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Trademark Appeal Case

称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900102(T2008−900102/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5096198号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5096198号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成19年4月28日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成19年12月7日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

(1)マスターフーズ株式会社の主張

ア 商標法第4条第1項第15号

本件商標の出願時及び査定時において、「PEDIGREE」及び「ペディグリー」の文字よりなる申立人の商標(以下「申立人商標」という。)は、申立人の業務に係る商品「飼料」について著名となっていたところ、本件商標は、申立人商標と類似するものであるから、本件商標をその指定商品について使用するときは、申立人と何らかの関係を有する者の取扱いに係る業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

イ 商標法第4条第1項第11号

本件商標は、その構成文字より「ペディグリードッグズ」の称呼のほか、単に「ペディグリー」の称呼が生ずる。

したがって、本件商標は、以下に示す引用登録商標と該称呼を共通にする類似の商標である。また、本件商標の指定商品は、引用登録商標の指定商品と同一又は類似の商品を含んでいる。

(ア)登録第4725386号商標は、「ペディグリー」の文字を標準文字で表してなり、平成14年5月10日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年11月14日に設定登録されたものである。

(イ)登録第4161487号商標は、「PEDIGREE」の文字を横書きしてなり、平成8年10月16日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年7月3日に設定登録され、その後、平成20年7月8日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(ウ)登録第2534257号商標は、「PEDIGREE」の文字と「ペディグリー」の文字を二段に横書きしてなり、平成3年2月7日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年5月31日に設定登録され、その後、平成15年1月21日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成15年6月4日に、指定商品を第20類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。

(エ)登録第2166760号商標は、「PEDIGREE」の文字を横書きしてなり、昭和62年1月12日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年8月31日に設定登録され、その後、平成11年9月7日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(オ)登録第4179544号商標は、「PEDIGREE」の文字を横書きしてなり、平成8年10月16日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年8月21日に設定登録され、その後、平成20年8月12日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(カ)登録第4192627号商標は、「PEDIGREE」の文字を横書きしてなり、平成8年10月16日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年10月2日に設定登録され、その後、平成20年10月7日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(キ)登録第4196089号商標は、「PEDIGREE」の文字を横書きしてなり、平成8年10月16日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年10月9日に設定登録され、その後、平成20年10月7日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(ク)登録第4209951号商標は、「PEDIGREE」の文字を横書きしてなり、平成8年10月16日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年11月13日に設定登録されたものである。

(ケ)登録第4349982号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成9年10月14日に登録出願、第6類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成12年1月14日に設定登録されたものである。

(上記(ア)〜(ケ)の登録商標をまとめて、以下「引用商標1」という。)

ウ したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

(2)シピー デザインの主張

ア 本件商標は、以下に示す引用登録商標と外観において類似し、かつ、「スカーフを巻いた小型又は中型の犬」の観念を共通にする類似の商標である。また、本件商標の指定商品は、引用登録商標の指定商品と同一又は類似の商品を含んでいる。

(ア)登録第4737105号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成13年4月12日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年12月26日に設定登録されたものである。

(イ)登録第4953929号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成16年5月13日に登録出願、第3類、第16類、第24類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年5月19日に設定登録されたものである。

イ したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)マスターフーズ株式会社の主張について

ア 商標法第4条第1項第15号

甲第3号証ないし甲第15号証の3、甲第17号証の1ないし甲第28号証を総合すれば、申立人商標は、申立人の業務に係る商品「飼料(ペットフード)」について使用され、本件商標の登録出願前より、我が国のペット関連の商品分野の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認め得るところであり、その著名性は、本件商標の登録査定時においても継続していたものといえる。

ところで、本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の「PEDIGREE DOGS」の文字部分は、同一の書体をもって、同一の大きさで外観上まとまりよく表されているばかりでなく、上段の犬の図形と相俟って、構成全体として、「血統書付きの犬」なる意味合いを想起させるものといえるから、該文字部分より「PEDIGREE」の文字部分のみを分離、抽出して、観察すべきものではない。

そうすると、本件商標は、その構成中の「PEDIGREE」の文字部分のみが独立して把握、認識されるということはできない。

さらに、本件商標の指定商品は、前記1のとおり、「被服」等、身にまとう商品であり、申立人商標が使用される「飼料(ペットフード)」とは、商品の用途、品質、原材料等を著しく異にするばかりでなく、その生産者、販売場所等取引系統をも大きく相違する商品といえるものである。加えて、「pedigree」が「家系、血統、(純血種の動物の)血統書」等を意味する一般的な英語(甲第16号証)であり、格別に高い独創性がある語ではないことも併せ、総合的に判断すると、「被服」等の主たる需要者である一般の消費者が本件商標に接した場合に、その構成中に、「飼料(ペットフード)」について使用される「PEDIGREE」の文字部分を有することのみをもって、申立人商標を直ちに想起又は連想し、本件商標を使用した商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは、社会通念からみても到底認められるものではない。

したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。

イ 商標法第4条第1項第11号

本件商標は、前記ア認定のとおり、その構成中の「PEDIGREE」の文字部分のみが独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮するものではない。

そうすると、本件商標よりその構成中の「PEDIGREE」の文字部分のみを分離、抽出し、本件商標と引用商標1とが称呼において類似する商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあり理由がない。

その他、本件商標と引用商標1とを類似の商標とみるべき理由は見出せない。

したがって、本件商標と引用商標1は、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)シピー デザインの主張について

ア 外観の類否

本件商標は、別掲(1)のとおり、犬の図形と「PEDIGREE DOGS」の文字とを結合した構成よりなるものであるところ、その構成中の犬の図形部分は、左向きに静止した状態の犬を黒塗りで表し、耳の下から口にかけてやや細長く、口の先端は丸みを帯びている。また、尻尾は上向きであり、先端にいくに従い細くなるように描かれ、足の先端もやや丸みを帯びて描かれ、全体として柔らかみを感じさせるものである。さらに、首には、灰色で塗られた帯状のものが巻かれ、首の後部で結ばれたように、蝶形の結び目があるところ、上記首に巻かれた帯状のものは、首の周りの太さが一定に保たれ、かつ、結び目の状態からこれがスカーフであると直ちに理解させるものとは認め難いところである。そして、本件商標は、前記(1)ア認定のとおり、「血統書付きの犬」なる意味合いを想起させる「PEDIGREE DOGS」の文字とその意味合いの対象となる犬の図形とが一体となって、構成全体として一つの商標を表したと認識されるとみるのが相当である。

一方、引用商標2は、右に向かって歩いている状態の犬を黒塗りで表してなるものであるところ、2つの耳は尖って描かれ、また、口の先端、尻尾の先端、あるいは足の先は、いずれも直線的に角張って描かれ、構成全体が一種漫画風に表現されているものといえる。また、首には、胸部に掛かる三角形様の形状及び首の後部にある柔らかい布を結んだような結び目の状態から、黒と白で配色されたスカーフが巻かれているものとみるのが相当である。

引用商標3は、引用商標2とほとんど同一の図形と認められるが、首に巻かれたスカーフの配色において、引用商標2のスカーフに比べ黒が勝っているものである。

以上によれば、本件商標と引用商標2及び3は、図形と文字との結合商標であるか、又は、図形のみの商標であるかの差異に加え、本件商標中の犬の図形と引用商標2及び3とを比較したとしても、看者に与える構成全体の印象において大きく相違するものであるから、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上互いに見誤るおそれはないというべきである。

イ 称呼及び観念の類否

本件商標中の犬の図形は、いかなる種類の犬を表したものであるか直ちには理解され難いところであるから、本件商標に接する需要者は、「PEDIGREE DOGS」の文字部分を捉えて、これより生ずる「ペディグリードッグズ」の称呼及び「血統書付きの犬」なる観念をもって、商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。

そうすると、本件商標は、その構成文字より、「ペディグリードッグズ」の称呼及び「血統書付きの犬」なる観念を生ずるものであって、前記(ア)認定のとおり、犬の首に巻かれているものがスカーフであるとは理解されないところから、申立人が主張する「スカーフを巻いた小型又は中型の犬」の観念は生じないものといわなければならない。

一方、引用商標2及び3は、本件商標の図形部分と同様に、いかなる種類の犬を表したものであるか直ちには理解され難いところであるから、これより特定の称呼、観念を生じないか、あるいは、構成中のスカーフが目立つ態様で描かれているところから、申立人が主張するように、「スカーフを巻いた小型又は中型の犬」の観念が生じ、これより「スカーフヲマイタコガタマタハチュウガタノイヌ」の称呼が生ずる場合もないとはいえない。

以上によれば、本件商標と引用商標2及び3は、称呼上類似する商標とはいえないのみならず、観念においても類似する商標とはいえない。

ウ したがって、本件商標と引用商標2及び3とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(3)むすび

以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第11号に違反してされたものではなく、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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