結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−31079(T2006−31079/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4333064号商標(以下「本件商標」という。)は、「ECA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成10年3月19日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として同11年11月12日に設定登録されたものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中の上記商品について使用されていないものである。
よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その指定商品中の上記商品については取り消されるべきである。
被請求人によって提出された乙各号証によっては、取消請求に係る商品についての本件商標の使用は何ら証明されていない。
(1)乙第1号証について
(ア)本件商標の使用者について
被請求人は、その出資会社である株式会社堀場アドバンスドテクノに対して、本件商標の通常使用権を許諾している旨主張している。
しかしながら、乙第1号証は、単なる製品カタログであって、同カタログには、被請求人と株式会社堀場アドバンスドテクノとの間の通常使用権の許諾に関する契約内容、あるいは被請求人と株式会社堀場アドバンスドテクノとの資本関係を示す内容は一切記載されていない。
したがって、乙第1号証は、被請求人と株式会社堀場アドバンスドテクノとの間で本件商標の使用許諾契約が存在することを立証するものではなく、また、株式会社堀場アドバンスドテクノが被請求人の出資会社であることを証明するものでもない。
(イ)本件商標の使用に係る商品について
被請求人は、標章「ECA−01」にかかる製品(以下、「本件使用商品」ともいう。)について、「導電率を測定するための電気回路を搭載した基板とセンサとからなるアンプボードであって、別の筺体内に組み込まれて導電率計となる部品」であり、「株式会社堀場アドバンスドテクノでは、このようなアンプボードを組み込んだ完成品である導電率計も製造販売している」旨主張している。
確かに、乙第1号証(87頁)の本件使用商品の「仕様」の欄には、その測定範囲が「0〜5mS/cm」と記載されており、「mS/cm」が導電率を表示する単位であるから(甲第2号証)、請求人は、本件使用商品が導電率を測定する機能を有する「導電率計の部品」であることについては争わない。
しかしながら、「導電率」とは、「電気伝導率(electrical conductivity)」ともいい、物質の電流密度と電界の比(抵抗率の逆数)であって(甲第2号証)、言い換えれば、電流の流れやすさを示す物質固有の値である。しかして、同値を計測する「導電率計」は、物質に流れる電気量を測るものであり、測定の対象が「電気」であるから、「電気磁気測定器」の範疇に属するものである。このことは、特許庁のIPDL「商品・役務名リスト」において、「非鉄金属の電気伝導度測定器」あるいは、導電率の逆数(抵抗率)を測定する「抵抗率測定器」について「電気磁気測定器(11A04)」の類似群コードが付されている例をとっても明らかである(甲第3号証)。
なお、被請求人は、本件使用商品は「測定機械及び制御用機械の部品として販売」されているから、「測定機械器具」の部品であると述べているが、乙第1号証には、本件使用商品が「測定機械器具」として「導電率以外を測定する」ものであること、あるいは、本件使用商品が「測定機械器具」の専用部品として顧客に使用されていることを裏付ける記述は一切みられない。
また、被請求人が本件使用商品は測定機械の部品としてのみならず、制御用機械の部品としても販売されていると述べていることに鑑みれば、本件使用商品を「測定機械器具」だけの専用部品であるということはできない。
さらに、本件使用商品の測定範囲が「0〜5mS/cm」としか記載されていないのは、本件使用商品が導電率の計測にしか使用されないことの証左であり、また、答弁書において、被請求人が本件使用商品を「顧客が独自に製造する制御装置に導電率を測定する機能を加えるために」販売していると述べていることに鑑みれば、本件使用商品を購入した顧客がこれを任意に他の機械器具の一部に使用したとしても、本件使用商品が「導電率計の部品」として販売されていることに何ら変わりはない。
したがって、本件使用商品は、「導電率計の専用部品」として「電気磁気測定器」の範疇に属するものであるから、乙第1号証は、標章「ECA−01」が「測定機械器具」の範疇に属する商品について使用されたことを何ら証明するものではない。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は、株式会社堀場アドバンスドテクノが他社より製品の受注を受け納入する際の売上・出庫票であり、同票には、本件使用商品の売上数量・売上金額等が表示されている。
しかしながら、乙第2号証は、標章「ECA−01」の販売実績を表したものに過ぎない。
したがって、乙第2号証は、被請求人と株式会社堀場アドバンスドテクノとの間で、本件商標の使用許諾契約が存在することを証明するものではなく、また、標章「ECA−01」が「測定機械器具」の範疇に属する商品について使用されたことを証明するものでもない。
(3)以上のとおり、被請求人によって提出された乙各号証によっては、取消請求に係る商品についての本件商標の使用事実は何ら証明されていないから、本件商標登録は、「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び請求人の弁駁に対する答弁を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第6号証を提出した。
(1)被請求人は、被請求人の出資会社である株式会社堀場アドバンスドテクノに対して、本件商標の通常使用権を許諾している。そして、株式会社堀場アドバンスドテクノは、本件商標を製品総合カタログ(乙第1号証)において、本件使用商品の名称として使用している。
乙第1号証にかかる製品総合カタログの87頁には「ECA−01」と表示されているが、ハイフンの後方にある「01」は、単なる製品のバージョンを表したものであるため、「ECA」の部分が自他商品の識別標識として機能しているものである。したがって、乙第1号証の製品総合カタログに表示されている「ECA−01」は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。
そして、本件使用商品は、導電率を測定するための電気回路を搭載した基板とセンサとからなる製品であって、別の筐体中に組み込まれて導電率計となる部品である。株式会社堀場アドバンスドテクノでは、このようなアンプボードを組み込んだ完成品である導電率計も製造販売しているが、顧客が独自に製造する制御装置に導電率を測定する機能を加えるために、アンプボードを測定機械及び制御用機械の部品として販売している。このことから、本件使用商品は、測定機械器具の部品であるといえる。
また、乙第1号証の1頁に表示されているように、乙第1号証の記載内容は、2005年7月現在のものであることから、本件審判請求の登録前3年以内に発行され使用されていることが明らかである。
(2)乙第2号証にかかる売上・出庫票は、株式会社堀場アドバンスドテクノが他社より製品の受注を受け納入する際の社内資料である。乙第2号証の売上・出庫票においては、平成18年8月21日付にて「ECA−01」が注文先に3体納入されていることが分かる。
(3)したがって、乙第1号証及び乙第2号証に見られる「ECA」の表示は、本件商標と社会通念上同一と認められ、かつ、本件審判請求の登録前3年以内に、本件取消請求に係る指定商品に関する広告及び取引書類について使用されていることが明らかであるので、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当するものではない。
(1)被請求人と「株式会社堀場アドバンスドテクノ」との関係について
被請求人は、被請求人と株式会社堀場アドバンスドテクノの資本関係を示す証拠として、被請求人の第69期有価証券報告書(乙第3号証)を提出する。
第69期有価証券報告書(乙第3号証)の7頁ないし9頁において、関係会社の状況として連結子会社の情報が掲載されており、株式会社堀場アドバンスドテクノについては、議決権の所有割合が直接100.00%となっている。
このことから、株式会社堀場アドバンスドテクノが、被請求人が100%出資した子会社であることが分かる。
(2)本件商標の使用に係る商品について
請求人は、導電率値を計測する「導電率計」は、物質に流れる電気量を測るものであり、測定の対象が「電気」であることから、「電気磁気測定器」の範疇に属するものであると主張している。
しかし、甲第2号証の1601頁において「導電率」は「物質の導電性を表す量」とされている。また、同じく甲第2号証において「導電率計」は「2.導電率を用いて,水溶液の成分濃度又は純度を測定する分析計.」と記載があり、さらに「溶液中に含まれる伝導性物質(イオンなど)量を測定する計器.」と記載されている。
ここで、被請求人は、答弁書にて「導電率を測定する機能を加えるために」と述べている。これは、株式会社堀場アドバンスドテクノが標章「ECA−01」に係る製品として使用している「導電率を測定するための電気回路を搭載した基板とセンサからなるアンプボード」が制御装置に導電率計を組み込み、使用する上で不可欠な部品であり、それはとりもなおさず、顧客が当該標章を付したアンプボードを導電率計として認識した上で、購入・使用するものである。
以上から、導電率を計測する「伝導率計」は、「導電率を用いて、水溶液の成分濃度又は純度を測定する分析計」であり、「溶液中に含まれる伝導性物質(イオンなど)量を測定する計器」であるから、当該製品に対する使用は「測定機械器具(10C01)」の範疇に属するものであり、当該商標権における専用権の範囲に属する使用である。
ここで、乙第4号証265頁において、「導電率の測定」は、「電解質溶液や溶融塩中でのイオンの移動に伴う電気伝導現象についての測定である.」と記載されており、導電率より得られる情報としては、同じく乙第4号証265頁にあるように、「物理化学(溶液物性)的には、溶液中での物質のイオン解離の状態,溶液中でのイオンの移動しやすさ,イオンの溶存状態」等があり、「分析化学的には,溶液中の電解質濃度の定量,濃度変化の検出(伝導度滴定)、溶媒中の不純物(電解質)の検出」等があると記載されている。
株式会社堀場アドバンスドテクノが標章「ECA−01」にかかる製品として使用している「導電率を測定するための電気回路を搭載した基板とセンサからなるアンプボード」は、その構成として、乙第4号証269頁「図6・3 アドミッタンスリニアーブリッジ回路を用いた伝導率測定装置の例」および乙第4号証271頁「図6・6 交流四電極式伝導率測定装置の例」からも明らかなように導電率測定装置そのもの、あるいは、その装置を構成するための中心部である。
また、電解質分析装置や伝導度測定器は、導電率計とその構成又は用途が等しいものであるものといえるが、これらは特許庁のIPDL「商品・役務名リスト」において(乙第5号証、乙第6号証)、「測定機械器具(10C01)」の類似群コードが付されていることからも、導電率計が、「測定機械器具(10C01)」の範疇に属するものであることが明らかである。
以上のことから当該標章の使用は、「測定機械器具」の使用に該当する。
乙第1号証は、「製品総合カタログ/PRODUCT GUIDANCE」と題するカタログであり、序文中には「このカタログの記載内容は2005年7月現在のものです。」とあり、巻末には、「HORIBA AdvancedTechno/株式会社堀場アドバンスドテクノ」の社名が記載されている。そして、該カタログの87頁には、「ワンボードpH・EC・DOユニット」の見出しのもとに、3種類のアンプボードが記載されており、その一つとして「ECA−01」と表示されたアンプボードが掲載されている。そして、これら製品の説明として、「植物の最適環境制御システムの普及は日増しに高まりつつあります。このワンボードタイプのpH・EC・DOユニットは、そのような制御装置に自在に組込めるよう小型化を図り、わずかな外付部品で計測の機能を完成させることができます。アイソレータも内蔵されていますので、計測に関する技術やノウハウがなくても手軽に組込みが可能です。ワンボードタイプで、制御装置の表示部や設定部を、システムに合わせて自由にデザインください。」と記載されており、また、特徴を説明する欄には、「スペースに合わせて自在に組込み」の見出しのもとに「ボードタイプですので省スペースが図れます。制御装置の大きさ・形状に合わせて自由に組込みください。」とあり、「必要な機能、部品すべて内蔵」の見出しのもとに「増幅器・電源・アイソレータ・出力回路など、すべて内蔵されています。外付部品はゼロ・スパン調整用ボリウムと表示部のみ。表示部はアナログでもデジタルでも装置のデザインに合わせて決定ください。」とあり、「コストダウンが図れます」の見出しのもとに「ケース付の完成品より安価です。制御装置の小型化も可能となり、トータルのコストダウンにつながります。」とあり、「水質計測のノウハウがなくてもOK」の見出しのもとに「必要な機能は内蔵されていますので、センサと電源の結線、制御装置パネル面の表示部、調整用ボリウムと接続するだけです。」と記載されており、更に、仕様欄には、基板とセンサについての詳細が記載されている。
乙第2号証は、「HORIBA AdvancedTechno/売上・出庫票」と題する資料であり、被請求人の主張によれば、これは、株式会社堀場アドバンスドテクノが他社より製品の受注を受け、納入する際の社内資料とのことであり、平成18年8月21日付にて「ECA−01」が注文先に3体納入されていること等が記載されている。
乙第3号証は、被請求人の「第69期有価証券報告書」であり、被請求人は、株式会社堀場アドバンスドテクノの議決権を100%所有していることが記載されている。
そして、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成18年9月15日)前3年以内に発行されたものと認められる乙第1号証の製品総合カタログを頒布するとともに、該カタログに掲載されている「ECA−01」の商標に係る「アンプボード」を、少なくとも、本件審判についての要証期間内である平成18年8月21日に注文先に3体販売したものと認めることができる。
さらに、上記「アンプボード」は、被請求人の主張及び乙第1号証の商品説明からみれば、植物の最適環境制御システム等の制御装置に組込めるように小型化を図り、わずかな外付部品を取り付けることで、水質計測等の機能を完成させることができるようにした「導電率計」の専用部品といえるものであり、その「導電率計」自体は、「測定機械器具」の範疇に属する商品と認め得るものである。
また、該「アンプボード」には、「ECA−01」の構成からなる商標が表示されているところ、その構成中のハイフンに続く「01」の部分は、商品の型式等を表す記号・符号(あるいはバージョン)の一類型と認められるものであって、「ECA」の部分が自他商品の識別標識として機能しているものといえるから、「ECA−01」の商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。
(1)請求人は、本件使用商品が導電率を測定する機能を有する「導電率計の部品」であることについては争わないが、導電率計は物質に流れる電気量を測るものであり、測定の対象が「電気」であるから「電気磁気測定器」の範疇に属するものである旨主張している。
確かに、導電率計には、電気伝導度(例えば、材料となる水が電気をどのくらい通すかということの測定値)を利用している側面があることは否定できない。そして、特許庁商標課編集、社団法人発明協会発行の「商品及び役務区分解説(平成8年12月25日改訂第3版)」によれば、第9類の「測定機械器具」の解説として、「・・・電気又は磁気により測定するものはこの概念に属するが、電気の単位又は磁気の単位を測定するものは、本類の電気磁気測定器に含まれる。・・・」と記載されており、「電気磁気測定器」の解説として、「電気の単位又は磁気の単位を測定するものであって、電気又は磁気により測定するものではない。」と記載されている。
しかしながら、現実に使用されている商品は、商標法におけるいずれの商品類似群に属するかについて、その判断が極めて困難な商品も存するのが実情であり、特に、不使用取消審判の場においては、登録商標の使用されている当該商品の実質に則して、それが真に複数の商品類似群に属する多面性を有する商品であれば、当該複数の商品類似群に属する商品について登録商標が使用されているものと扱っても差支えないというべきであり、このように解しても、不使用取消審判制度の趣旨に反することにはならないものというべきである。
そこで、「導電率」及び「導電率計」について、請求人の提出に係る「JIS工業用語大辞典(第5版)」(甲第2号証)をみれば、「導電率」とは「20度Cにおける単位長さ、単位断面積をもつ材料の電気伝導度と標準軟銅のそれとの比」、「抵抗率の逆数」あるいは「電気の流れやすさを示す物質固有の値」等と説明されており、「電気伝導率」を参照するように示した記載もされている。その「電気伝導率」については、「断面積1平方センチ、距離1センチの相対する電極間にある溶液がもつ電気抵抗の逆数」等と説明されている。そして、「導電率計」については、「導電率を測定して、水溶液の濃度又は純度を間接測定する分析計」、「溶液中に含まれる伝導性物質(イオンなど)量を測定する計器」等と説明されている。
ちなみに、東洋経済新報社発行の「商品大辞典(1996年4月15日第13刷発行)」によれば、「導電率計」は、「一般機械器具」の大概念中の「精密機器,計測機器」に分類されており、更に、そのなかの「工業計器」中の「成分分析器」に属する商品の一つとして位置づけられている。この「工業計器」については、「工業計器とは製造工業における各種装置の正常な運転状況を確保するため,装置の局所における温度,流量,圧力,液面,組成などの諸量を検出し,指示・記録計器によって計測監視し,さらには調節計器によって自動的に制御する,いわゆるオートメーションの中枢神経をなす機器である.」と説明されており、「導電率計」については、「溶液の導電率が成分濃度の関数となることを利用した溶液濃度計である。」と説明されている。
そうとすると、上記した「JIS工業用語大辞典(第5版)」の解説に「商品大辞典」の説明をも併せみれば、「導電率計」を「電気の単位そのものを測定することを目的とした機器」と解することには疑問が残るといわざるを得ない。
そして、特許庁商標課編集、社団法人発明協会発行の「類似商品・役務審査基準」における第9類に属する例示商品に照らしてみるに、請求人が「導電率計」の属すべき類似群であると主張している「電気磁気測定器」の概念には、「位相計、オッシログラフ、回路計、検出器、磁気測定器、周波数計、電圧計、電流計、電力計」等の商品が例示されているのに対して、「測定機械器具」(10C01の類似群)には「2 誘導単位計量器」の範疇に属する商品として「濃度計」も例示されており、「測定機械器具」の概念の中には、オートメーション装置といわれる「4 自動調節機械器具」も含まれている。
そうとすれば、「導電率計」を「測定機械器具」の範疇に属する商品として捉えることも十分に可能なことというべきであり、被請求人の使用に係る商品「ECA−01アンプボード」は、その「測定機械器具」ともいい得る「導電率計」の専用部品であるということができる。
(2)請求人は、被請求人が本件使用商品は測定機械の部品としてのみならず、制御用機械の部品としても販売されていると述べていることに鑑みれば、本件使用商品を「測定機械器具」だけの専用部品であるということはできない旨主張している。
しかしながら、この点は、被請求人の主張における表現上の問題というべきである。被請求人の主張と乙第1号証の製品説明とを併せみれば、「ECA−01」等のアンプボードは、あくまでも導電率計としての機器の専用部品であって、これを小型化することにより、植物の最適環境制御システムのような制御装置に自在に組み込み、計測の機能を完成させることができるという趣旨を述べたものと解すべきであり、「ECA−01アンプボード」が導電率計としての機能(機器)とは無関係に、制御装置における特定の機能を果たす一部品ともなるような性質の商品である旨を述べたものとは解せない。
(3)また、請求人は、請求人の上記(1)の主張の根拠の一つとして、特許庁のIPDL「商品・役務名リスト」において、「非鉄金属の電気伝導度測定器」や「抵抗率測定器」に「電気磁気測定器(11A04)」の類似群コードが付されていることを挙げている。
しかしながら、上記商品が「導電率計」といえるものであるとしても、それが法的な最終判断を経たものであれば別にして、審査官の一判断例にとどまるものであるから、そのことにより商品の最終的な所属が決まるものとはいえない。現に、これと異なる審査例もあり、例えば、登録第2246738号商標(現在も有効に存続している)は、指定商品を商標法施行規則(平成3年政令第299号による改正前のもの)別表第10類「PH計、導電率計、その他本類に属する商品」とするものであり、この事例では、「導電率計」は「測定機械器具(10C01)」の範疇に属する商品として登録されている。
このように、多面性を有する商品も数多く存在しているのが実情であり、個別の事情や商品の捉え方によっては、商品の所属を異にする場合があるのも致し方のないところであるから、請求人が主張するような事例があるからといって、そのことにより直ちに「導電率計」を「電気磁気測定器(11A04)」の範疇にのみ属する商品であると判断することはできない。
(4)してみれば、請求人の上記各主張は、いずれも採用できない。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人の通常使用権者と認められる者によって、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る指定商品中の「測定機械器具」について使用していたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、取消請求に係る「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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