Trademark Appeal Case
「藤の香り」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−10925(T2008−10925/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「藤の香り」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第5類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年8月10日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審において、同20年2月27日付けの手続補正書により、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用除菌剤,洗濯用抗菌剤,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,身体用消臭剤,身体用芳香消臭剤,その他の化粧品,芳香剤,消臭芳香剤,その他の香料類」及び第5類 「除菌剤(工業用及び洗濯用のものを除く。),抗菌剤(工業用及び洗濯用のものを除く。),消臭剤(工業用及び身体用のものを除く。),芳香消臭剤(工業用及び身体用のものを除く。),その他の薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,乳糖,乳児用粉乳」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『藤の香り』の文字を標準文字で書してなるものであるから、本願商標を、その指定商品中例えば『藤の香りを有するせっけん類・歯磨き・化粧品・芳香剤・消臭芳香剤・その他の香料類・芳香消臭剤』等の『藤の香りを有する商品』に使用するときは、これに接する需要者・取引者は前記意味合いを認識するに止まり、単に商品の品質(香調)を表示したにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成20年9月25日付けで証拠調べの結果を通知した。
4 職権証拠調べに対する請求人の対応
前記「証拠調べ通知」に対して、所定の期間を指定して意見を申し立てる機会を与えたところ、請求人からは何らの意見もない。
5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「藤の香り」を標準文字で表してなるところ、前記3で述べた事実からすれば、「藤の香り」の文字から、「マメ科フジ属の蔓性落葉木本の総称である藤の香り」の意味合いを容易に理解させ、また、「藤の香り」の文字は、前記意味合いをもって、香りの種類の一を表す語として、市場において、各種商品に使用されている実情を窺い知ることが出来るものである。
そして、本願指定商品中には、香りを主とする商品又は香りを付加価値とする商品が含まれているものである。
してみれば、これその指定商品中、「(マメ科フジ属の蔓性落葉木本の総称である)藤の香りを有する洗濯用柔軟剤・洗濯用漂白剤・洗濯用除菌剤・洗濯用抗菌剤・せっけん類・歯磨き・身体用消臭剤・身体用芳香消臭剤・その他の化粧品・芳香剤・消臭芳香剤・その他の香料類・除菌剤(工業用及び洗濯用のものを除く。)・抗菌剤(工業用及び洗濯用のものを除く。)・消臭剤(工業用及び身体用のものを除く。)・芳香消臭剤(工業用及び身体用のものを除く。)・その他の薬剤」等に使用するときは、これに接する取引者、需要者は「藤の香りを有する商品」であると理解し、単に商品の品質を表示したものと認識し、把握するにとどまるというべきであるから、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは認識し得ないものであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
なお、請求人は、当審において、本願商標を構成する「藤の香り」の文字は、「藤色の色彩の美しさ」等、様々な意味合いが想起される造語であって、商品の品質を具体的かつ直接的に表示するものとして、直ちに理解されず、また、「藤の香り」の語が指定商品を取り扱う業界において、取引上普通に使用されているものとはいえない旨、主張すると共に、「香(り)」の文字を含む過去の登録例を挙げている。
しかしながら、上述のとおり「藤の香り」の文字から、「マメ科フジ属の蔓性落葉木本の総称である藤の香り」の意味合いを容易に理解させるとみるのが自然であり、また、該文字が香りの種類の一を表す語として、指定商品を取り扱う市場において普通に使用されていることは、証拠調べ通知書における記載から明らかであるから、本願商標をその指定商品中、香りを主とする商品又は香りを付加価値とする商品に使用するときは、商品の品質を具体的に表示してなるにすぎないものと判断するのが相当である。
さらに、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号及び法第4条第1項第16号に該当するか否かの判断は、当該商標との構成態様と指定商品との関係における、その商品の取引の実情を考慮して、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は査定時又は審決時と解されるべきものであるから、請求人が挙げた商標登録例の存在によって、前記判断は左右されないというべきである。
そうとすれば、請求人の前記いずれの主張も採用することはできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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