結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−301658(T2007−301658/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4810417号商標(以下「本件商標」という。)は、平成16年2月26日に登録出願、別掲のとおりの欧文字「MIRAI」と矢印様の幾何的図形とを結合した構成よりなり、第6類「金属製建具,金庫」ほか、この類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年10月15日に設定登録されたものである。
そして、本件審判請求の予告登録は、平成20年1月8日にされている。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中「金属製建具,金庫」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存在しないから商標法第50条第1項の規定により、取消されるべきものである。
(1)「建具」とは、「戸・障子・襖など、すべて室を区切るために取り付けて開閉するもの」(甲第1号証)であるから、指定商品「金属製建具」とは、それらを金属で製造したものである。
(2)これに対し、被請求人のいう「金属製受棚」は、金属製であっても「建具」ではない。また「金属製収納箱」も「建具」ではないから、たとえこれに使用しているとしても、指定商品「金属製建具」について使用していることにはならない。
(3)したがって、被請求人は、指定商品「金属製建具」について本件商標の使用を証明したとはいえないし、また、使用をしていないことについて正当な理由を明らかにしたともいえないから、被請求人の主張は成り立たない。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証(枝番号を含む。)を提出した。
商標権者(被請求人)は、本件商標を本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、その取消の請求に係る指定商品中「金属製建具」について現に使用している。
(1)本件商標の使用の事実を示す資料として、商標権者が発行するカタログ「2007〜2008電材総合カタログ」(乙第1号証)を提出する。
乙第1号証の表紙及び裏表紙には、本件商標が使用されており、その870頁がら965頁には、ケーブル等を載置するための「金属製受棚」が掲載されている。そして、各頁には本件商標が使用されている。
(2)被請求人は、「金属製受棚」等を指定商品とする登録商標(乙第2号証ないし乙第7号証)を所有しており、これらの指定商品には、第6類「敷設ケーブル・電線・配管等の金属製載置・保持専用棚,その他の建築用又は構築用の金属製専用材料」(登録第4323210号:乙第2号証)、第6類「敷設ケーブル・電線・配管用金属製載置・保持専用棚,その他の建築用又は構築用の金属製専用材料」(登録第4323211号:乙第3号証、登録第4323212号:乙第4号証、登録第4537558号:乙第7号証)、第6類「空調配管材用金属製受棚」(登録第4327837号:乙第5号証)及び第6類「金属製の吊り受棚」(登録第4436726号:乙第6号証)等を指定して、かつ、乙第2号証ないし乙第7号証には、登録出願時に商品使用説明書を添付し、商品を明確した上で登録されており、類似群コードとして「20A01」が付与されている。
そして、第6類の「20A01」は、類似商品・役務審査基準(乙第8号証)によれば、「金属製建具 金庫」である。
このことから、乙第1号証に掲載された「金属製受棚」は、「金属製建具」の範疇に属する商品である。
(3)さらに、本件商標の使用の事実を示す資料として、被請求人が発行するカタログ「2007−2008管材総合カタログvol.9」(乙第9号証)提出する。
この乙第9号証の表紙及び裏表紙には、本件商標が使用されており、その34頁から35頁には、ヘッダーを収納するための「金属製収納箱」が掲載されている。
ところで、特許庁電子図書館の商標検索の商品・役務名リストにて区分「6」類似群コード「20A01」で検索すると「金属製収納箱」が検索できる(乙第10号証)。
そして、第6類の「20A01」は、類似商品・役務審査基準(乙第8号証)によれば、「金属製建具 金庫」であり、乙第9号証に掲載された「金属製収納箱」は「金属製建具」の範疇に属する商品である。
(4)乙第1号証及び乙第9号証から、本件商標が本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品中の「金属製建具」 について使用されていたことは明白である。
(1)「金属製受具」や「金属製収納箱」は、請求人がいう「戸・障子・襖など、すべての室を区切るために取り付けて開閉するもの」としての「建具」でないことは被請求人も認めるところである。
しかしながら、第6類「20A01」には、「金属製建具,金庫」の他にも、特許庁IPDLの検索結果(乙第10号証)に示すように、 「19インチサイズの金属製家具用収納箱」、「たる用金属製スタンド」、「金属製ベッドの付属品」、「金属製機器架台」、「金属製万力作業台」、「食品用金属製収容箱」が属している。
すなわち、指定商品「金属製建具,金庫」には、「戸・障子・襖など、すべての室を区切るために取り付けて開閉するもの」以外の商品も属している。
ここで、乙第2号証の1、乙第3号証の1、乙第4号証の1、乙第6号証の1、乙第7号証の1として出願書類を提出する。
このように、これら乙第2号証から乙第4号証、乙第6号証、乙第7号証は、出願時に商品使用説明書を添付し、商品の内容及び範囲を明確にした上で登録されている。
そして、「金属製受棚」には、類似群コード「20A01」が付与されている。
したがって、「金属製受棚」は、「金属製建具,金庫」に属する商品である。
(2)また、乙第9号証に示す「金属製収納箱」は、乙第10号証に示すように第6類「20A01」であり、本件審判の取消請求の対象である「金属製建具,金庫」に属する商品である。
(3)乙第1号証及び乙第9号証から、本件商標が本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品中「金属製建具,金庫」について使用されていたことは明白である。
本件審判請求は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「金属製建具,金庫」についての取消を求めるものであるところ、本件の争点は、被請求人の主張に係る乙第1号証に掲載されたものと述べる「金属製受棚」及び乙第9号証に掲載された「金属製収納箱」(以下、これらの商品を「使用商品」という。)が取消請求に係る商品の一である「金属製建具」についての使用であるか否かについて争うものであるが、登録商標の使用、使用時期及び使用者などについては特に争うところはない。
そこで、商品カタログ(乙第1号証及び乙第9号証)に掲載された使用商品が取消請求に係る商品についての使用であるかについて検討する。
(1)広辞苑(甲第1号証)によれば、「建具」とは、「戸・障子・襖など、すべて室を区切るために取り付けて開閉するもの」と解説されている。
そして、建具には材質から分類すれば、木製、金属製及びプラスチック製の商品が流通しているものであり、取消請求に係る「金属製建具」とは、スチールサッシ、アルミサッシ及びスチールドア等の商品といって差し支えないものである。
(2)そこで、「2007〜2008電材総合カタログ」(乙第1号証)、「2007−2008管材総合カタログvol.9」(乙第9号証)及び出願時の商品使用説明書(乙第2号証の1ないし乙第7号証の1)をみるに、これら商品カタログ等から、その掲載商品が、天井にケーブル等を配線するために使用されるものであって、天井に配線するケーブル等を吊りボルト等によって設置、保持するための棚であり、また、戸建て住宅屋外(壁面)の給水給湯部材のヘッダーの固定及び保護するために使用する「ヘッダーボックス」であると認められるから、「金属製建具」に係る商品カタログ類であるとみることはできない。
そうすると、「2007〜2008電材総合カタログ」(乙第1号証)及び「2007−2008管材総合カタログvol.9」(乙第9号証)からは、ケーブル等を設置するための「金属製受棚」及び給水給湯部材のヘッダーを収納するための「金属製収納箱」について、これらが上述の如きの室を区切るために取り付けて開閉することをその用途、目的及び機能等とする商品、すなわち「金属製建具」の範ちゅうに属するものということはできない。
(1)被請求人が述べるとおり、類似商品・役務審査基準(乙第8号証)によれば、第6類「金属製建具 金庫」は、類似群コード「20A01」である。
しかし、該類似群コード「20A01」は、「金属製建具」のみに付与された固有の類似群コードでないことは、「金庫」と共に四角カッコ(類似商品群を示す)内に例示されていることや、該四角カッコの右下段の[ ]内に「第11類 第14類 第19類 第20類」と表示されているように、該類似群コードは「金属製建具」以外の商品にも付与されるものである。
そして、「金属製建具 金庫」には、その下位概念に使用商品を含むことを明示しているものでもない。
そもそも、類似群コード「20A01」は、国際分類採用前(平成3年政令第299号による商標法施行令以前の区分:以下「旧区分」という。)の旧区分第20類に属する「家具 建具」を指定商品とする商品に付与されていたものであり、現行の類似商品・役務審査基準も継続して同様な運用がされているものである。
また、類似商品・役務審査基準においては、四角カッコで囲った見出しの商品に含まれるものは、原則として、互いに類似商品であると「推定」するに止まるものである。
したがって、「金属製建具 金庫」と使用商品とは、たとえ、同一の類似群コード「20A01」が付与された類似する商品であるとしても、使用商品は、上記1(12)のとおり、登録商標の使用権の範囲にある指定商品とは認められず、取消請求に係る商品を使用していることにはならないというべきである。
(2)また、第6類「金属製の吊り受棚」(登録第4436726号)に類似群コード「20A01」が付与されているとしても、これは、一審査官の判断により、審査用(検索用)データ等として便宜的に付与されるに過ぎないものである。
そして、第6類「敷設ケーブル・電線・配管等の金属製載置・保持専用棚,その他の建築用又は構築用の金属製専用材料」(登録第4323210号)、第6類「敷設ケーブル・電線・配管用金属製載置・保持専用棚,その他の建築用又は構築用の金属製専用材料」(登録第4323211号、登録第4323212号、登録第4537558号)、第6類「空調配管材用金属製受棚」(登録第4327837号)には、類似群コード「07A01」が付与されており、登録第4327837号の指定商品以外は、「その他の建築用又は構築用の金属製専用材料」と包括概念の商品名の表示がされていることから、使用商品は、「建築用又は構築用の金属製専用材料」の範ちゅうに属する商品であると認められている。
(3)そうすると、ケーブル等を設置するための「金属製受棚」や、給水給湯部材のヘッダーを収納するための「金属製収納箱」に類似群コード「20A01」が付与されていても、これが直ちに「金属製建具」の範疇に属する商品であることを裏付けるものということはできないから、この点からも被請求人の主張を採用することはできない。
以上のとおり、被請求人が本件商標の使用を述べるケーブル等を設置するための金属製受棚、及び給水給湯部材のヘッダーを収納するための金属製収納箱なる商品が、該商品カタログ(乙第1号証及び乙第9号証)の体裁や掲載商品等、すなわち、その用途、目的及び機能などからして「金属製建具」に係る商品カタログ類であるとみるのは困難であるから、その使用をもって、本件商標をその取消請求に係る商品「金属製建具,金庫」について使用するものということはできない。
このほかに被請求人の主張をもって、本件商標の指定商品中、その取消請求に係る商品についての使用を証明されていない。その他、前記認定を覆すに足りる証拠はない。
してみれば、被請求人は、本件審判の請求前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その指定商品中「金属製建具,金庫」について、本件商標の使用をしていたことを証明し得たということはできない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。