sokuhyo

Trademark Appeal Case

機能表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−10989(T2006−10989/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ダイレクトパワーオフ」の片仮名文字を標準文字で横書きしてなり、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品として、平成17年9月12日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、標準文字で『ダイレクトパワーオフ』の片仮名文字を書してなるものであるところ、その構成中の『ダイレクト』の文字部分が『直接に、じかに』等の意味を有する英語『direct』に通ずるものであり、同構成中の『パワーオフ』の文字部分が『電源を切る(オフにする)』の如き意味合いで、『オートパワーオフ』、『自動パワーオフ』等のように種々の電気(電源)を使用する機器について使用されているものであるため、本願商標の構成文字全体としては『じかに電源を切る(オフにする)』の如き意味合いを表したものと容易に理解されるというのが相当であるから、これを本願指定商品中、電気通信機械器具、電子応用機械器具など、電気(電源)を使用する機器でじかに電源を切る(オフにする)機能を有する商品について使用しても、自他商品の識別標識とは認識され得ず、単に商品の品質、機能を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における職権証拠調べ結果の通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に通知したが、所定の期間を経過するも、請求人は何ら意見を述べていない。

1 本願商標「ダイレクトパワーオフ」が、「(他の機器のスイッチを用いて)直接に電源をオフにする」あるいは「(プロジェクターのランプ寿命を縮めないために)電源オフ後すぐに電源コードを抜いてもバッテリー充電で冷却ファンがしばらく回り続ける」の意味合いで、電源の切り忘れを防止する等の機能を有する商品に使用されていることが、インターネットのホームページ等に掲載されていることが認められ、例えば次に示すようなものがある。

(1)「ITmedia +D LifeStyle」「プレゼン作業のすべてを“スピーディ”に──カシオ CASSIOPEIA PRO『XJ−560』」の見出しの下、「カシオ計算機のCASSIOPEIA PRO『XJ−560』は、機動性に優れた小型軽量ボディ、素早く準備できる自動補正、片付けも一瞬のダイレクトパワーオフなど、プレゼンテーション作業のすべてがスピーディに行える1台だ。」の記載。(http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0510/01/news005.html)

(2)「minai ミナイ事務機販売株式会社」「CASIO スーパースリムプロジェクター XJ−S31」「■セッティングの手間を軽減」の見出しの下、「本体の傾きを検知して上30°の範囲で生じる台形歪みを自動補正する“縦オートキーストーン補正”を装備。さらに、電源コードをつなぐだけで投映を開始する“ダイレクトパワーオン”、使用後すぐに電源を消せる“ダイレクトパワーオフ”機能も備えました。」の記載。(http://www.e-kodawari.jp/shop/e-371/shopitem.cgi?item01=00002374)

(3)「セイコーエプソン株式会社」「『Quick Setup(クイックセットアップ)』機能搭載のオフィリオプロジェクター『EMP−830』さらに『ワイヤレス & PCレス』機能を強化したオフィリオプロジェクター『EMP−835』 2機種新登場」の見出しの下、「・・・新商品『EMP−830』は、『クイックセットアップ』機能を備えビジネス分野での様々な会議や、学校教育などで使用いただく際に十分な3000ルーメンの高輝度を実現した商品です。また設置の自由度を広げる『1.6倍高倍率短焦点電動ズーム・フォーカスレンズ』や、投写画面の歪みをそれぞれ4つのコーナーから補正できる『Quick Corner』機能、さらには片付け時にクールダウンを待つ必要のない『ダイレクトパワーオフ』機能も装備しています。」の記載。(http://www.epson.jp/osirase/2004/040624_2.htm)

(4)「Panasonic ideas for life ニュース」「ワイヤレスポータブル液晶プロジェクター『TH−LB10NT』を発売」の見出しの下、「【特長】3. 簡単スピーディに使える高い機動力 ■ 時間を有効活用できる、スピード運用機能。

・ スピードスタート機能 電源オンから出画まで、約5秒と非常にスピーディ。

・ ダイレクトパワーオフ機能 使用後、すぐ電源コンセントを抜くことができ、後片付けもスムーズ。・・・」の記載。(http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn040329-1/jn040329-1.html)

(5)「日経パソコン PC Online Special」「デジタルプレゼンで勝ち抜く ベストツール選びの基礎知識」「あれば便利な自動補正機能 始動と終了もすばやく」の見出しの下、「●クールダウン機能 『ダイレクトパワーオフ』『クイックオフ』とも呼ばれ、電源オフ後すぐに電源コードを抜いてもバッテリー充電で冷却ファンがしばらく回り続け、ランプ寿命を縮めないように冷却する機能。外出先でプレゼンする場合には重宝する。」の記載。(http://info.nikkeibp.co.jp/nbpp/presen/02.html)

2 本願商標「ダイレクトパワーオフ」を構成する「パワーオフ」の文字部分が、「電源をオフにする。」の意味合いで商品の機能を表示するものとして使用されていることが、インターネットのホームページに掲載されていることが認められ、例えば次に示すようなものがある。

(1)「121ware 日本電気株式会社 NECパーソナルプロダクツ株式会社」「2.詳細内容について」の見出しの下、「本対象機種はパソコンの電源をオフにした場合でも『パワーオフUSB充電機能』対応USBポートに電源を供給しておりますが、一部のUSB充電対応機器では充電できません。」 の記載。

(http://121ware.com/navigate/support/poweroff_usb_attention/index.html)

(2)「ノリタケ伊勢電子株式会社」「BDシリーズ アプリケーションノート APF140」「2.1.6 電源シーケンス」の見出しの下、「ディスプレイ電源を印加中にロジック電源がフローティング、またはVDD1=4.5V以下で与え続けると、ドライバチップが永久破壊する可能性がありますので避けてください。特にシステムのパワーオン時やパワーオフ時の電源シーケンスには注意が必要です。電源オン・オフ時は次のシーケンスを守ってください。

電源オン時 : ロジック電源オン後、ディスプレイ電源オン、または同時オン

電源オフ時 : ディスプレイ電源オフ後、ロジック電源オフ、または同時オフ」の記載。(http://www.noritake-itron.jp/cs/appnote/bd/power.htm)

(3)「RICOH 株式会社リコー電子デバイスカンパニー」「R5104Vシリーズ ウォッチドッグタイマ付きシステム電源」「概要」の見出しの下、「さらに、・・・監視時間は、外付けのコンデンサにより設定が可能です。また、2種類のパワーオフ機能としてウォッチドックタイマーのクロック入力監視をオフするAバージョンと、本ICをスタンバイ状態にするBバージョンを用意しています。」の記載。(http://www.ricoh.co.jp/LSI/product_power/timer/r5104v/)

第4 当審の判断

本願商標は、前記第1のとおり、「ダイレクトパワーオフ」の文字よりなるところ、該文字は、前記第3のとおり、プロジェクターなどの機器を取り扱う業界においては、「(他の機器のスイッチを用いて)直接に電源をオフにする」あるいは「(プロジェクターのランプ寿命を縮めないために)電源オフ後すぐに電源コードを抜いてもバッテリー充電で冷却ファンがしばらく回り続ける」ほどの意味合いで、「電源の切り忘れを防止する等の機能」を表すものとして普通に使用されている事実が認められる。

そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば、電気通信機械器具、電子応用機械器具など、電気(電源)を使用する機器で直接に電源を切る(オフにする)機能を有する商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、該商品が「電源の切り忘れを防止する等の機能を有する商品」であることを表したものと理解、認識するに止まり、本願商標は単に商品の機能、品質を普通に用いられる方法で表示したにすぎず、結局、自他商品の識別標識としての機能を有し得ないものというのが相当である。

また、本願商標を「電源の切り忘れを防止する等の機能を有する商品」以外の商品に使用した場合には、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものと認められる。

なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨を主張しているところ、請求人が主張する過去の登録例に係る商標は、本願商標と構成文字、審査又は審理における判断時等を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであるから、上記、請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。