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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「要部抽出と識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2008−21193(T2008−21193/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2008−21193(T2008−21193/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「ECO」
争点(論点)
要部抽出と識別力
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2008−21193(T2008−21193/J1)・不服)は、本件商標と引用商標「ECO」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「要部抽出と識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)に示す構成よりなり、第37類「建設工事」を指定役務として、平成19年5月19日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標は、次のとおりである。

(1)登録第3304627号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示す構成よりなり、平成5年4月7日に登録出願、第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同9年5月16日に設定登録され、その後、同19年7月17日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(2)登録第5077594号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)に示す構成よりなり、平成18年12月18日に登録出願、第36類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同19年9月14日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標1との類否について

本願商標は、別掲(1)に示すとおり、茶色に着色された「家」と思しき図形内に、「ちょっとモダンな」、「材木屋の」及び「エコハウス」の各文字を白抜きで三段に配してなるところ、構成中の「材木屋の」及び「エコハウス」の文字部分は、「ちょっとモダンな」の文字部分に比べ、太字で大きく表され、また、同じ書体、同じ大きさでまとまりよく表されてなるものであるから、これに接する需要者、取引者は「材木屋の」及び「エコハウス」の文字部分に着目して、これより生ずる称呼をもって取引に資することも少なくないと判断するのが相当である。

そうすると、本願商標は、構成文字全体に相応して「チョットモダンナザイモクヤノエコハウス」の称呼を生ずるほか、「材木屋の」及び「エコハウス」の文字部分に相応して「ザイモクヤノエコハウス」の称呼をも生ずるものと認められる。

これに対して、引用商標1は、別掲(2)に示すとおり、「ECO」の文字をモチーフにデザイン化した図形と、その下部に「エコハウス」の文字を書してなるところ、構成中の「エコハウス」の文字は、その指定役務との関係においては、「環境に配慮した家」等の意味合いを認識、理解させるにすぎないものであるから、自他役務の識別力がないか、たとえ、自他役務の識別力があるとしても、極めて弱いものというべきである。

そうとすれば、引用商標1は、デザイン化した図形部分を要部とみるのが相当であり、「エコハウス」の文字部分のみを捉えて、「エコハウス」の称呼をもって取引に資されることはないといわなければならない。

そうすると、引用商標1は、特定の称呼を生じないというのが相当であり、本願商標と引用商標1とは、称呼において比較することはできない。

また、本願商標と引用商標1とは、それぞれの構成よりみて、外観においては明らかに区別し得るものであり、さらに、観念においては、引用商標1は、全体として特定の観念を生ずるものであるとはいえないことから、本願商標とは比較することができない。

してみれば、本願商標と引用商標1とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれはない。

(2)本願商標と引用商標2との類否について

本願商標は、前記3(1)で述べたとおりの構成よりなるところ、外観においては、図形と文字がまとまりよく一体的に表されてなるものであり、かかる構成においては、これに接する需要者、取引者は、その図形部分と文字部分を分離、抽出して認識するというよりは、図形部分と文字部分が渾然一体となったものとして認識、把握するというのが自然である。

他方、引用商標2は、別掲(3)に示すとおり、左側に、緑色に着色された「家」と思しき図形内に「アーバン」及び「エステート」の各文字を白抜きで二段に配し(以下「左側の図形」という。)、右側に、顕著に大きく、毛筆風に「一生涯の家」(「家」の文字部分の下に、一筆に赤い線が引かれている。)の文字を書してなるところ、左側の図形部分と、右側に書された文字部分とは、常に一体不可分にのみ認識されなければならない格別の理由を見いだし難いものである。

そして、引用商標2の構成中、独立して自他役務の識別力を有する左側の図形は、「家」と思しき図形と、その図形内に配された文字が、外観上、まとまりよく一体的に表されてなり、かかる構成においては、これに接する需要者、取引者は、「家」と思しき図形部分とその図形内に配された文字部分を分離、抽出して認識するというよりは、その図形部分と文字部分が渾然一体となったものとして認識、把握するというのが自然である。

そうすると、本願商標と引用商標2とは、時と処を異にして離隔的に観察した場合でも、外観においては、互いに相紛れるおそれはないと判断するのが相当である。

また、称呼においては、本願商標が前記3(1)で述べたとおり、「チョットモダンナザイモクヤノエコハウス」の称呼を生ずるほか、「ザイモクヤノエコハウス」の称呼をも生ずるのに対し、引用商標2は、その構成文字全体より「アーバンエステートイッショウガイノイエ」の称呼を生ずるほか、左側の図形部分より「アーバンエステート」の称呼、右側の文字部分より「イッショウガイノイエ」の称呼をも生ずるものと認められるから、両称呼は、その構成音及び構成音数において明らかに相違するものである。

さらに、観念においては、引用商標2は、全体として特定の観念を生ずるものであるとはいえないことから、本願商標とは比較することができない。

してみれば、本願商標と引用商標2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれはない。

(3)まとめ

以上よりすれば、本願商標と引用商標1及び2とは、類似しない商標であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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