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Trademark Appeal Case

不使用取消と商標同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第30671号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

商標法第50条の規定により、登録第1862361号商標の指定商品中「電子応用機械器具」についてはその登録は、取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1862361号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和58年7月13日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第11類「しゃ断器、その他の電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、昭和61年5月30日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

(1)請求人は、本件商標の指定商品中「電子応用機械器具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。

本件商標は、本件商標登録後今日に至るまで継続して3年以上、日本国内において指定商品中の「電子応用機械器具」については使用されていない。

また、本件商標の商標権には専用使用権又は通常使用権は登録されていないし、他に商標権者の許諾を受けて指定商品中の「電子応用機械器具」について日本国内において使用している事実も見出し得ない。

したがって、本件商標の登録は商標法第50条の規定により取消を免れないものである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

▲1▼ 被請求人は、答弁書において、被請求人の日本国における商品販売の総代理店として存在する「日本シュネデールエレクトリック株式会社」(本社、東京都渋谷区千駄ケ谷4一14一4SKビル千駄ケ谷3F、大阪支社、大阪府吹田市南吹田5一27一23)が、2年おきに一回づつ得意先に配布している製品カタログの抜粋及び見積書の写しを提出した。

▲2▼ 被請求人が使用に係る商標として示すものは、乙第1号証の1及び乙第2号証の1及び2に示すとおりのものである。

しかして、本件商標と使用に係る商標との同一性は、次に述べる理由により認められない。即ち、本件商標は甲第1号証の1に示すとおり、円と半円形の組合せ図形を配し、その右側に「multi9」の欧文字と数字を配したものであるが、使用に係る商標は「Multi9 system」、「MCB/Multi9」及び「Multi9/MCB」の構成により使用されたものである。

▲3▼ 上記事実によれば、本件商標は図形と文字・数字の結合商標であることが認められるから、そのいづれかを欠落させた、文字・数字部分あるいは図形部分のみの構成は、本件商標と社会通念上同一のものとは認められないこと明らかであるばかりでなく、使用に係る商標は、「Multi9」と「system」又は「MCB」と「Multi9」との結合であり、本件商標と社会通念上の同一性は認められない。

▲4▼ 乙第1号証の1に関しては、「Asia Catalog」の表示が示され、その内容はすべて英文表記であり、英語がわが国の通用語ではない以上、これがわが国で配布された事実を認めることが出来ないものであり、したがって、使用事実の立証資料としては容認し得ない。仮に、わが国で配布されたカタログであると仮定しても、次の理由により請求の趣旨に示す不使用取消審判の対象たる「電子応用機械器具」に包含されていない商品についてのものである。

(イ)乙第1号証の2

このカタログに示された商品は、回路を開いたり閉じたりする目的に使用される「スイッチ」であり、商品「電気通信機械器具」に属するものと思われる。

(口)乙第1号証の3及び4

このカタログに示された商品は、「......switch」と表示されているものであり、その内容はいずれも「電気通信機械器具」に属する商品と思われる。

(ハ)乙第1号証の5

このカタログに示された商品「transformer」(電力変圧器)は、商品「配電用または制御用機械器具」の範疇に示されているものである。

(二)乙第1号証の6

このカタログに示された商品中の「VLT digital voltmeter(電圧計)」は、「電気磁気測定器」の範疇に包含されていることが認められる。

また、「CMV voltmeter selector switch」は、「電気磁気測定器の部品」若しくは「電気通信機械器具」に属するものと思われる。

また、「FREQ frequency meter(周波数計)」は、「電気磁気測定器」の範疇に包含されていることが認められる。

更に、「AMP digital ammeter(電流計)」は、「電気磁気測定器」の範疇に属することが認められる。

▲5▼ 次に、乙第2号の1ないし3として提出された「見積書」は、いずれも本件商標と同一性を有する商標の使用とは認めることができず、また、そこに示された品名及び規格の欄等からは、不使用取消審判に係る商品「電子応用機械器具」に属する商品であることが確認できない。

(イ)乙第2号証の1

この見積書に示された「品名及び規格」等の欄からは、「電子応用機械器具」に属する商品であることが確認できない。

(口)乙第2号証の2

この見積書に示された「品名及び規格」の欄の表示「Circuit breakers(遮断機)」は、「配電用または制御用機械器具」の範疇に属することが認められる。

(ハ)乙第2号証の3

この見積書に示された「品名及び規格」の欄の表示「C60N 2P 6A一Bカーブ 20KA,C32H DC 2P 6A一Uカーブ 20KA」及び「...switch」は、いづれも「電気通信機械器具」の範疇に属するものと思われる。

▲6▼ 以上に述べたとおり、被請求人が本件商標の使用の事実を立証するものとして提出した乙第1号証及び乙第2号証は、使用に係る商標が相違するばかりでなく、使用に係る商品も請求の趣旨に示す商品について使用した事実を立証するものではないから、商標法第50条第1項の規定により、請求の趣旨のとおりの審決を求める次第である。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第2号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)請求人は、本件商標の指定商品中、第11類「電子応用機械器具」について、不使用につきその取消しを求めた。

(2)社団法人発明協会発行の類似商品審査基準、昭和56年1月30日発行の改定第5版によると、商品区分第11類は四つの副分類に区分されており、その内、電子応用機械器具に属する商品はさらに、一、電子応用機械器具 二、電子管 三、半導体素子 四、電子回路の四つに分けられている。この内さらに「一、電子応用機械器具」に属する商品の例示としては次のもが列挙されている。

産業用X線機械器具、産業用べータートロン、水中聴音機械器具、地震探鉱機械器具、超音波応用測深器、超音波応用探知機、超音波応用探傷器、磁気探知機、磁気探鉱機、電子計算機、電子顕微鏡、サイクロトロン、ガイガー計数器、高周波ミシン、電子応用扉自動開閉装置、電子式卓上計算機、電子応用静電複写機

(3)被請求人の日本国における商品販売の総代理店として次の系列会社が存在している。

日本シュネデールエレクトリック株式会社

本社 東京都渋谷区千駄ヶ谷4−14−4 SKビル千駄ヶ谷3F

大阪支社 大阪府吹田市南吹田5−27−23

(4)乙第一号証の一ないし六は、上記シュネデールエレクトリック株式会社が、2年おきに一回づつ得意先に配付している製品カタログの抜粋写しである。

(5)乙第一号証の一は、同カタログの表紙であり、本件商標の要部“MULTI 9”が表示されている。

乙第一号証の二は、「ディジタル タイムスッチ」を示す。

乙第一号証の三は、「光感光性スイッチ」を示す。

乙第一号証の四は、「移動体検出制御スイッチ」を示す。

乙第一号証の五は、「時間カウンタ付消費電力変圧器」を示す。

乙第一号証の六は、「各種ディジタル機器」を示す。

以上の各機器は、前記審査基準に特定の商品名は列挙されていないが、第11類「電子応用機械器具」に属するものと思われる。

(6)なお、本カタログには本件商品の要部のみが示されているが、94/95版カタログには、本件商標と同じ標章が示されている。

以上の行為は商標法第2条第3項第3号に言う「商品に関する広告、定価表又は取引書類に標章を附して展示し又は頒布する行為」に該当する本商標の使用に他ならない。

(7)乙第二号証の一ないし三は、過去3年以内における本件商標の商品の取引関係書類を参照として示すものである。

よって、答弁の趣旨のとおりの審決を求めるものである。

4 当審の判断

商標法第50条による商標登録の取り消し審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明確にしない限り、その登録の取り消しを免れない。

そこで、本件審判において被請求人より提出された乙第1号証の1ないし6及び乙第2号証の1ないし3についてみるに、乙第1号証の1ないし6は、被請求人の系列会社(日本における商品販売の総代理店)が得意先に配布する製品カタログと認められるところ、本件商標は、別紙に示したとおり図形と文字の組み合わせよりなるのに対し、そのカタログの表紙と認められる書面(乙第1号証の1)には「Multi 9 system」の文字が表示されているのみで、本件商標を構成する図形はどこにも表示されていないものである。

また、乙第2号証の1ないし3は、上記した系列会社が各得意先に宛てた見積書(写し)と認められるところ、品名欄に「MCB/Multi 9」または「Multi 9/MCB」と表示されているが、本件商標を構成する図形は表示されていないものである。

したがって、これらの証拠によっては、本件商標が使用されているものと認められない。

加えて、上記のカタログに掲載されている商品は、「digital time switch」「control switch」等「......switch」と表示のある商品あるいは「transformer」(電力変圧器)、「voltmeter」(電圧計)等であって、これら使用に係る商品は、いずれも本件取消請求に係る「電子応用機械器具」に属する商品とは認められないものである。

してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人(商標権者)により本件審判の請求に係る商品「電子応用機械器具」について、使用されていたものとは認められず、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったものとは認められない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「電子応用機械器具」についての登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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