Trademark Appeal Case
「クイックパワーオフ」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−10988(T2006−10988/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「クイックパワーオフ」の片仮名文字を標準文字で横書きしてなり、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品として、平成17年9月12日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、標準文字で『クイックパワーオフ』の片仮名文字を書してなるものであるところ、その構成中の『クイック』の文字部分が『急速な、すばやい』等の意味を有する英語『quick』に通ずるものであり、同構成中の『パワーオフ』の文字部分が『電源を切る(オフにする)』の如き意味合いで、『オートパワーオフ』、『自動パワーオフ』等のように種々の電気(電源)を使用する機器について使用されているものであるため、本願商標の構成文字全体としては『すばやく電源を切る(オフにする)』の如き意味合いを表したものと容易に理解されるというのが相当であるから、これを本願指定商品中、電気通信機械器具、電子応用機械器具など、電気(電源)を使用する機器ですばやく電源を切る(オフにする)機能を有する商品について使用しても、自他商品の識別標識とは認識され得ず、単に商品の品質、機能を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における職権証拠調べ結果の通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に通知したが、所定の期間を経過するも、請求人は何ら意見を述べていない。
記
1 本願商標「クイックパワーオフ」が、「(他の動作と連動して)自動的に電源がオフされる」あるいは「(使い終わって)すぐに電源をオフにする」の意味合いで、電源の切り忘れを防止する等の機能を有する商品に使用されていることが、インターネットのホームページ及び新聞記事情報に掲載されていることが認められ、例えば次に示すようなものがある。
(1)「ITmediaライフスタイル」「ズームはヘビー級、サイズ/価格はベビー級――光学25倍『GR−D250』(1/3)」の見出しの下、「ビクターというと、個人的には・・・。また、ビクターの現行ビデオカメラの特徴の1つに、電源を入れたままの状態で、液晶モニターの開閉動作、あるいは、ファインダーの引き出し動作と連動して、自動的に電源がオン・オフされる『クイックパワーオフ』という機能がある。・・・低価格製品とはいえ、『GR−D250』にもこのクイックパワーオフなど、基本機能はしっかり搭載されている。・・・」の記載及び掲載商品の写真説明として「ビクターのDVカメラではおなじみのクイックパワーオフ対応。液晶モニターを開くか、ファインダーを引き出せば電源オン、液晶モニターを閉めるか、ファインダーを収納すれば電源オフとなる」の記載。(http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0503/10/news038.html)
(2)「Victor・JVC」「ビデオカメラ 製品ラインアップ GR−D50K」の見出しの下、「GR−D50K 主な特長 ■ 液晶モニターとファインダ−が、電源と連動して電源の切り忘れを防止する、ビクター独自の『クイックパワーオフ』機能」の記載。(http://www.jvc-victor.co.jp/dvmain/gr-d50k/index.html)
(3)「Optoma 世界トップクラスのDLPプロジェクターブランド」の見出しの下、「EP7150」「特長」「小さくても 高性能」の下に「クイックパワーオフ」の記載。(http://jp.os-worldwide.com/products/optoma/ep7150/index.html)
(4)「株式会社ホームシアター イベントニュース」「オプトマDLPプロジェクター EP729・EP7150・EP716P・EP719P 4機種揃って同時新発売!」の見出しの下、「≪4機種共通の主な特徴≫・・・● クイックパワーオフ 使い終わってすぐに電源をオフにし、片付けることが可能です。面倒なクールダウンが不要です。」の記載。(http://www.hometheater.co.jp/japanese/event/optoma_4products.html)
(5)「2003年2月7日のニュース」「【電子機器/LCD】JVC、コンパクトな縦型DVC2機種を発表、LCDは業界最大の3型」の見出しの下、「日本ビクター(JVC)は2月5日、コンパクトな縦型デジタルビデオカメラ(DVC)『ベビームービー』シリーズとして『GR−DX95K/35K』2機種を発表した。・・・両機とも1/6型68万画素CCDや16倍光学ズームレンズ、独自の『クイックパワーオフ機能』などを搭載した。」の記載。(http://www.electronicjournal.co.jp/news/2003/02/07.html)
(6)2007年1月5日付けFujiSankei Business i. 13頁「【新商品】光学34倍ズームレンズ搭載デジタルビデオカメラ『GR−D750』」の見出しの下、「・・・電源の切り忘れを防ぐ『クイックパワーオフ』やバッテリー残量をモニターに表示する『データバッテリー』機能を内蔵。・・」 の記載。
(7)2003年6月19日付け日本工業新聞 7頁「新製品:初心者でも簡単、高精細撮影」の見出しの下、「・・・液晶モニターを閉めると自動的に電源が切れ、開くと撮影待機状態になる『クイックパワーオフ機能』や、薄暗い場所でもライトを点灯せずにカラー撮影を行う『ナイトフラッシュ』、明るさに応じて自動発光する『オートフラッシュ』など、初心者でも手軽に撮影できる機能を搭載した。・・・」 の記載。
2 本願商標「クイックパワーオフ」を構成する「パワーオフ」の文字部分が、「電源をオフにする。」の意味合いで商品の機能を表示するものとして使用されていることが、インターネットのホームページに掲載されていることが認められ、例えば次に示すようなものがある。
(1)「121ware 日本電気株式会社 NECパーソナルプロダクツ株式会社」「2.詳細内容について」の見出しの下、「本対象機種はパソコンの電源をオフにした場合でも『パワーオフUSB充電機能』対応USBポートに電源を供給しておりますが、一部のUSB充電対応機器では充電できません。」 の記載。
(http://121ware.com/navigate/support/poweroff_usb_attention/index.html)
(2)「ノリタケ伊勢電子株式会社」「BDシリーズ アプリケーションノート APF140」「2.1.6 電源シーケンス」の見出しの下、「ディスプレイ電源を印加中にロジック電源がフローティング、またはVDD1=4.5V以下で与え続けると、ドライバチップが永久破壊する可能性がありますので避けてください。特にシステムのパワーオン時やパワーオフ時の電源シーケンスには注意が必要です。電源オン・オフ時は次のシーケンスを守ってください。
電源オン時 : ロジック電源オン後、ディスプレイ電源オン、または同時オン
電源オフ時 : ディスプレイ電源オフ後、ロジック電源オフ、または同時オフ」の記載。(http://www.noritake-itron.jp/cs/appnote/bd/power.htm)
(3)「RICOH 株式会社リコー電子デバイスカンパニー」「R5104Vシリーズ ウォッチドッグタイマ付きシステム電源」「概要」の見出しの下、「さらに、・・・監視時間は、外付けのコンデンサにより設定が可能です。また、2種類のパワーオフ機能としてウォッチドックタイマーのクロック入力監視をオフするAバージョンと、本ICをスタンバイ状態にするBバージョンを用意しています。」の記載。(http://www.ricoh.co.jp/LSI/product_power/timer/r5104v/)
第4 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり、「クイックパワーオフ」の文字よりなるところ、該文字は、前記第3のとおり、ビデオカメラ、プロジェクターなどを取り扱う業界においては、「(他の動作と連動して)自動的に電源がオフされる」あるいは「(使い終わって)すぐに電源をオフにする」ほどの意味合いで、「電源の切り忘れを防止する等の機能」を表すものとして普通に使用されている事実が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば、電気通信機械器具、電子応用機械器具など、電気(電源)を使用する機器ですばやく電源を切る(オフにする)機能を有する商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、該商品が「電源の切り忘れを防止する等の機能を有する商品」であることを表したものと理解、認識するに止まり、本願商標は単に商品の機能、品質を普通に用いられる方法で表示したにすぎず、結局、自他商品の識別標識としての機能を有し得ないものというのが相当である。
また、本願商標を「電源の切り忘れを防止する等の機能を有する商品」以外の商品に使用した場合には、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものと認められる。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨を主張しているところ、請求人が主張する過去の登録例に係る商標は、本願商標と構成文字、審査又は審理における判断時等を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであるから、上記、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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