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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900065(T2008−900065/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5092158号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5092158号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示するとおりの構成からなり、平成19年3月23日に登録出願、第25類、第28類、第36類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年11月16日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(7)のとおりであり、現に有効に存続している。

(1)登録第4261741号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ROTARY」の欧文字を標準文字で表してなり、平成9年4月28日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月16日に設定登録されたものである。

(2)登録第1509867号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ROTARY」の欧文字を横書きしてなり、昭和48年4月17日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同57年4月30日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、平成18年2月1日に指定商品を第6類、第8類、第14類、第18類、第21類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(3)登録第4304194号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ROTARY」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月30日に登録出願された商願平4−281739号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同10年5月25日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同11年8月13日に設定登録されたものである。

(4)登録第4702265号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ROTARY」の欧文字を標準文字で表してなり、平成14年11月18日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同15年8月22日に設定登録されたものである。

(5)登録第4660840号商標(以下「引用商標5」という。)は、「ROTARY」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年9月2日に登録出願、第35類、第36類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同15年4月11日に設定登録されたものである。

(6)登録第4311002号商標(以下「引用商標6」という。)は、「ROTARY」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月30日に登録出願された商願平4−281739号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同10年5月25日に登録出願された、商願平10−42814号をもとの商標登録出願とし、さらに、同法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同11年5月21日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年9月3日に設定登録されたものである。

(7)登録第4313478号商標(以下「引用商標7」という。)は、「ROTARY」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月30日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同11年9月10日に設定登録されたものである。

(以下、これらの登録商標をまとめて「引用商標」という。)

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)商標法第3条第1項柱書について

本件商標は、広範な範囲にわたる指定商品・役務を指定しているが、商標権者が本件商標をそれら指定商品・役務の全てについて使用している事実があるか又は近い将来使用する意思があるとは認められない。

商標法第3条第1項柱書は「自己の業務にかかる商品又は役務について使用をする商標」が「商標登録を受けることができる」と規定している以上、商標権者が本件商標を指定商品・役務に使用している事実又は近い将来使用する意思が認められないものについては(本件商標は、この点に合理的な疑義がある)、当該要件を具備せず、取り消されるべきである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「ロータリー」の文字部分を要部とするため「ロータリー」の称呼を生じ、引用商標は、その構成文字より「ロータリー」の称呼を生ずるから、両商標は、「ロータリー」の称呼を共通にする類似の商標であり、両者の指定商品・指定役務も同ー又は類似である。

申立人は、1905年から現在に至るまで100年以上の永きに亘り、広く全世界において、慈善活動を中心とした様々な事業活動を行っており、引用商標は、かかる活動について永年広く使用されてきており、申立人の出所を表示するものとして日本国内においても周知・著名なものとなっている。そして、該「ロータリー」の標章は、申立人の会員を構成する世界各地の「ロータリー・クラブ」の略称としても広く知られており、本件商標の「ロータリーゴルフ倶楽部」は、これとの関連性を強く想起・連想させるものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、申立人の著名な略称「ロータリー」を含み、その承諾を得ていない。しかも、申立人の主たる業務の一つであり、特に著名である第36類「慈善のための募金」を含むものである。

(4)商標法第4条第1項第10号及び第15号について

引用商標は、慈善事業に関する役務の提供を中心に一般に広く知られており、これらと類似する本件商標がその指定商品・指定役務に使用された場合には、商品又は役務の出所について混同を生じさせるおそれがある。

(5)商標法第4条第1項第16号について

本件商標は、一見してゴルフ関連業務にかかるものであることを認識させる「ゴルフ倶楽部」の文字を有するから、その指定商品・役務中、ゴルフ関連業務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。

(6)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項柱書、同法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第16号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第3条第1項柱書について

商標法第3条第1項柱書にいう「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする」とは、現に行っている業務に係る商品又は役務について、現に使用している場合に限らず、将来行う意思がある業務に係る商品又は役務について将来使用する意思を有する場合も含むと解するのが相当である。そして、本件商標権者が将来自己の業務に係る商品又は役務について使用する意思が全くないとみることはできず、また、これを認めるに足りる証拠の提出もない。

したがって、本件商標が商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないということはできない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、これを構成する文字部分は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「ロータリーゴルフクラブ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであって、全体として、一連一体の構成からなる倶楽部名を表したものと容易に理解・認識させるものであり、他に構成中の「ロータリー」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。

そうとすれば、本件商標の文字部分は、その構成全体をもって不可分一体の商標として把握され、「ロータリーゴルフクラブ」の称呼及び該名称の団体名なる観念のみを生ずるものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標から、「ロータリー」の称呼をも生ずるものとし、その上で、両商標が称呼上類似するものとする申立人の主張は採用できない。

その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。

(3)商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号及び同第16号について

上記したとおり、本件商標の文字部分は、その構成全体をもって不可分一体の団体名を表したものと認められるものであり、引用商標あるいは申立人の使用に係る「ROTARY」や「ロータリー(クラブ)」等の標章とは、判然と区別し得る別異の商標というべきものである。しかも、「ROTARY」「ロータリー」の語は、「交通頻繁な市街の交叉点に設けられた交通整理のための円形地帯、回転機、輪転機」等を意味する英語の成語(外来語)語として広く一般に知られ親しまれている語である。

してみれば、本件商標は、他人の名称の著名な略称を含む商標ということはできない。

また、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標及び申立人の使用に係る標章を連想又は想起させるものとは認められず、その商品・役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品・役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

さらに、本件商標は、上記のとおりに解されるものであるから、その指定商品及び指定役務中のいずれの商品及び役務に使用しても、商品の品質あるいは役務の質について誤認を生じさせるおそれは認められない。

(4)まとめ

したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項柱書、同法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第16号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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