Trademark Appeal Case
TUMIとTumaの類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900019(T2008−900019/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5083586号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成19年3月29日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,皮革」及び第25類「被服,ベルト,履物」を指定商品として、同年10月12日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(3)とおりである。
(1)登録第2028498号商標は、「TUMI」の欧文字を書してなり、昭和60年2月15日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年3月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4286417号商標は、「TUMI」の欧文字を書してなり、平成10年1月9日に登録出願、第9類、第14類、第16類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年6月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4547020号商標は、「TUMI」の欧文字を標準文字で表してなり、平成10年8月5日に登録出願、第9類、第14類、第16類、第18類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年3月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という。
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「Tuma」の文字からなり、引用商標は、いずれも「TUMI」の文字よりなるところ、本件商標と引用商標とは、4つの英文字中、特に需要者・取引者の注意を引き付ける語頭のアルファベット3文字である「TUM」の部分が全く同一であり、残りの1文字についてのみ相違するものであり、外観上互いに混同するおそれがある、即ち、互いに類似する商標である。
称呼上も、本件商標の称呼が「トゥマ」又は「ツマ」であるのに対し、引用商標の称呼は「トゥミ」又は「ツミ」であり、互いに相紛らわしい。したがって、両商標は称呼上、互いに類似する商標である。
なお、後述するように、申立人の登録商標「TUMI」は日本及び世界各国において周知著名であり、本件商標と、申立人の有する登録商標との相違は、語尾の一文字のみの相違にすぎない。そして、この程度の相違は、それらの商標が同一の出所から提供される一連の商品群について使用されているものであると誤認したり、混同により互いに関連を有するものであると需要者・取引者に想起させるという程度の相違にすぎないものである。
したがって、本件商標は、申立人の先願登録商標との間で需要者・取引者において商品の出所の混同を生じ、取引秩序をいたずらに乱すものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人(トゥミ,インク.)は、本件商標の各指定商品について、「TUMI」という日本国内及びアメリカ合衆国をはじめ多数の外国で世界的に周知著名な商標を有している。さらに、申立人は、「トゥミ」についても日本国内で周知著名な商標を有している。
申立人は、1980年代から日本国内において上記「TUMI」商標(以下「申立人商標1」という。)及び「トゥミ」商標(以下「申立人商標2」という。以下、これらをまとめて「申立人商標」という場合がある。)をかばん類等について使用し始めている。そして、本件商標の登録出願時である 2007年3月29日には、既に「かばん類」などについて日本国内において相当程度知られており、本件商標の登録出願前に既に周知著名であった。
申立人商標1及び申立人商標2の周知著名性について以下に詳述する。
申立人は、日本国において、商標「TUMI」を付したかばん類及びその他の製品を店頭及びインターネットサイトにおいて販売している。「TUMI」の文字をインターネットの検索サイトで検索すると、申立人の商品に関する記述が約320〜490万件程度見つけられる(甲第5号証及び甲第6号証)。また、申立人自身の日本語による公式サイトも開設されている(甲第7号証)。さらに、楽天市場はじめ多数のインターネットモールや個人サイトにおいて申立人の商品が販売されている(甲第8号証及び甲第9号証)。申立人の製品は、機能性に優れており、パソコンや書類等を収納するのに適しているので、特にビジネスパーソンに非常に人気が高い製品である。楽天市場では「TUMI(トゥミ)ビジネスマンの憧れブランド」として紹介され販売されている。また、日経トレンディネットでは、「ビジネスパーソンはなぜTUMIのバッグが好きなのか?」と題してTUMIのバッグの人気の高さを記事にしている(甲第10号証)。
このように、TUMIのバッグはビジネスバッグのトップブランドとして日本国内において周知著名となっている。
また、申立人は、上記登録商標の他にも、以下のとおり、「TUMI」(図案化有り)について多数の登録商標を有し(甲第11号証ないし甲第16号証)、これらの商標「TUMI」の長年の使用により、日本国において申立人商標は、周知著名となっている。
ア 別掲(2)のとおりの構成よりなる登録第4538159号商標
イ 別掲(2)のとおりの構成よりなる登録第4576084号商標
ウ 別掲(2)のとおりの構成よりなる登録第4590513号商標
エ 別掲(3)のとおりの構成よりなる登録第5028795号商標
オ 別掲(4)のとおりの構成よりなる登録第5030534号商標
カ 別掲(5)のとおりの構成よりなる登録第3103215号商標
本件商標は、上述のように、「Tuma」の英文字からなり、第18類「かばん類」等及び第25類「被服」等を指定商品とするものである。
そして、本件商標と申立人商標は、(1)で述べたとおり、外観上及び称呼上、互いに類似する商標である。
以上のとおり、本件商標は、申立人商標と類似しており、しかも、本件商標は、周知著名な申立人商標と同一・類似の商品について使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人商標は、上記にて説明したように、申立人の商標として、かばん類をはじめとするファッション関連の商品の分野で広く一般に知られている。そして、本件商標がその指定商品について使用された場合、かばん類の他、被服、ベルト、履物など同じファッション関連の商品については、販売ルート及び需要者層を共通にするので、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。また、近年、申立人は日本の自動車メーカーと共同して「TUMIバージョン」の特別仕様車を製造販売しており、専用シートカバー、専用フロアマットなどの内装のデザインを提供している(甲第17号証)。このように、申立人の商標「TUMI」は、かばん類だけではなく、様々な製品に使用されており、ライフスタイル・アクセサリーの分野において周知著名であるといえる。
よって、本件商標が、かばん類以外の指定商品について使用された場合も、申立人の商標と混同を生ずるおそれがあるといえる。
本件商標と申立人商標の相違は、語尾の一文字において認められる相違にすぎない。そして、この程度の相違は、それらの商標が同一の出所から提供される一連の商品について使用されている、互いに関連を有するものであると、需要者・取引者に想起させるという程度の相違にすぎないものである。
したがって、本件商標は、申立人の周知著名商標との間で需要者・取引者において商品の出所の混同を生じ、取引秩序をいたずらに乱すものであり、商標法第4条第1項第15号に反し、その登録を取り消されるべきものである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲(1)のとおり、構成中の「m」の文字のみを赤色した「Tuma」の欧文字よりなるものであり、「Tuma」の欧文字自体は英語として特定の語義を有するものではないから、我が国で一般に親しまれているローマ文字風発音方法に倣い「ツマ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、「TUMI」の文字を書してなるところ、「TUMI」の欧文字自体は、本件商標の場合と同様に英語として特定の語義を有するものではないから、我が国で一般に親しまれているローマ文字風発音方法に倣い「ツミ」の称呼を生じ、さらに、申立人の提出に係る甲第5号証ないし甲第8号証によれば、申立人は、「TUMI」の文字からなる商標をかばんなどに使用し、「トゥミ」と称呼されて、相当程度知られているものと認められるから、「トゥミ」の称呼も生じ、特定の観念を生じないものと認められる。
(3)そこで、まず、外観についてみると、本件商標と引用商標とは、ともに欧文字4文字とそれほど多くない字数であって、本件商標が大文字1文字と小文字3文字で、その内の「m」の文字が赤色で、語尾が「a」の文字から構成されているのに対し、引用商標は、全て同色(黒色)の大文字「TUMI」からなり、特に語尾がすっきりした字形といえる「I」の文字で構成されているものであるから、外観上も互いに区別し得る差異を有するものである。
申立人は、「語頭の『TUM』の部分が全く同一で、残りの1文字についてのみ相違するものであるから、外観上、互いに類似する商標である」旨、主張しているが、本件商標と引用商標とは、ともに4文字からなる短い構成にあって、上記の差異により明確に区別できるというのが相当であるから、申立人の主張は採用できない。
次に、称呼についてみると、本件商標より生ずる「ツマ」の称呼と、引用商標より生ずる「ツミ」若しくは「トゥミ」の称呼について検討するに、「ツマ」と「ツミ」若しくは「トゥミ」とは、共に2音という極めて短い音構成からなり、語尾音において母音(a)と(i)を異にし発音上明確に異なる「マ」と「ミ」の差異を有するものであるから、両者をそれぞれ一連に称呼すると、明確に聴別し得るといえるものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、共に特定の語義を有するものではないから、観念においては比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても区別し得るものであるから、類似する商標とはいうことができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでない。
2 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、申立人商標をかばんに使用し、相当程度著名になっていると認められるものの、本件商標と「TUMI」の文字からなる申立人商標1とは、上記1のとおり、称呼、観念及び外観のいずれの点においても区別し得るものであるから、類似する商標とはいえないものである。
また、本件商標と「トゥミ」の文字からなる申立人商標2とは、外観において明らかに相違するものであり、本件商標から生じる「ツマ」の称呼と申立人商標2から生じる「トゥミ」の称呼は類似しないものであり、さらに観念において比較すべくもないから、両者を類似する商標と認めることはできない。
そうとすると、本件商標と申立人商標とは、判然と区別できる別異の商標であり、申立人商標が、かばんなどに使用されて相当程度知られていることを考慮したとしても、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が申立人商標を連想、想起させるものとはいえず、その商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるとはいえないものである。
(4)以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
3 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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