Trademark Appeal Case
お多福商標の類否と商品
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−10411(T2008−10411/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類「肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ 」及び第30類「いか粉及びするめの天ぷらを粉砕したものが混入された天かす,その他の天かす,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,うま味調味料,香辛料,穀物の加工品,たこ焼き,お好み焼き,食用粉類」を指定商品として、平成19年6月15日に登録出願されたものである。
2 原査定で引用した商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第386367号商標は、「お多福」の文字を縦書きしてなり、昭和22年11月4日に登録出願、第43類「菓子及麺ぽうノ類、但し飴及び饅頭を除く」を指定商品として、昭和25年6月30日に設定登録され、その後4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成13年1月10日に指定商品を第30類「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつ豆・ゆであずき・飴・饅頭を除く。),粉末あめ,水あめ(調味料),もち,パン」とする指定商品の書換登録がされているものである。
(2)登録第440548号商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和27年10月31日に登録出願、第41類「ソース」を指定商品として、昭和29年2月23日に設定登録され、その後4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成16年5月26日に指定商品を第30類「ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,ホワイトソース」とする指定商品の書換登録がされているものである。
(3)登録第1685560号商標は、「オタフク」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和55年7月29日に登録出願、第31類「 調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」を指定商品として、昭和59年5月29日に設定登録され、その後2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成16年5月26日に指定商品を第29類「食用油脂,乳製品」及び第30類「みそ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖(調味料),砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ(調味料),ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」とする指定商品の書換登録がされているものである。
(4)登録第2599638号商標は、「お多福」の文字を横書きしてなり、平成3年8月9日に登録出願、第33類「穀物、豆、粉類、飼料、種子類、その他の植物および動物で他の類に属しないもの」を指定商品として、平成5年11月30日に設定登録され、その後、平成15年11月25日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成15年12月10日に指定商品を第30類「米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」とする指定商品の書換登録がされているものである。
(5)登録第2685372号商標は、「おたふく」の平仮名文字を横書きしてなり、平成4年2月21日に登録出願、第31類「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」を指定商品として、平成6年7月29日に設定登録され、その後、平成16年7月6日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成17年4月6日に指定商品を第29類「食用油脂,乳製品」、第30類「みそ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖(調味料),砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ(調味料),ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」、第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする指定商品の書換登録がされているものである。
(6)登録第2685373号商標は、「OTAFUKU」の欧文字を横書きしてなり、平成4年2月21日に登録出願、第31類「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」を指定商品として、平成6年7月29日に設定登録され、その後、平成16年7月6日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成17年4月6日に指定商品を第29類「食用油脂,乳製品」、第30類「みそ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖(調味料),砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ(調味料),ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」、第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする指定商品の書換登録がされているものである。
(7)登録第4797706号商標は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成15年8月28日に登録出願、第30類「穀物酢、純米酢、その他の食酢」を指定商品として、平成16年8月27日に設定登録されているものである。
(8)登録第4826977号商標は、別掲4のとおりの構成よりなり、平成16年3月12日に登録出願、第29類「食用油脂,乳製品,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,加工野菜及び加工果実,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと」、第30類「コーヒー及びココア,氷,みそ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,合わせ酢,ポン酢,味付けポン酢,お好み焼き用ソース,焼そば用ソース,たこ焼用ソース,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,酒かす」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」を指定商品として、平成16年12月17日に設定登録されているものである。
(9)登録第5113592号商標は、別掲5のとおりの構成よりなり、平成19年6月8日に登録出願、第30類「調理済みの焼そば・冷凍のたこ焼き,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」を指定商品として、平成20年2月22日に設定登録されているものである。
(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)
3 当審の判断
本願商標は、縦書きに右から黄色の「オタフクの」の文字、やや斑状のオレンジ色に着色された「こだわり」の文字、右下部分を小さく折り返した赤色長方形内に白抜きで「専門店の味」の文字を配し、「オタフクの」文字、「こだわり」の文字及び上記図形を黒い影付きにして表してなるものであるところ、「専門店の味」の部分は、「特定の商品を専門に扱う店の(良質の)味」程の商品の品質、誇称表示と認められ、自他商品の識別機能を有しないから、本願商標は、「オタフクのこだわり」の部分が自他商品の識別標識としての機能を有するものと認められる。
そこで、さらに「オタフクのこだわり」の文字部分についてみると、該文字部分は、「おたふく面」等の意味合いを有する「お多福」を片仮名で表した「オタフク」の文字と「こだわること」の意味合いを有する語として知られている「こだわり」の文字を格助詞「の」により結合してなるから、「『オタフク』がこだわること」程の意味合いを容易に認識させるというべきである。
そして、近時、他社の商品との差別化を図るために当該生産者がこだわりをもった商品作りが広く一般に行なわれていることからすると、上記「オタフクのこだわり」の文字中、「こだわり」の文字部分は、「こだわったものである」程度の意味合いを表すにすぎず、「オタフク」の文字部分が自他商品識別力の強い部分と認められる。このことは、例えば、以下の事実からも窺えるところである。
(1) 雪印乳業株式会社のウェブサイトに「雪印のこだわり」の項を設け、上記雪印が商品に関してこだわっている内容が説明されている(http://www.snowbaby.jp/kodawari/)。
(2) 大庄屋株式会社のウェブサイトに「大庄屋のこだわり」の項を設け、上記大庄屋が商品に関してこだわっている内容が説明されている(http://www.osyoya.com/kodawari/index.html)。
(3) 株式会社オカハタのウェブサイトに「オカハタのこだわり」の項を設け、上記オカハタが商品に関してこだわっている内容が説明されている( http://www.okahata.com/kodawari/index.html)。
(4) 華の舞酒造株式会社のウェブサイトに「華の舞のこだわり」の項を設け、上記華の舞が商品に関してこだわっている内容を説明している(http://www.hananomai.co.jp/kodawari/kodawari.html)。
(5) 有限会社横田農場のウェブサイトに「横田農場のこだわり」の項を設け、上記横田農場が商品に関してこだわっている内容を説明している(http://www.yokotanojo.co.jp/kodawari/)。
(6) 小林養蜂園のウェブサイトに「小林養蜂園のこだわり」の項を設け、上記養蜂園が商品に関してこだわっている内容を説明している(http://www.8-3-2.com/kodawari/index.html)。
(7) 株式会社栗山米菓のウェブサイトに「ぬれ鬼のこだわり」の項を設け、同社が生産する米菓「ぬれ鬼」に関してこだわっている内容を説明している(http://www.beika.com/nakajo/nure_kodawari.htm)。
そうとすると、本願商標は、その構成中の「オタフク」の文字部分も自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められるから、該文字部分より、「オタフク」の称呼及び「おたふく面」の観念をも生ずるというのが相当である。
一方、引用商標は、それぞれ前記の構成よりなるところ、「お多福」、「オタフク」、「おたふく」及び「OTAFUKU」のいずれかの文字からなり、又は、該文字を構成中に有するものであることから、「オタフク」の称呼が生じ、「おたふく面」の観念が生じると認められるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「オタフク」の称呼及び「おたふく面」の観念を共通にする類似の商標といわなければならない。
そして、本願商標は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用するものでもある。
なお、出願人(請求人)は、過去の登録例を挙げて、本願商標もこれらと同様に登録されるべきである旨主張しているが、商標の類否判断は個別になされるべきものであり、また、それらの登録例は、本願商標とは商標の構成及び指定商品を異にする事案であって、本願商標については前記認定のとおりであるから、この点についての請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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