結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−301617(T2007−301617/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4536707号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成10年10月26日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,遊園地用機械器具,スロットマシン,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,自動販売機,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同14年1月18日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は、「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実はない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」については、その登録を取り消されるべきものである。
(1)被請求人の答弁書と乙第1号証ないし乙第3号証によれば、被請求人は本取消審判に係る本件商標の指定商品中「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」のうち、「録画済みビデオディスク」について本件商標を使用している旨主張している。
そこで、被請求人が「録画済みビデオディスク」にあたると答弁書において主張するCD−ROMについて検討する。
(2)当該CD−ROMは、乙第1号証ないし乙第3号証のいずれを見ても「for Windows」という文字が付されている。言うまでもないが、「Windows」は米国マイクロソフト社の電子計算機並びにこれに準ずる機器のためのOS(オペレーティングシステム)を指す事は明白であって、世界的に著名である。
そして、乙第2号証の当該CD−ROM自体をみると写真下部に「SOFTWARE」とある。
また、当該CD−ROMの左側には、「BA−100/BA−P20」「DESIGNLOGO CHANGER」「PRINTER DRIVER」「USER’S GUIDE」といった当該CD−ROMの内容についての記載がある。
これらについては、本審判の被請求人たるカシオ計算機株式会社のWebサイトにおいて「製品サポート」などのページに説明がある。「BA−100」について甲第1号証、「BA−P20」について甲第2号証、「DESIGNLOGO CHANGER」について甲第3号証を参照されたい。なお、「PRINTER DRIVER」と「USER’SGUIDE」は特段の説明なくても明らかであるため省略する。
上記の事情から考えて、当該CD−ROMの内容は、電子計算機において使用されるソフトウエア(プログラム)であるということは一見して明らかである。
(3)ここで、被請求人は、答弁書において「このCD−ROMは、パソコンリンクソフトとは別に、ラベルテープ作成のための画像を収録してなるものであり、... 」と答弁している。
しかしながら、被請求人が言う「ラベルテープ作成のための画像が当該CD−ROMに収録されている」という事実についての根拠を、乙第1号証ないし乙第3号証のいずれから見出せばよいのか不明である。
よって以上のとおり、当該CD−ROMを独立した商品としてみたとしても、一般的に考えて、当該CD−ROMは「電子計算機用プログラム」を記憶させたものにあたり、「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に属するものであって、少なくとも「録画済みビデオディスク」の範疇に属するものではない。
(4)更に、答弁書によれば、当該CD−ROMは、被請求人の商品である「KL−M30」などのラベルプリンターに同梱されるものである。
また、乙第1号証及び乙第3号証に係る梱包箱やカタログを見ても、ラベルプリンター本体が大きく表され、その本体の機能等についての記載が大部分を占めている。
当該CD−ROMは、イラストと共に「パソコンリンクソフト付き」などとする表示されるのみであり、乙第3号証の「主な仕様・機能」の欄には「パソコンリンク 付属」と記載されている。
したがって、当該CD−ROMは、ラベルプリンター専用の付属品というべきである。
ただ、ここで請求人には、このラベルプリンターがどの商品分類の範疇に属するのか必ずしも明確ではないが、少なくとも「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」の範疇に属さないことは明らかである。
そうとするなら、当該CD−ROMはラベルプリンター専用の付属品であるのだから、当該CD−ROMは「録画済みビデオディスク」に属する商品とは言えない。
よって、本件商標は、ラベルプリンターに使用しているというべきものであり、「録画済みビデオディスク」についての本件商標を使用しているとは言えないものである。
(5)以上のとおり、答弁書によっては、被請求人が「第9類 録画済みビデオディスク」に本件商標を使用したことを何ら証明するものではない。
よって、本件商標の指定商品中「映写フィルム、スライドフィルム、スライドフィルム用マウント、録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について、被請求人が本審判の請求の登録前3年以内に使用した事実がないことは明らかである。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証及び丙第1号証ないし丙第4号証を提出した。
被請求人は平成10年9月に日本国内において発売を開始したラベルプリンター「KL−A45eco」において本件商標の使用を開始し、以来継続的に、現在に至るまで本件商標を継続的に使用してきた。
加えて、被請求人は、平成17年10月より日本国内において発売を開始したラベルプリンター「KL−M20」に同梱されたパソコンリンクソフト付きCD−ROMにおいて、本件商標の使用を開始しており、以降この後継モデルである上記「KL−M30」その他のモデルにおいても同様のパソコンリンクソフト付きCD−ROMが同梱されており、上記「KL−M30」の梱包箱においても明瞭に示されている。(乙第1号証)
このCD−ROMは、パソコンリンクソフトとは別に、ラベルテープ作成のための画像を収録してなるものであり、その外観画像を示す。(乙第2号証)
上記パソコンリンクソフト付きCD−ROMが同梱されたラベルプリンター「KL−M30」は平成19年8月発行の請求人ラベルプリンターカタログに記載されている。(乙第3号証)
上述の如く、乙第3号証においては、録画済みビデオディスクに本件商標を使用しているものであるから、過去3年以上日本国内において本件商標について、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実がない、とする請求人の主張は当を得ていないものである。
以上述べたように、本件商標は商標法第50条第1項に該当するものではない。
(1)CD−ROMについて
請求人は、CD−ROMの内容を、電子計算機において使用されるソフトウェア(プログラム)と断言しているが、当該CD−ROMの内容は、PDFファイル(アドビー社によるプリントイメージファイル)による取扱説明書(丙第1号証)、画像ファイル(丙第2号証)、及び請求人が弁駁書において、「電子計算機において使用されるソフトウェア(プログラム)である。」と断じているソフトウェアである。
請求人が言うように、電子計算機において使用されるソフトウェアのみが、当該CD−ROMに収納されているのではなく、ソフトウェア、取扱説明書、および画像集から成るというのは事実である。
よって、ソフトウェアも当該CD−ROMの内容の一部であるから、他の取扱説明書および画像集とあわせて当該CD−ROMがあるので、請求人の主張が間違いであるのは明らかである。
(2)請求人は、「ラベルテープ作成のための画像が当該CD−ROMに収録されているという事実が見あたらなく、更に、録画済みビデオディスクではない」旨主張しているが、上記(1)に述べたとおり、ソフトウェアが当該CD−ROMの内容の一部であるとともに、取扱説明書(丙第1号証)、画像ファイル(丙第2号証)が内容の、これまた一部である。
これらを持って当該CD−ROMの内容とすることを明らかにしたように、当該CD−ROMは単にソフトウェアを記憶させたものではなく、これら取扱説明書(丙第1号証)、画像ファイル(丙第2号証)を含む複合的なものである。
よって、請求人が主張している「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に属するものであるはずがなく、取扱説明書(丙第1号証)、画像ファイル(丙第2号証)をソフトウェアとしてあわせて記録された当該CD−ROMは、「録画済みビデオディスク」というべきものであることは明らかである。
(3)請求人は、当該CD−ROMがラベルプリンターの付属品であり、当該CD−ROMが商品として単体では無いと断じているが、カタログの一部(丙第3号証)を抜粋したが、当該CD−ROMは、単体にても販売し、単価も決まっていて、販売店に行けば、それのみを買うことが出来る。
よって、当該CD−ROMは、独立した商品としても存在するものであり、録画済みビデオディスクに属さないなどと言えないことは明らかである。
(4)本件商標の使用について言えば、当該CD−ROMの写真(丙第4号証)から、本件商標と、当該CD−ROM上にある商標は、本件商標と同一である。
そこで、被請求人が使用していると主張する商品「CD−ROM」(以下「使用商品」という。)が、請求に係る「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に含まれる商品であるか否かについて検討する。
(1)乙第1号証は、ラベルプリンター「KL−M30」(以下「ラベルプリンター」という。)の梱包箱の写しと認められるところ、該梱包箱には、ラベルプリンターの図が大きく表され、その機能等ついての記載が大部分を占めており、使用商品については、左下にCD−ROMの図と共に「パソコンリンクソフトつき」「for Windows」「パソコンリンクで簡単ラベル印刷!」等と記載されている。
(2)乙第2号証は、使用商品の画像と認められるところ、該画像には、「KL−M30」「for Windows」「SOFTWARE」等と記載されている。
(3)乙第3号証は、「ネームランド総合カタログ」の写しと認められるところ、該カタログ2頁目には、「KL−M30」の表題の下に、ラベルプリンターが表示され、その機能等ついての記載が大部分を占め、使用商品については、ラベルプリンター右横に、「CD−ROM」及び「パソコンリンクソフトつき」の文字と使用商品と思しき図が表示されている。
(4)丙1号証は、パソコンリンクソフト以外の、使用商品の内容の一部を印刷した書類と認められるところ、表紙には、「プリンタードライバー」、「KL−M30」、「Windows図(円輪郭内にRを配した構成。)対応」及び「取扱説明書」の文字が大きく書され、その下部に「プリンタードライバーとは、パソコン画面に表示された文字や画像をプリンターに伝えるなど、プリンターを制御するためのソフトウエアのことです。」の記載があり、具体的な取扱に関する説明が記載されている。
(5)丙2号証は、使用商品の内容の一部を印刷した書類と認められるところ、これらには各種画像が記載されている。
(6) 丙3号証は、「付属パソコンリンクソフト」の文字と、その右横に「対応モデル(矩形輪郭内に配されている。)KLD−350/KL−V400/KL−M30/KL−M20」と表題されたカタログ17頁の写しと認められるところ、その上半部に、「本格ラベル印刷ソフト[BA−100]」及び「PCラベルユーティリティー[BA−P20]」のそれぞれの項目の右横には、「対応モデル(矩形輪郭内に配されている。)KLD−350/KL−V400/KL−M30/KL−M20」の文字が書されて、それぞれの簡単な使用方法等が説明されている。
(7) 丙4号証は、乙第2号証と同一の使用商品の画像と認められる。
してみれば、被請求人の提出にかかる各証拠によっては、使用商品が、少なくとも、取消請求に係る指定商品「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」中いずれの商品にも含まれないものと言わざるを得ない。
また、本件商標の指定商品中の取消請求に係る商品について、本件商標の使用を窺わせる他の主張及び立証はない。
被請求人は、使用商品が、単にソフトウェアを記憶させたものではなく、これら取扱説明書(丙第1号証)、画像ファイル(丙第2号証)を含む複合的なものであり、「録画済みビデオディスク」というべきものであることは明らかである旨主張する。
しかしながら、使用商品が、取扱説明書等を含む、単にソフトウェアを記憶させたものではないとしても、使用商品は、ラベルプリンター専用に使用される点において、ラベルプリンターの附属品と言い得るものであるから、被請求人の主張は採用できない。
さらに、被請求人は、丙第3号証を根拠に、使用商品が、単体でも販売し、単価も決まっていて、販売店に行けば、それのみを買うことが出来るものであるから、独立した商品としても存在するものであって、録画済みビデオディスクに属する旨主張する。
確かに、丙第3号証には、「付属パソコンリンクソフト」の表題の下に、「対応モデル」としてラベルプリンターと同じ型番の「KL−M30」の記載があるところから、使用商品に関する記載であることは認められる。
しかしながら、これをもって、使用商品を単独で販売していると推認できるとしても、上記2のとおり、使用商品は、ラベルプリンター専用の附属品と認められるものであるから、被請求人の主張は採用できない。
以上のとおりであるから、被請求人が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る商品「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について使用していることを証明したものとは認めることはできない。
また、被請求人は、本件商標をその請求に係る指定商品について使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の指定商品中、取消請求に係る「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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