Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−16460(T2007−16460/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「フィットベルト」の文字を標準文字で表してなり、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」を指定商品として、平成18年9月27日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『フィットベルト』の文字を普通に用いられる方法で書してなるが、その構成中の『フィット』の文字は、『適合すること。ぴったり合うこと』等の意味を、『ベルト』の文字は、『帯、ベルト』等の意味をそれぞれ有する語として一般に親しまれているところ、近時、ランドセルが後方に垂れない様に肩ベルトに工夫を凝らし、背中にぴったり合うランドセルが販売されている実情がある。そうとすると、本願商標は全体として『(身体に)ぴったり合うベルト』程の意味合いを容易に理解・認識させるにすぎず、これを本願指定商品中、例えば、『ランドセルの肩ベルト,その他のかばん類及び袋物用の肩掛けベルト』に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における職権証拠調べ通知
本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して証拠調べ通知書を送付した。
記
本願商標を構成する「フィットベルト」、「フィット」、「ベルト」の各文字に関して行った証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
1.「フィット」の語の有する意味について、辞典によれば、以下の事実がある。
(1)株式会社岩波書店発行広辞苑第5版2299頁には、「適合すること。特に、洋服が身体や感覚にぴったり合うこと。」等の記載がある。
(2)株式会社三省堂発行コンサイスカタカナ語辞典第3版895頁には、「服などが体にぴったり合うこと。うまく適合すること。」等の記載がある。
(3)株式会社集英社イミダス2006第1277頁には、「衣類が体にぴったり合う。似合っている。適合する。」等の記載がある。
2.「ベルト」の語の有する意味について、辞典によれば、以下の事実がある。
(1)株式会社岩波書店発行広辞苑第5版2411頁には、「洋服用の胴をしめる帯。バンド。」等の記載がある。
(2)株式会社三省堂発行コンサイスカタカナ語辞典第3版1002頁には、「衣服、ズボンなどの上に用いて、留めたり、押さえたりする洋式の細帯。」等の記載がある。
3.「フィットベルト」の語が新聞記事情報に掲載されている事実。
(1)1993年1月19日付け毎日新聞東京夕刊5頁には、「[この人・この企業]天田一夫さん=白十字社長 激戦の大人用紙おむつ市場」の見出しの下、「商品そのものは、どこも似たようなものだろう。おなかを締め付けすぎないよう
フィットベルト
の部分を工夫したり、おしりの部分を大きくしたり、素材選びやデザイン、使用法などを複合的にとらえ、よそとの差別化を図りたい。」との記載がある。
(2)1996年5月11日付け日経流通新聞7頁には、「ずれない潜水用腰ベルト、アート潜水企画(新製品)」の見出しの下、「水中でずれない潜水用のウエートベルト『
フィットベルト
』。従来のベルトは深度の変化により緩んでずれることがあった。同ベルトは部分的に伸縮性を持たせてあり、ワンタッチのバックルで腰に固定して使用。完全に伸び切った状態で巻けば、潜水中の深度変化にも常に一体感が得られ、ずれる心配がない。」との記載がある。
(3)2001年4月16日付けPharmaweek10頁には、「<特集>『失禁・排泄ケア』」の見出しの下、「白十字は5月の連休明けをメドに大人用紙オムツ『サルバDパンツ』(長時間用)をリニューアル発売する。(中略)2つのギャザーがモレをガードし、伸びる
フィットベルト
でパッドの交換も容易。新抗菌ポリマーの配合で臭いも抑える。」との記載がある。
(4)2003年4月8日付け繊研新聞12頁には、「03〜04年秋冬東京コレクション 世界不安にメッセージ ホーボールック」の見出しの下、「フィッチファーのひざ丈ベストは、ジャスト
フィットベルト
でウエストをマーク。どれもラメやラインストーンが派手に光る。」との記載がある。
(5)2003年5月8日付け西日本新聞朝刊23頁には、「福岡県/新品逸品=東洋ゴム織布 フィットベルト もうズボン下がらない」の見出しの下、「ともすればズルズル下がってしまうズボンを何とかできないか、と開発されたのが『
フィットベルト
』(千五百円)。ズボンの下に、幅約五センチのメッシュ状のベルトを腰に締めるだけでOK。」との記載がある。
(6)2004年5月14日付けFujiSankei Business i.27頁には、「【ニュースリリース】バレーボールシューズ『WAVE JUMP BIO』」の見出しの下、「バレーボールシューズ『WAVE JUMP BIO(ウエーブ ジャンプ バイオ)』。トッププレーヤー向けシューズ。マジックテープ式ベルトを外甲・内甲の両サイドからクロスさせ甲を面で抑える機能『クロス
フィットベルト
』を採用。締め付け感がなく、足のズレを抑制する。」との記載がある。
4.「フィットベルト」の語が、インターネットのホームページに掲載されている事実。
(1)株式会社神田屋鞄製作所が運営するホームページの「ランドセル」を紹介するウェブページ(http://www.caruchan.co.jp/function/index.html) には、「機能と特徴」の見出しの下、「NEW
フィットベルト
−ランドセル肩ベルトに新革命−」「厚着や薄着、激しい体の動きにもしっかり反応して、つねにランドセルを背中に優しくフィットさせます。独自のベルトの形状が、肩からのズレ落ちを解消します。さらに、牛革の天然皮革を使用しておりますので、とてもやわらか、肩にやさしいベルトです。」との記載がある。
(2)株式会社 生田が運営するホームページの「ショッピング」の項目中「手作りのこだわり」のページ(http://www.randsel.jp/shop/spec_detail.html)には、「生田の手作りランドセルの特徴」の見出しの下、「
フィットベルト
で背が伸びても安心」「肩ベルトは衝撃吸収パットを内装。しかも背負いやすいように、肩のカーブに合わせた裁断で、やさしい背負い心地です。」との記載がある。
(3)株式会社ワイズが運営するホームページ「ランドセルパーク」のウェブページ (http://www.r-wise.co.jp/q.html)には、「よくある質問」として「Q 体が大きくなっても背負えますか?」の見出しの下、「A 1m70cm位の大人でも充分に背負えます。自由に伸縮する背カンや
フィットベルト
が装着されているので、お子様の成長に合わせて調節ができます。」との記載がある。
(4)有限会社牧野商店内アヤビが運営するホームページ「アヤビのランドセル」のウェブページ(http://www.ayabi-web.com/point.htm)には、「Point15+ひとつひとつ手作りで仕上げたポイントにご注目ください。」の見出しの下、「ジャスト
フィットベルト
体に合わせた微妙なカーブで背負い心地抜群です。」との記載がある。
(5)株式会社NUTSが運営するホームページの「Ackermann/アッカーマン(ドイツ)鹿革&牛革 二つ折りショルダーバッグ」を紹介するウェブページ(http://www.rakuten.co.jp/nuts/427141/844760/)には、「自転車乗りに嬉しいヒップベルト」の説明として「肩からショルダーバッグを掛けて颯爽と自転車に乗りたい!でも前傾姿勢ではバッグが前の方にズレたり動いたりして乗りにくい・・・そんな時には付属の
フィットベルト
が便利!バッグが身体にフィットするから快適ライド!そんな心配りが嬉しいですね。」との記載がある。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、指定した期間内に何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「フィットベルト」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中前半の「フィット」の文字は「適合すること。特に、洋服が身体や感覚にぴったり合うこと。」、後半の「ベルト」の文字は「洋服用の胴をしめる帯。バンド。」(いずれも、株式会社岩波書店「広辞苑第五版」)の意味を有する語として、どちらも極めて親しまれた語であることから、これらを結合した本願商標からは、全体として「(身体に)ぴったり合うベルト」という程の意味合いを容易に理解させるものであるというのが相当である。
そして、前記3の証拠調べ通知で示した新聞記事情報及びインターネットのホームページの情報によれば、本願指定商品中の「かばん類,袋物」を取り扱う業界において、ランドセルやショルダーバッグといった商品に「フィットベルト」の文字が商品の品質を表示するものとして普通に使用されていることが認められる。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中の「かばん類,袋物」に使用しても、「ぴったり合うベルトを有する商品」程の意味合いを看取させ、単に商品の品質を表示したものと理解されるにすぎず、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張しているが、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。そして、本願については前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は、採用することができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、これを理由として本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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