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Trademark Appeal Case

航空機型式名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−650012(T2008−650012/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「A350」の文字を書してなり、国際登録において指定された第12類及び第28類に属する商品を指定商品として、2005(平成17年)年1月14日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づき、パリ条約第4条による優先権を主張し、同年7月14日を国際登録の日とするものである。

その後、指定商品については、当審における2008(平成20年)年1月30日付で国際登録簿に記録された限定の通報があった結果、第28類に属する商品については全て削除され、第12類「Aircraft and parts thereof,as far as included in this class.」に限定されたものである。

2 原査定の拒絶理由の要旨

原査定は、「本願商標は、『A350』の文字からなるところ、このような標章は、商品の規格、品番等を表すものとして一般に用いられているので、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおりアルファベット1文字「A」と数字「350」を組み合わせた構成からなるところ、様々な産業分野において、自己の製造、販売に係る各種製品について、その製品等の管理又は取引の利便性等の事情から、アルファベットの1文字ないし2文字と数字とを組み合わせた標章が商品の型式又は規格等を表示するための記号、符号として、取引上普通に採択、使用されているのが実情である。

しかしながら、本願の指定商品である「Aircraft and parts thereof」については、その製造、販売に係る事業者及び需要者は極めて限定的であるうえ、商品の特質として、受注生産が基本であり、商品の企画(設計)段階から実際に商品が製造され、受注者に引き渡されるまでには、多大なコストと時間を要するものである。

こうしてみると、商品「航空機」については、一般に取引される商品とはその実態が大きく異なり、機種の選定など、極めて慎重に取引が行われるというのが相当である。

また、本願商標の請求人である「Airbus SAS」(以下、「エアバス社」という。)は、1970年にフランスとドイツの企業連合として設立され、現在はヨーロッパの大手航空・宇宙企業であるEADS(European Aeronautic Defence and Space Company)傘下の企業であり、米国のボーイング社と並ぶ世界有数の航空機製造メーカーとして広く知られるものである。

そして、請求人の製造する航空機には、社名に由来するアルファベット1文字「A」と「300」番台の数字が組み合わされたものが機種の名称として使用されており、例えば「A318」、「A319」、「A320」及び「A321」については、「A320ファミリー」と総称されるなど、1972年に初飛行を行った「A300」から現在に至るまで一貫して「A3○○」(○は数字)が使用されてきていることが認められる。

他方、ボーイング社の航空機には「B7○○」(○は数字)が継続的に使用されてきており、アルファベットと数字を組み合わせた構成からなる標章が、商品の機種名を表すものとして使用されている実情がある。

これらの実情は、例えば、「欧エアバス、1−6月に525機受注」の見出しの下、「欧エアバスは08年1−6月に525機を受注した。・・・内訳は「A320」が335機、「A330」が105機、「A350」が82機、「A380」が3機。」(日刊工業新聞社・流通サービス新聞 2008.7.17 7頁)との記載があり、「日航社長示唆 エアバスに一部切り替え ボーイング納入延期」の見出しの下、「日本航空の西松遥社長は10日、インタビューに応じ、次世代中型機の導入について、米ボーイング社のB787の納入延期を踏まえ、欧州エアバス社が開発中の機種も「考えざるを得ない」と述べ、B787の発注の一部を切り替える可能性を示唆した。日航はB787を55機発注。このうち20機は仮発注で、西松社長は「実際に発注するかどうか決めかねている」と話した。今後B787の引き渡し日程やA350の開発状況を見据えて最終判断する。」(日本工業新聞社・FujiSankei Business i. 2008.4.11 7頁)等の新聞記事の記載からも十分伺われるものである。

そうすると、本願商標「A350」がその指定商品に使用された場合には、これに接する需要者等は、単なる商品の規格、品番等を表すための記号、符号であると理解するものではなく、請求人の製造、販売に係る商品の出所を表示するための商標として認識、把握されるものであり、前記特殊な商品の取引の実情をも総合勘案すると、自他商品の識別標識としての機能を十分に発揮し得るものといわなければならない。

また、当審において職権をもって調査するも、「A350」の文字が本願の指定商品を取り扱う業界において、取引上普通に使用されている事実を発見することはできなかった。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものではなく取り消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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