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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用準備

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2008−300021(T2008−300021/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4074433号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4074433号商標(以下「本件商標」という。)は、平成7年5月22日に登録出願、「オーガニックハウス」の片仮名文字を横書きしてなり、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,一般廃棄物の収集及び処分,産業廃棄物の収集及び処分,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,栄養の指導」を指定役務として、同9年10月24日に設定登録されたものである。そして、当該商標権は、同19年8月21日に存続期間の更新登録がされている。

また、本件審判請求の予告登録は、同20年1月29日にされている。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 弁駁の理由

商標法第50条第1項には「商標の使用をしていないときは」商標を取り消すことができると規定されており、そこには「商標の使用の準備」は含まれていない。

また、被請求人(商標権者)は、本件商標の指定役務中、「飲食物の提供」について、使用の準備を具体的に進めているとして、乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。しかし、その事実が仮にあったとしてもそれが、商標法第2条第3項で規定する「使用」のどれにも当てはまらないことは明らかである。

すなわち、「役務の提供に当たり」あるいは「役務の提供の用に」という前提が不可欠で、現実のレストランの開業はおろか、具体的なプラン(場所、開業予定日等々)すら決まっていない段階ではこの前提を全く欠くといわざるを得ない。また、これとは別に、乙第3号証をみても、それはイメージ的なものであり、これを社会通念上、飲食店におけるメニューと見做すことは著しく困難であり、役務「飲食物の提供」との関連性が全くもって希薄である。

第3 被請求人の主張

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。

1 被請求人である商標権者は、既に、本件商標の指定役務のうち、特に「飲食物の提供」について、以下のように、その使用の準備を具体的に進めている。

2 2006年(平成18年)2月2日にM&Fコンサルティングの代表者の篠原直比古と宇都宮のフードコート(食品店街)へ「オーガニックハウス」を店名とする店舗を出店することについて打ち合わせを行い、同年2月24日に前記篠原から市川デザイン研究所の代表者である市川宏幸を紹介してもらい、登録商標「オーガニックハウス」のコンセプトを説明した上で、店舗の具体的なデザインを依頼した。乙第1号証により、上記打合せおよび依頼の日時を証明する。

3 その後、依頼した店舗のデザイン画を2006年(平成18年)4月3日付けで受け取った。それに描かれた店舗には、本件商標の英文字「organichouse」が表示されている。乙第1号証により受取日を、乙第2号証により店舗のデザイン画の作成の事実を証明する。

4 乙第3号証(メニュー)から明らかなとおり、前記2006年4月3日以降に(株)日興社 小川浩と出店の具体的な打ち合わせに入り、同時に、佐藤シェフとともに作成したメニューを前記市川宏幸に作成してもらった。乙第3号証により、前記店舗で提供する飲食物のメニューの具体例を証明する。

5 2007年(平成19年)11月16日に、イオンの入江千恵に別の「オーガニックハウス」の出店を提案した。乙第1号証により、打ち合わせの日付を証明する。

6 以上のように、本件商標「オーガニックハウス」を店名とする店舗を出店する計画を具体的に進めており、それと同時に、乙第4号証から明らかなように、平成19年8月10日に本件商標の商標権の存続期間の更新登録申請をしており、これらの事実から、本件商標の使用準備は最終段階に入っており、取り消しされるべきではない。

第4 当審の判断

本件審判請求は、本件商標について、商標法第50条第1項の規定によりその登録の取消しを求めるものである。そして、該規定による商標登録の取消審判の請求があった場合においては、同条第2項において、その審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについて登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しなければ、その指定役務についての登録の取消しを免れないとし、ただし、その使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしたときは、その指定役務についての登録の取消しをすることができない旨規定している。

1 そこで、被請求人の答弁の趣旨、その理由及び証拠として提出された乙第1号証ないし乙第4号証を検討するに、被請求人は、答弁の理由において、「飲食物の提供」について、2006年2月2日に宇都宮のフードコートへ出店することの打ち合わせを行い、同年2月24日に店舗の具体的なデザインを依頼し、その後、依頼した店舗のデザイン画を2006年4月3日付けで受け取り、さらに、前記2006年4月3日以降に出店の具体的な打ち合わせに入ったこと、及び2007年11月16日に、別の出店を提案したこと等を述べるのみで、本件商標をその取消請求に係る役務について、審判の請求の登録前3年以内に使用していることを立証するところがない。

2 そして、登録商標をその取消請求に係る役務について使用をしていないことの正当な理由は、天災地変等の不可抗力事由その他法的規制等により、商標権者又は使用権者の責に帰すべからざる事由が発生したことがそれに該当すると解されるところ、被請求人(商標権者)は、上記の各店舗の出店について準備中である旨述べて、乙第1号証ないし乙第4号証を提出するに止まり、使用をしていないことについての正当な理由について、具体的な証拠を何ら提出していないし、他にこれを認めるに足る証拠も存しない。

そうすると、審判の請求の登録前3年以内の間に、「飲食物の提供」について営業をすることができなかったという「不使用の責任」を商標権者等の責めに帰することが酷であるとまでの事由が存在するというのは困難であり、むしろ、商標権者の自己都合による事情と認められるから、不使用の正当理由には該当しないものというべきである。

3 以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その取消請求に係る役務に使用されたものとはいえないし、また、本件商標を店名とする店舗を出店する計画を具体的に進めており、その使用準備は最終段階に入っており、取り消されるべきではない旨述べる被請求人の主張は、本件商標を使用していないことの正当な理由、すなわち商標法第50条第2項「ただし書き」の規定に該当するものとは認められない。

結局、被請求人は、本件審判請求に対し、所定の事項の証明をなし得なかったものといわなければならないから。本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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