結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2008−890056(T2008−890056/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4853077号商標(以下「本件商標」という。)は、「PISET」の文字を標準文字で表してなり、平成16年7月1日に登録出願され、第1類「化学品,無機酸類,アルカリ類,無機塩類,酸化物,硫化物,炭化物,水,空気,芳香族,脂肪族,有機ハロゲン化物,アルコール類,フェノール類,エーテル類,アルデヒド類及びケトン類,有機酸及びその塩類,エステル類,窒素化合物,異節環状化合物,炭水化物,アラビヤゴム,クレオソート,しょうのう,しょうのう油,はっかのう,はっか油,ボルネオール,たんぱく質及び酵素,有機りん化合物及び有機ひ素化合物,有機金属化合物,界面活性剤,化学剤,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」及び第7類「金属加工機械器具,金属工作機械器具,金属一次製品製造機械器具,金属二次製品加工機械器具,ガス溶接機,酸素アセチレン溶接切断機,電気溶接機,動力付き手持工具,切削工具,超硬工具,ダイヤモンド工具,金属用金型,鉱山機械器具,土木機械器具,掘削機械,基礎工事機械,整地機械,コンクリート機械,アスファルト舗装機械,しゅんせつ機械,荷役機械器具,化学機械器具」を指定商品として、平成17年4月1日に設定登録されたものである。
引用商標1は、「ハイセット」の片仮名文字及び「HISET」のローマ字を、角ゴシック書体をもって、上下二段に、それぞれ左横書きしてなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和38年7月11日に設定の登録がなされ、その後、4回に亘り商標権の存続期間の更新登録がなされ、平成16年7月14日に、指定商品の書換登録がなされ、平成19年7月30日に、第1類「化学品」、第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤」、第4類「固形潤滑剤」、第19類「タール類及びピッチ類」、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」を指定商品とする商標権(登録第620445号の2)に分割され、現に有効に存続しているものである。
引用商標2は、「ハイセット」の片仮名文字を、角ゴシック書体をもって、一連に左横書きしてなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和60年9月27日に設定の登録がなされ、その後、2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がなされ、平成17年11月24日に、指定商品の書換登録がなされ、平成19年7月30日に、第1類「化学品」、第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤」、第4類「固形潤滑剤」、第19類「タール類及びピッチ類」、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」を指定商品とする商標権(登録第1805405号の2)に分割され、現に有効に存続しているものである。
引用商標3は、「ハイセット」の片仮名文字及び「HISET」のローマ字を、角ゴシック書体をもって、上下二段に、それぞれ左横書きしてなり、第1類「化学品」を指定商品として、平成9年1月31日に設定の登録がなされ、その後、平成18年9月26日に、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。
そのような観点から、本件商標をみるとき、我国において外来語としても知られている、英語の「pipe」(パイプ)、「pilot」(パイロット)、「pioneer」(パイオニア)、「pie」(パイ)、「pile」(パイル)及び「pineapple」(パイナップル)等と、「pi」の部分が、「パイ」(pai)と発音されている事実に徴しても、本件商標からは「パイセット」の称呼を生ずるものであるというを相当とするところである。
一方、各引用商標からは、その構成に徴し、「ハイセット」の称呼を生ずるものであること明らかなところである。
(1)昭和48年審判第9041号(昭和53年11月21日審決)
「ハイアップ」=「パイアップ」(第30類)
【両称呼は、第1音の「ハ」と「パ」以外の音構成を同一にしており、差異音である「ハ」と「パ」は清音と半濁音の差異にすぎないから、両者を全体として一連に称呼するときは、その語韻語調相近似し、互いに聞き誤るおそれのあるものと判断するのが相当である。】
(2)昭和55年審判第7031号(昭和56年10月6日審決)
「パイラック」=「ハイラック/HIGHLAC」(第11類)
【両者は共に促音を含んでの4音の構成音数よりなり、かつ、第2音より末尾音までの配列構成音を全く同一にするものであり、異なるところは第1音が前者は「パ」音、後者は「ハ」音であるところに差異を有するのみのものと認められるところである。
しかして、「ハ」(ha)音と「パ」(pa)音についてみると、「ハ」音は、その子音(h)部分の発音が母音(a)を発音する口構えを作るに先立ち、舌の上面の奥の部分と上あごの一番奥の部分とをせばめて発する摩擦音といわれている該子音と母音「a」との複合した音といわれているものに対し、「パ」音は、その子音(p)部分の発音が上下のくちびるを閉じて発する無声の破裂音といわれている該子音と母音「a」との複合した音といわれているものであるから、その子音部分の発音が異なるこれらの各音を、その1音のみに限って正確に発音する場合には聞き分け得られないこともないではないところの若干異なる音質のものといえないこともないではない清音と半濁音であるけれども、しかしながら、迅速を旨とする取引の草草の間にあって、これら語頭音を含めて末尾音までを一括し連続して一連に称呼する場合には語頭音と雖も清音と半濁音という微差音に過ぎないこれら各音が全体の称呼に及ぼす影響がさほど大きいものともいえず、そうとすれば、前者と後者とは、その全体の称呼において彼此混淆する程度に紛れるおそれのある類似のものといわなければならない。】
(3)昭和53年審判第9465号(昭和54年10月8日審決)
「ぱいぱー」=「HYPER」(第21類)
【両者は共に長音を含む3音からなるうち、第2音以下の「イ」と、長音を伴う「パー」の各音を共通にし、第1音において「パ」と「ハ」の差異を有するにすぎないものである。しかして、該「パ」と「ハ」の音は、その差異が半濁音と清音の差にすぎないものであって近似音であるといえるものであるから、この差異が両称呼の全体に及ぼす影響は決して大きいとはいえないものである。したがって、両称呼は、それぞれ一連に称呼するときは、その全体の語調、語感が近似したものとなって彼此聴き誤られるおそれのあるものと判断するのが相当である。】
(4)昭和57年審判第14514号(平成2年3月29日審決)
「PARTEK」=「ハルテック」(第7類)
【本願商標の構成は「PARTEK」の文字よりなるところ、該文字は特定の意味合いを有しない造語と認められるものであり、更に、構成中後半部の「TEK」の綴り字は英語綴りとしては少なく、独語風綴りとみれることから、これに接する需要者は全体を独語読みに「R」を「ル」と発音して「パルテック」と称呼する場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
両者は語頭において「パ」と「ハ」の差異を有し、他の「ル」「テッ」「ク」の各音を共通配列するものであるところ、上記差異音「パ」と「ハ」は、その調音方法において両唇破裂音と咽腔音との差が認められるとしても共に「ハ」行に類する音であるばかりでなく、母音aを共通にすることから互いに近似するものであって、たとえ、称呼の識別上重要な要素を占める語頭に位置する音であるとしても、他の音を共通にし、また、上記差しか認められない両商標を一連に称呼するとき、その差が全体の称呼に及ぼす影響は極めて少なく、両商標は称呼上紛れるおそれのある商標というべきである。】
(5)昭和51年審判第1409号(昭和53年2月10日審決)
「オノダハロン」=「PALON」(第1類)
【両称呼は、ともに3音より成るものであって、3音中「ロン」の2音を共通にし、語頭において「ハ」と「パ」の差異を有するのみである。しかして、この異なる音にしても母音(a)を同じくする清音と半濁音の微差にすぎないから、両称呼は、夫々を一連に称呼するときは語韻語調が極めて近似し、称呼上彼此相紛れるおそれが充分にある程度のものと認めざるを得ない。】
(6)昭和42年審判第334号(昭和43年10月5日審決)
「ハリス/HARIS」=「パリス/PARIS」(第26類)
【両者は3文字中その語頭において「ハ」と「パ」の清音と半濁音との微差にすぎず、これをそれぞれ一連に称呼するときは、その語韻語調きわめて相紛らわしく、取引上商品の出所について混淆を生ずるおそれあることが充分に認められる。してみれば、ことさらに、観念上の類否を論ずるまでもなく、両商標は称呼上類似するものと認める。】
(7)昭和41年審判第3112号(昭和43年3月8日審決)
「はんみー/ハンミー」=「パンミ/PANMI」(第32類)
【共に3音から成るが、第2音を共通にし、第1音において前者は清音「ハ」、後者はその半濁音「パ」の微差を、又第3音において前者は長音「ミー」後者は短音「ミ」の微差を有するにすぎないものである。
一般に一つの語辞が其の文字どおり常に、何人にも正確に発音されるものとは保し難いものであり、後者の第3音「ミ(MI)」は常に「ミ」の短音においてのみ発音せられるものではなく、語尾にある関係からも訛って「ミー」と伸長されて発音されることのあるのが取引における実験則であることに鑑みれば、両商標をそれぞれ一連に称呼するときは、全体としての語音語調が頗る相紛らわしく、又両商標は、ともに通常意味の不明瞭な造語と推認しうるものであるから、その称呼から受ける相互の印象における差異は必しも明確ではない。したがって両者は互に誤認混同のおそれある称呼上類似のものと認めざるをえない。】
(8)昭和49年審判第10555号(昭和52年8月23日審決)
「PAPILLON」=「ハピロン」(第20類)
【両者は共に4音構成よりなり、いずれもその構成において、それぞれ母音「a」を共通にする半濁音と清音の相違にすぎない比較的近似音を第1音とし、第2音以下の「ピロン」の音を全く同一にすることよりすれば、両者をそれぞれ全体として称呼するときは、その語韻語調相似たものとなり、取引上相紛らわしい類似の商標といわざるを得ない。】
(9)昭和55年審判第1431号(昭和56年7月20日審決)
「ハーティー」=「パーティ」(第33類)
【両者は共に同数の音から構成され、語頭音以外の各音を同じくし、かつ語頭音に長音を伴う点において共通し、異なる語頭音の清音「ハ」と半濁音「パ」とは、誤聴を生ずる可能性の多い相似た音である関係にあるところであるから、これらを一連に称呼するときは、第1音以下がいずれも長音を伴う共通音であることと相俟って全体の語韻、語調が極めて近似するものとなり、草々の間においては彼此聴き誤まられるおそれのある程度のものと判断するのが相当である。】
(10)平成10年審判第16463号(平成12年6月21日審決)
「HARBAL」=「PERBUL/パーバル」(第5類)
【両称呼は、語頭音において「ハ」と「パ」の清音と半濁音の差異を有するほか、他の構成音をすべて共通にするものである。
しかして、「ハ」(ha)音と「パ」(pa)音についてみると、「ハ」音は、両唇を接近させて、その隙間から発する無声摩擦音(h)と母音(a)の結合した音であるのに対し、「パ」音は、両唇の閉鎖による無声破裂音(p)と母音(a)との結合した音といわれているものであり、その子音部分の発音が異なる清音と半濁音の微差にすぎないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調語感が近似し、称呼上相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。】
(11)無効2002−35249号(平成15年1月8日審決)
「HAVERON」=「パブロン ネオ」(第5類)
【語頭音において清音と半濁音の差異はあるが、他の構成音をすべて同じくするため、それぞれを一連に称呼すると互いに紛れて聴取されるおそれがあると認められる。
そうすると、本件商標と引用商標は、その外観などの差異を考慮しても、称呼において紛らわしい類似する商標というべきである。】
(12)昭和46年審判第5900号(昭和48年10月18日審決)
「ハトライト」=「PATOLIGHT/パトライト」(第11類)
【両者は単に語頭において共に母音「ア」を伴う清音「ハ」と半濁音「パ」の微差のみにすぎないから、両者をそれぞれ全体として一連に称呼した場合においては、語韻語調互いに本田粉わしい類似の商標と認めざるをえない。】
したがって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号の規定に基づいて、その登録に係る指定商品中、請求の趣旨に記載の指定商品についての登録は、無効とされるべきものである。
被請求人は、これに対して何ら答弁していない。
本件商標と各引用商標との類否について判断するに、本件商標は、特定の観念を生じない造語と認められるところ、これを我が国で最も親しまれている英語の如くみて、英語風に発音しても不自然な文字構成のものではなく、例えば、「pistol」の文字が「ピストル」と発音され、「piston」の文字が「ピストン」と発音される例に倣い、全体として、「ピセット」の称呼を生ずるというのが相当である。
また、英語の「pipe」の文字が「パイプ」と発音され、「pilot」の文字が「パイロット」と発音され、「pioneer」の文字が「パイオニア」と発音され、「pie」の文字が「パイ」と発音され、「pile」の文字が「パイル」と発音され、「pineapple」の文字が「パイナップル」と発音されることから、本件商標は、全体として、「パイセット」の称呼をも生ずるというのが相当である。
一方、引用商標1及び引用商標3は、「ハイセット」の片仮名文字及び「HISET」の欧文字を、上下二段に書してなるところ、片仮名文字は、欧文字の称呼を特定したものと認められるから、該文字に相応して「ハイセット」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。また、引用商標2は、「ハイセット」の片仮名文字を書してなるから、「ハイセット」の称呼を生ずること明らかである。
また、各引用商標は、特定の観念を生じない造語と認められる。
しかして、本件商標から生ずる「ピセット」の称呼と各引用商標から生ずる「ハイセット」の称呼を比較するに、両者はその構成音数を異にし、「ピ」の音と「ハイ」の音に明らかな差異を有するから、称呼において紛れる虞がないものといわなければならない。
次に、「パイセット」の称呼と「ハイセット」の称呼を比較するに、両者は、共に促音を伴った同数音からなり、第2音以下の「イセット」の音及び配列を同じくし、異なるところは、第1音における「パ」と「ハ」の音の差異にすぎないものである。しかも、該差異音の「パ」と「ハ」の音は、前者が、両唇を合せて破裂させる無声子音[p]と、母音[a]との結合した音節[pa]であるのに対して、後者は、両声帯を接近させ、その間隙から出す無声摩擦音[h]と、母音[a]との結合した音節[ha]であって、その調音方法、発声方法が近似する「ハ」の音の半濁音と清音の差異にすぎないものである。
そして、本件商標から生ずる「パイセット」の称呼と各引用商標から生ずる「ハイセット」の称呼とは、共に後半の「セッ」の音にアクセントがかかり、第1音にはアクセントがかからないのが自然であるから、「パ」と「ハ」の音の差異は、たとえそれが語頭に位置するものであるとしても、両商標が特定の語義、観念を有しない造語と認められることと相まって、称呼全体に及ぼす影響はわずかなものであって、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の音感音調が極めて近似し、相紛らわしいものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標と各引用商標とは、外観において相違し、観念において比較できない点を考慮しても、称呼において類似する商標といわなければならない。
また、本件商標の指定商品中、第1類「化学品,無機酸類,アルカリ類,無機塩類,酸化物,硫化物,炭化物,水,空気,芳香族,脂肪族,有機ハロゲン化物,アルコール類,フェノール類,エーテル類,アルデヒド類及びケトン類,有機酸及びその塩類,エステル類,窒素化合物,異節環状化合物,炭水化物,アラビヤゴム,クレオソート,しょうのう,しょうのう油,はっかのう,はっか油,ボルネオール,たんぱく質及び酵素,有機りん化合物及び有機ひ素化合物,有機金属化合物,界面活性剤,化学剤」は、各引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本件商標の指定商品中、第1類「化学品,無機酸類,アルカリ類,無機塩類,酸化物,硫化物,炭化物,水,空気,芳香族,脂肪族,有機ハロゲン化物,アルコール類,フェノール類,エーテル類,アルデヒド類及びケトン類,有機酸及びその塩類,エステル類,窒素化合物,異節環状化合物,炭水化物,アラビヤゴム,クレオソート,しょうのう,しょうのう油,はっかのう,はっか油,ボルネオール,たんぱく質及び酵素,有機りん化合物及び有機ひ素化合物,有機金属化合物,界面活性剤,化学剤」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、同法第46条第1項第1号により無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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