Trademark Appeal Case
欧文字称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−24783(T2008−24783/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「PHILO」の欧文字よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」を指定商品として、平成19年12月5日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、当審における同20年9月26日付け手続補正書により、第25類「洋服,コ−ト,セ−タ−類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ずきん,ナイトキャップ,防暑用ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4751842号商標(以下「引用商標」という。)は、「FILO」の欧文字よりなり、平成15年7月9日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として、同16年2月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「PHILO」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、該文字は、出願人(請求人)が主張する「愛...,...を愛する」(株式会小学館発行 ランダムハウス英和大辞典第2版)等を意味する接頭辞であることは認められるものの、一般への認知度、周知度が決して高いものといえないから、全体として一種の造語を表したものとして認識され、これより、直ちに特定の観念を有する語として認識し得ないものとみるのが相当である。
また、称呼においては、例えば、既成語でなく欧文字のみの綴りから構成される読みが特定されていない商標の場合にあっては、我が国で最も親しまれた英語風あるいはローマ字風の発音をもって称呼されることが、指定商品等この種の商品に係る取引にあっては一般的であるといい得るところ、英語のおいて、「PHI」は、「philosophy(フィロソフィー)」、「Philadelphia(フィラデルフィア)」、「philanthropy(フィランソロフィー)」等の「phi」の文字部分の発音が、「フィ」と発音されていることよりすれば、本願商標は、英語読みに倣って「PHILO」の文字より、「フィロ」の称呼を生ずるものというのが相当である。
これに対し、引用商標は、前記2のとおり、「FILO」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、該文字は、「(=phyllo)[ギリシア・中東料理]薄片状の薄いパイ皮を重ねたもの」(株式会小学館発行 ランダムハウス英和大辞典第2版)を表す語であるが、一般への認知度、周知度が決して高いものとはいえないから、全体として一種の造語を表したものとして認識され、これより、直ちに特定の観念を有する語として認識し得ないものとみるのが相当である。
また、称呼においては、これより、「フィロ」の称呼を生ずるものと認められる。
そうとすると、本願商標と引用商標とは、「フィロ」の称呼を共通にするものであって、外観においては、共に欧文字のみからなるもので特に印象、記憶に残るほどの特徴を有する構成よりなるものとはいえないものであり、観念において、比較すべきもないとしても、相紛れるおそれのある類似の商標と言わなければならない。
また、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、互いに同一又は類似するものと認められる。
(2)出願人(請求人)は、我が国では語頭部にアルファベット「P」のある綴りでは、破裂音行のパ行音をもって発音される場合が多く、又、子音と母音との間に「H」のある綴り語を正確に発音することができないことから、語頭部の綴り「PHI」は、「ピ」又は「ピィ」と発音される場合が多く、本願商標の「PHILO」全体からは「ピロ」又は「ピィロ」の称呼が生じると言うべきである旨述べているが、これについては、前記説示のとおり、語頭の「PHI」の文字部分が、「フィ」と発音されることから、「ピ」又は「ピィ」とは発音されず、本願商標は、「フィロ」の称呼を生ずるというのが相当である。
また、出願人(請求人)は、商標の類否判断においては、個別具体的な事情を考慮しつつ、全体的に両商標を観察し総合的に判断されなければならないのが基本であるとして、本願商標が指定商品とする被服等の商品分野においては、デザインやサイズなどを基に、実際に商品を手に触れ、又はカタログやネット媒体等を介して商品を視認し慎重に選択されることが通例で、極めて個人的嗜好の強い商品分野であって、単に電話などによる商標の音声(称呼)情報のみで商品を識別し取引されることなどは皆無に等しく、商標の類否判断における称呼上の類否は、近年それほど重要視されなくなった旨の述べているが、本願指定商品の被服等を取り扱う商品分野においては、デザイン、色、サイズなどを視認して、気に入ったものがあれば、実際に商品に手を触れたり、又は、カタログ、ネット媒体等を介して商品を選ぶといった点について否定するものではないが、だからと言って、それが直ちに「単に電話などによる商標の音声(称呼)情報のみで商品を識別し取引されることなどが皆無に等しい」とはいい難く、いまだ電話等の商標の音声(称呼)による取引も否定できないところであり、また、店頭販売において商品を選ぶ場合は、デザイン、色、サイズが重視されるとしても、商標について、常に細心の注意を払うとまでいえないから、このような取引の実情を考慮しても、本願商標と引用商標とは類似の商標と認められるものである。
してみれば、出願人(請求人)のこれらの主張を採用することはできない。
(3)したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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