Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900091(T2008−900091/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5094718号商標(以下「本件商標」という。)は、「ミナミヘルシーフーズの黒濃烏龍茶」の文字を標準文字で書してなり、平成19年1月9日に登録出願、第30類「烏龍茶」を指定商品として、同年11月30日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
本件商標は、以下の(1)ないし(3)により、その登録を取り消されるべきものである。
(1)商標法第4条第1項第10号該当
本件商標は、その文字部分より「ミナミヘルシーフーズ」及び「黒濃烏龍茶」の称呼、観念が生じ、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の広告・宣伝活動等により著名となった申立人の商品表示(別掲参照)の要部である「黒烏龍茶」(以下「引用商標」という。)と類似の称呼、同一の観念を生じるものであるから、これと類似し、その指定商品は引用商標の商品と同一である。
(2)商標法第4条第1項第15号該当
本件商標は自社名を冠しているが、申立人の商標として著名な引用商標をその一部に使用するものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人と何らかの関係があるものとの誤認を生み、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3) 商標法第4条第1項第19号該当
本件商標は引用商標と類似し、また引用商標が申立人の商標として著名になってから出願されたものであるから、不正の目的を持って使用するものである。また、申立人は、平成19年3月6日に、本件商標権者が使用する商標に関し証拠保全申立を行い、裁判所もこれを全面的に認めた経緯がある。本件商標の登録も申立人商標の著名性を利用しようとする意図があったと推測される。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第10号該当について
ア 本件商標について
本件商標は、「ミナミヘルシーフーズの黒濃烏龍茶」の文字からなるところ、その構成中「ミナミヘルシーフーズ」の文字部分が権利者の名称(略称)を表したものと認められるのに対し、「黒濃烏龍茶」の文字部分は、本件商標の指定商品「烏龍茶」との関係でみれば、普通名称「烏龍茶」に色彩を表す「黒」及び濃度や香りの濃さを表す「濃」を付加して、商品の品質を認識させるに止まる「黒く濃い烏龍茶」の意味合いを表示するにすぎないものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
してみると、前記両部分を格助詞「の」で連結した本件商標は、「ミナミヘルシーフーズノコクノウウーロンチャ」の称呼、あるいは自他商品の識別標識としての機能を果たす「ミナミヘルシーフーズ」の部分から「ミナミヘルシーフーズ」の称呼を生ずるものである。
イ 引用商標について
申立人は、「黒烏龍茶」が、申立人の創造した造語であり、平成18年5月13日より使用し、申立人の商品「烏龍茶」を表示する商標として著名なものとなっている旨主張する。
しかしながら、「黒烏龍茶」の文字は、商品「烏龍茶」との関係でみれば、商品の普通名称に色彩表示である「黒」を付加して、商品の品質を認識させるに止まる「黒い烏龍茶」の意味合いを表示するにすぎないものとみるのが相当であるから、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
そして、申立人提出の甲各号証を徴するに、申立人の商品「烏龍茶」の広告において、引用商標である「黒烏龍茶」の文字は、常に、申立人の代表的出所表示である「サントリー」の文字と共に使用されており、また、申立人の商品が新聞や雑誌に紹介される場合にも、必ず「サントリー黒烏龍茶」と表されている。
そうとすれば、申立人提出の証拠によっては、引用商標が需要者の間において広く認識されるに至っている商標であると認定することはできない。
ウ 商標の類否について
本件商標は、上記アで述べたとおり、「黒濃烏龍茶」の部分が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、他方、引用商標は、「黒烏龍茶」の文字からなるところ、「黒烏龍茶」の文字は、上記イで述べたとおり、商品「烏龍茶」について自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、類否における比較をなし得ないものといわなければならない。
エ 小活
以上のとおり、引用商標は需要者の間において広く認識されるに至っている商標であるということはできず、また、本件商標が引用商標に類似する商標であると判断することもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものということはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当について
上記(1)で述べたとおり、引用商標が申立人の商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されるに至っていると認めることはできない。
また、本件商標と引用商標とは類否における比較をなし得ないものであるから、関連づけてみられることのない全く別異の標章というべきものである。
してみれば、本件商標を指定商品に使用した場合、本件商標の登録時はもとより出願時において、需要者が引用商標を想起し連想して、同商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品と誤認するとは言い難く、商品の出所につき混同するおそれはなかったといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当について
本件商標が引用商標に類似する商標と判断し得ないことは、上記(1)で述べたとおりであり、本条項における「同一又は類似の商標」の要件を充たすものではないから、他の要件(「不正の目的の有無」等)について検討し判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものとは認められない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。