Trademark Appeal Case
グリシンリッチの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900211(T2008−900211/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5114590号商標(以下「本件商標」という。)は、「グリシンリッチ」の片仮名文字を書してなり、平成18年1月25日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年12月27日に審決され、同20年2月29日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、カタカナで「グリシンリッチ」と横書きに記載してなるものであるが、「グリシン」の語は、アミノ酸の一種であって、無色で甘味のある結晶体との性質を有するものを表す語であり、「リッチ」の語は、「豊富な」の意味を有する語である。
しかるに、本件商標とその指定商品との関連を鑑みるに、「グリシン」は、化粧水、乳液、美容液、洗顔料等の本件商標の指定商品の原材料として使用されているとともに、「グリシン」の語がこうした成分を表すものとして普通に使用され、認識されているものである。
また、「リッチ」の語が、基礎化粧品等において、「モイスチュアリッチ」、「オイルリッチ」等の例にみられるように、「特定の成分が豊富に配合されること」を意味する語として普通に使用され、認識されていることも明白である(甲第1及び第2号証)。
すなわち、「グリシン」の語と「リッチ」の語からなる本件商標は、これをその指定商品に使用するときは、「グリシンを豊富に配合した商品」を直感させ、単にその指定商品の原材料、品質を表す標章にすぎないものであることから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。また、本件商標を、「グリシンを豊富に配合した商品」以外の指定商品に使用するときは、あたかもその商品が「グリシンを豊富に配合した商品」であるかの如く直感させ、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。
以上の理由により、本件商標は、登録の要件を具備しないものとして、その登録は取り消されるべきものである。
3 当審の判断
本件商標は、前記のとおり、「グリシンリッチ」の文字を同じ書体、同じ大きさ、等間隔に表してなるところ、その構成中の「グリシン」の文字部分がアミノ酸の一種であり、化粧品、せっけんの成分にも含まれている物質であること、及び「リッチ」の文字部分が「金持ちの、裕福な、豊富な」等の意味を有する英語「rich」に由来する語として一般に知られているとしても、これらを組み合わせた「グリシンリッチ」の文字より、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の主張する意味合いを想起し、直ちに商品の具体的な品質等を理解、認識させるものとはいい得ず、むしろ、その構成全体として「グリシンを成分とするもの」ほどの意味合いを暗示させる一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当である。
そして、申立人の提出に係る甲第1及び第2号証を徴するも、甲第1号証の「インターネット打ち出しの抜粋」は、全て打ち出し日が本件商標の審決日(平成19年12月27日)後で、内容中にも商品の発売日(2001年1月1日:3頁、2006年2月1日:5頁、2007/2/20:23頁、2007/10/16:26頁)の日付記載が散見する程度であり、また、その使用例としては「・・・アミノ酸の一種グリシンやリジン」(甲第1号証の一枚目)のように「グリシン」の文字を単独で表示しているか、又は「・・・保湿成分トリメチルグリシン」のごとく具体的成分として表示しているものであって、「グリシンリッチ」の一連の表示は見当たらない。
さらに、甲第2号証のIPDL打ち出し資料の抜粋における先例は、いずれも本件商標とは構成、態様を異にするものである。
してみれば、本件商標は、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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