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結論

敗訴(請求棄却)

第3条第1項第3号「品質表示の識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:平成10年審判第13759号|請求不成立)

審判番号
平成10年審判第13759号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
品質表示の識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年審判第13759号・不服)は、本件商標について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「品質表示の識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類「理化学機械器具、測定機械器具、配電用又は制御用の機械器具、電気磁気測定器、写真機械器具、光学機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品、火災報知機、盗難警報器」を指定商品として、平成8年12月20日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、長方形の輪郭内に「FLEXIBLE」「system」の文字を二段に併記してなる構成からなるものであるところ、該「FLEXIBLE」及び「system」の文字は、共に、外来語(英語)として一般に良く知られ用いられる「柔軟な、しなやかな、融通のきく、順応力のある」の意味を有するフレキシブル(flexible)及び「方法、方式」の意味を有するシステム(system)に各々通じ、全体として「柔軟な或は順応力のあるシステム(方式)」程度の意味合いを理解・把握させるにすぎず、これを指定商品に使用しても上記意味合いから、商品(機械器具)が順応性の優れていること、即ち、商品の品質を誇示的に表すにすぎず、自他商品の識別標識として機能するものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

本願商標は、図形を含む全体構成に特徴を有するもので十分に自他商品の識別標識としての機能を有するものである。

また、図形を含む本願商標「FLEXIBLEsystem」は出願人による造語であり、全体として一般的に用いられている評価対象となる固有の性質・性能の全体を示す品質ではなく、ただ単に商品を品質誇示的に表すものでもなく、十分に自他商品の識別標識として機能するものである。

更に、「FLEXIBLE」、「フレキシブル」、を含む登録例は様々なものがあり、本願商標は登録適格を有するものである。

4 当審の判断

本願商標は、別紙に表示したとおり四隅を丸くした横長長方形の中に「FLEXIBLE」及び「system」の文字を二段に表してなるものであるところ、上段の「FLEXIBLE」の文字は、「柔軟な、順応力のある」等の意味を有する語として、また、下段の「system」の文字は、「方式、方法」等を意味する語として共に広く一般に親しまれている平易な英語と認められる。

したがって、本願商標からは「柔軟な、順応力のあるシステム」程度の意として認識されるというのが相当である。

請求人は、本願商標は、図形を含む全体構成に特徴を有するものであり、出願人による造語である旨主張する。

しかし、四隅を丸くした横長長方形は、図形としてはきわめて簡単でかつありふれたものであるし、また、「FLEXIBLE」の語は、本願商標の指定商品を取り扱う業界においては、通常、後半の語を修飾する形容詞として、例えば「Flexible Disk」のように、また、「system」の語については他の語とともに、例えば「POS system」のように採択使用されているのが実情である。

そうすると、両語は(格別意味を有しない)造語というよりは、一体として「柔軟な、順応力のあるシステム」程度の意として認識されるものというのが相当である。

そこで、「FLEXIBLE system」について検討するに、この文字に対応する「フレキシブルシステム」についての調査によれば、1985年10月8日付けの日経産業新聞11頁中の多品種対応の食品注入機に「様々な形、大きさの食品加工に対応できる多品種少量生産向けのフレキシブルシステムで〜」の記載が認められ、1990年2月7日付け日刊工業新聞12頁中の多品種少量生産に対応した異形状ロール自動包装システムに関する記事において、「〜多品種少量生産には対応できなかった。このため〜適用範囲が広いフレキシブルなシステムとした。」の記載が認められ、1991年7月5日付けの日刊工業新聞31頁中の食品産廃再利用システムを開発への記事中「開発するのは食品・食品添加物、〜規模の大小にかかわらず適用可能なフレキシブルシステムの確立〜」の記載が認められる。そして、これら「フレキシブル(な)システム」の語は、いずれも「柔軟な、順応力のある生産システム」程度の意として記載されているものである。

さらに、これを指定商品中「コンピュータ」及び「コンピュータ用プログラムソフト」との関係よりみると、商品の生産システムを構築するためにはコンピュータ及びコンピュータ用プログラムソフトによって、総合的に監視・制御が行われ、そのためのプログラムソフトが販売されているのが実情であるから、本願を構成する前記文字は、「商品の生産システムを構築するためのコンピュータ及びコンピュータ用プログラムソフト」については、取引者、需要者に「フレキシブル生産システム」を直ちに理解し、認識させるにすぎない英語表記であるとするのが相当である。

そうすると、本願商標はその指定商品中「フレキシブル生産システムを構築するための監視・制御用のコンピュータ、或いは同コンピュータプログラムを記憶させた記録媒体」に使用しても、単に商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるといわざるを得ない。

なお、請求人は「FLEXIBLE」及び「フレキシブル」を含む登録例がある旨主張しているが、本願商標が自他商品の識別標識として機能しないことについては上記のとおり判断するのが相当であるから、その主張は採用できない。

したがって、本願商標が商標法第3条1項3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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