ア)パワー‐ショベル【power shovel】
動力で動く大きなシャベルで土砂などを掘削する土木機械。
(イ)パワー‐ブレーキ【power brake】
自動車などのブレーキで、ドライバーが操作する力を増強する倍力装置を備えたもの。制動力が強化される一方、ペダルを踏む力も軽減される。
(ウ)パワー‐ステアリング【power steering】
自動車の動力式かじ取り装置。ステアリングの操作時に、動力シリンダーのピストンに油圧が働いて力を補助する。
(エ)パワー‐ウインドー【power window】
自動車の横の窓で、ガラスがボタンひとつで上下するもの。電気モーターによるものが多い。
(3)「LINEAR」の意味について
(http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%EF%BD%8C%EF%BD%89%EF%BD%8E%EF%BD%85%EF%BD%81%EF%BD%92&stype=1&dtype=1)
「直線状の、線形の;糸状の, 細長い」
(4)「CUTTER」の意味について
(http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=cutter&stype=1&dtype=1)
「裁断器(の刃)、カッター」
2.インターネット検索情報
(1)「縫合用ハンドピース」における「リニアカッター」の記載について
(http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/operation_tools/page063.htm)
「【技術内容】ライトアングルリニアカッターと同様に両側切断端に2列のステープルをかけ、切離する縫合器である。シャフトとカッターが並行になっているのが特徴である。組織の厚みに対してブルー(閉鎖時ステープル高1.2mm)とグリーン(閉鎖時ステープル高2.0mm)があり、カッター長は55mmである。」
(2)特開平6−343639における「リニアカッター」の記載について(http://www8.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjktk.ipdl)
【発明の名称】外科的処置具
【目的】経済的で、手入れの手間が少なく、廃棄物の量の少ない外科的処置具を提供する。
【構成】外科的処置具は操作部10とこれに着脱される複数の挿入部100とで構成されている。操作部10は、フレーム12、回転可能な回転リング14、これに一体的に設けられた円筒部18、スイッチ16を有している。挿入部100は、クリップ装置100A、ステープラー100B、リニアカッター 100C、円形ステープラー100Dの四種類からなっている。各挿入部100A〜100Dには、円筒部18に挿入される細径部102、また操作部10との連結を解除するための着脱ボタン112が設けられている。細径部102は全て同じ構造になっている。細径部102には、装着時の角度方向を合わせるためのキー104、スリット106、係止フランジ108、Oリング110が設けられている。
(3)「PROXIMATE Linear Cutter」の見出しでの「Linear Cutter」の記載について
(http://commons.wikimedia.org/wiki/Image:Surgical_stapler_&_cutter_linear.JPG)及び
(http://www.jnjgateway.com/home.jhtml?loc=SDVENG&page=viewContent&contentId=09008b988084fdf4&parentId=09008b988084fa93)
PROXIMATE Linear Cutter is a trademark of Johnson & Johnson, Inc. and Ethicon Endo-Surgery, Inc.
(4)「Disposable Linear Cutter Stapler」の見出しの下での「Linear Cutter」の記載について
(http://juston.en.alibaba.com/product/50389758/51863865/Surgical_appliance/Disposable_Linear_Cutter_Stapler.html)
「Disposable linear cutter adopts two lines of interlaced staples instead of suturing;
it can economize the time and reduce the opportunity of blooding. It is applied
to the closure of an incision operation to stomach, and intestine.」
(5)「SINGLE USE RELOADABLE LINEAR CUTTER STAPLER」の見出しでの「LINEAR CUTTER」の記載について
(http://www.chexhealthcare.com/pdf/l_c_stapler.pdf)
3.株式会社医学書院発行「標準外科学 第11版」における「リニアカッター(linear cutter)」の記載について
(1)「F 器械吻合」の項における「リニアカッター(linear cutter)」の記載について
「消化管吻合や血管吻合を簡便に行うために、各種の自動吻合器(autosuture stapler)が開発されてきている。製品の使用には多くの種類があり、その適用も様々である。原則的にはサーキュラーステイプラー(circular stapler)、リニアカッター(linear cutter)、リニアステイプラー(linear stapler)法とに大別される」と記載されている。
(2)「2)リニアカッター」の項における「リニアカッター」の記載について
「リニアカッターは片側2〜3列ずつのステイプルを打ち込み、その間の組織をナイフで切り離し、直線的な縫合と切り離しを行う器械である。使用方法の工夫により、切離と縫合、吻合を同時に行うことができる。したがって、消化管再建の際のpounch作成にも便利である。本体はカートリッジハーフとアンビルハーフから構成されている。カートリッジフォークに装着し、双方のフォークの間に組織を挟み、ファイヤリングノブを進めることにより縫合と切離を行うことができる。」と記載されている。
4.動力付きの「linear cutter」について
(http://www.pmi2.com/product_inn.php)
The I60 Intelligent Surgical Instrument is PMI's Articulating Endoscopic Linear Cutter designed to transect, resect and anastomose tissue. It is controlled by drive motors, motor control circuits and clinician-feedback technology that have been miniaturized and integrated into the handpiece. The I60 is designed for used in laparoscopic surgery.
Self Contained Power Source
Self contained lithium ion battery in handle allows freedom of movement for better accessRechargeable battery
Digital Control
A push of a button initiates a sequence of steps under software control which are performed automatically unlike conventional staplers that require a series of manual operations
Diode indicators provide visual feedback when tissue is within optimal firing range
Visual feedback when firing is complete resulting in 4 double staggered rows of staples with transection between them
Enables articulation, clamping and firing functions to work independently and at the touch of a button
Direct Drive with Onboard Computer Control
Maintains compressive force at any angle
Allows distal to proximal firing reducing tissue milking
Electronic sensors measure anvil position 500 times per second for greater precision and accuracy Compressive forces are applied gradually and consistently for repeatable results
True one-handed operation
Powerful Electric Motors
Enables full thickness closure with precision
5.以上の事実を総合的に勘案すると、本願商標は、「POWER LINEAR CUTTER」の文字を書してなるところ、「POWER」の文字(語)は、「動力付き」の意味を有し、「LINEAR CUTTER」の文字は、「直線状の、細長いカッター」の意味を有するが、その指定商品との関係では、直線的な縫合と切り離しを行う器械の普通名称であることが認められるから、全体として「動力付きのリニアカッター」を指称することが明らかである。
そして、上記4.によれば、実際の取引においても、動力付きのリニアカッターが取引されている事実が認められる。
そうとすれば、本願商標は、これを「動力付きのリニアカッター」に使用するときは、取引者、需要者をして、単に商品の品質(機能)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有さないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品について使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当すると言わざるを得ない。
第4 請求人は、前記第3の証拠調べ通知に対して、何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり「POWER LINEAR CUTTER」の文字を標準文字で書してなるところ、前記第3の証拠調べ通知によって示したとおり、「POWER」の文字(語)は、「動力付き」の意味を、「LINEAR CUTTER」の文字は、「直線状の、細長いカッター」の意味を有するところ、その指定商品との関係では、全体として「直線的な縫合と切り離しを行うカッター」の意を指称するものと認められる。
また、本願指定商品を取り扱う業界において、直線的な縫合と切り離しを行う器械をリニアカッターと称して取引されており、さらに「動力付きのリニアカッター」が取引されている事実が認められる。
そうとすれば、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者をして、その商品が「動力付きのリニアカッター」であることを容易に認識、理解されるというのが相当であり、単に商品の品質(機能)を表示したにすぎないものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認識し得ないものであり、本願商標を前記商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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