Trademark Appeal Case
称呼類似の判断基準
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−13324(T2008−13324/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「四魂」の漢字を横書きしてなり、第9類「テストの分析及び診断に使用されるコンピュータプログラム,テストの分析及び診断に使用されるCD−ROM,電子出版物」及び第41類「テストの企画・運営又は実施,セミナー・講演会・研修会の企画・運営又は開催,電子出版物の提供」を指定商品及び指定役務として、平成19年3月23日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同年12月26日付け手続補正書により、第9類「テストの分析及び診断に使用されるコンピュータプログラム,テストの分析及び診断に使用されるコンピュータプログラムを記録させたCD−ROM,電子出版物」及び第41類「セミナー・講演会・研修会の企画・運営又は開催,電子出版物の提供」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、当該商標権は、現に有効に存続している。
(1)登録第5127821号商標(以下「引用商標1」という。)は、「chicon」の欧文字及び「シコン」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成19年2月1日登録出願、第9類「レーザー光発生装置(医療用のものを除く。),光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同20年4月11日に設定登録されたものである。
(2)登録第5127822号商標(以下「引用商標2」という。)は、「chicon」の欧文字を横書きしてなり、平成19年2月1日登録出願、第9類「レーザー光発生装置(医療用のものを除く。),光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同20年4月11日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「四魂」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「シコン」又は「ヨンコン」の称呼が生ずるものであり、また、その字義からして「四つの魂」程の意味合いを認識させるものといえる。
(2)引用商標1について
引用商標1は、前記2(1)のとおり、「chicon」及び「シコン」の文字とを上下二段に書してなるところ、一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、当該欧文字部分が通常の知識・理解力をもっては直ちに正確に判読し難い場合、あるいは、一定の称呼を生じない造語の場合などにあって、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、仮名文字部分より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。
そうとすれば、引用商標1は、「シコン」の称呼のみを生ずるものであり、また、これよりは直ちに特定の観念を生じさせないものである。
(3)本願商標と引用商標1との類否について
本願商標と引用商標1とを対比すると、両者は、外観において相違し、観念については比較し得ないとしても、「シコン」の称呼を共通にするものであるから、なお称呼において類似する商標というべきであり、かつ、本願の指定商品中の「テストの分析及び診断に使用されるコンピュータプログラム,テストの分析及び診断に使用されるコンピュータプログラムを記録させたCD−ROM」は、引用商標1に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれるものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものというべきである。
(4)請求人の主張について
請求人は、仮に、称呼が同じであるとしても、本願商標の「四魂」は神道上人間の特性を四分割した概念を示すのに対し引用商標1はこのような概念を示すものではなく、観念上まったく異なり、また、本願商標は「四魂」と2つの漢字から構成されるのに対し、引用商標1はアルファベットとカタカナで構成されており外観上もまったく異なる旨主張する。
しかしながら、一般に、商品の商取引においては、商品に使用される商標が極めて特殊な態様の文字や特徴的な図形からなるものであるような場合を除き、通常の文字からなる商標、とりわけ既成の観念を想起せしめない文字のみからなる商標にあっては、その文字から生ずる称呼をもって取引がなされるのが通常といえる。そして、本願の指定商品を取り扱う分野において、商標の称呼よりもむしろ外観や観念を重視して取引される特殊事情があるものとも認められず、請求人もその主張を裏付ける証左を何ら示していない。加えて、本願の指定商品を取り扱う分野において、電話等の口頭による商取引が全く行われていない等の、特殊な取引の実情があるものとも認められないから、称呼が共通であることを理由に引用商標1と類似するものと判断することは必ずしも不合理とはいえない。
さらに、請求人は、指定商品の類否について、本願商標の指定商品は、極めて限定的なものであって、その取引者、需要者が、引用商標1の広範な指定商品を取り扱う分野における取引者、需要者と重複することは想定し難い旨主張するが、その主張を裏付ける具体的な証左も何ら提出されていない。
そして、前記のとおり、本願の指定商品中の「テストの分析及び診断に使用されるコンピュータプログラム,テストの分析及び診断に使用されるコンピュータプログラムを記録させたCD−ROM」は、引用商標1に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれるものであるから、本願商標と引用商標1とを同一又は類似する商品に使用した場合には、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあることを否定することはできないというべきである。
よって、以上の点に関する請求人の主張は採用することができない。
(5)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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