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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第15号・第4条第1項第11号「著名図形の類似と混同」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2007−358(T2007−358/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2007−358(T2007−358/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「蟹の水煮及味付の罐詰」
争点(論点)
著名図形の類似と混同
適用条文
第4条第1項第15号・第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2007−358(T2007−358/J1)・不服)は、本件商標と引用商標「蟹の水煮及味付の罐詰」について、商標法第4条第1項第15号・第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「著名図形の類似と混同」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成17年6月23日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同19年3月23日受付けの手続補正書により「かに(生きているものを除く。),かにの缶詰,かにの瓶詰」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由の要旨

原査定は、本願商標を商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号に該当するものとして本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、次の(a)ないし(e)に示す登録商標と同一又は類似であって、その指定商品も同一又は類似するものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(a)登録第394747号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和25年1月11日に登録出願、第45類「蟹の水煮及味付の罐詰」を指定商品として、同25年12月12日に設定登録、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされた後、指定商品については、同14年9月11日に、第29類「蟹の水煮の缶詰,蟹の味付の缶詰」への書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

(b)登録第394749号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、昭和25年1月11日に登録出願、第45類「蟹の水煮及味付の罐詰」を指定商品として、同25年12月12日に設定登録、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされた後、指定商品については、同14年9月11日に、第29類「蟹の水煮の缶詰,蟹の味付の缶詰」への書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

(c)登録第394751号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲4のとおりの構成よりなり、昭和25年1月11日に登録出願、第45類「蟹の水煮及味付の罐詰」を指定商品として、同25年12月12日に設定登録、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされた後、指定商品については、同14年10月2日に、第29類「蟹の水煮の缶詰,蟹の味付の缶詰」への書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

(d)登録第2105477号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲5のとおりの構成よりなり、昭和61年1月23日に登録出願され、第31類「 食塩、ごま塩、すりごま、化学調味料、ホツプ、香辛料、食用油脂、乳製品」を指定商品として、平成1年1月23日に設定登録され、その後、同11年2月16日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

なお、存続期間の満了日である同21年1月23日を経過しているが、抹消の登録はなされていない。

(e)登録第4226145号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲6のとおりの構成よりなり、平成8年9月9日に登録出願、第29類「たらばがに,たらばがにの缶詰・瓶詰」を指定商品として、同11年1月8日に設定登録されたものである。

なお、存続期間の満了日である同21年1月8日を経過しているが、抹消の登録はなされていない。

(2)本願商標は、構成中、蟹の図形が、東京都千代田区有楽町1丁目12番1号所在の株式会社ニチロが「たらばがにの缶詰・瓶詰」等に使用して、需要者間に広く認識されている著名な図形「登録第394747号、同394749、同394751号及び同4226145号」と、酷似する蟹の図形(ハサミ・甲羅・他の足の位置や形状、紅い色彩)を有するものであるから、着想、構図等においてその構成の軌を一にし、時と所を異にするときには、彼此相紛らわしい図形(類似)であり、これをその指定商品に使用するときは、これが恰も前記会社の製造販売に係る商品あるいは、前記会社と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤認し、ひいては商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本願商標の指定商品は、前記1のとおり補正された結果、引用商標4の指定商品と同一又は類似の商品は、すべて削除されたものと認められる。

その結果、本願商標の指定商品は、引用商標4の指定商品と類似しない商品となった。

次に、本願商標と引用商標1ないし引用商標3及び引用商標5との類否について検討するに、本願商標は、別掲のとおり、甲が丸みのある五角形で全身が短いとげ状の突起で覆われており、鋏脚を除いた三対六本の脚を有するたらばがにの特徴を顕著に表してなる図形(以下「蟹の図形」という。)及びそのやや左上部にデザイン化した青色の「CHATKA」の欧文字を赤色で縁取りしたものを配した構成よりなるところ、その構成中、蟹の図形は、当審において提出された請求人の証拠によれば、本願指定商品を取り扱う分野において、商品の原材料を表示するものとして、請求人以外の他人によっても普通に使用されているものであって、それ自体では自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められる。

そうとすると、本願商標において、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は、「CHATKA」の文字部分にあると判断するのが相当である。

他方、引用商標1ないし引用商標3及び引用商標5は、別掲2ないし別掲4及び別掲6のとおりの構成よりなるところ、それぞれの構成中に蟹の図形を有してなるものであるが、これらの蟹の図形についてもそれぞれの指定商品との関係から、商品の品質(原材料)を表示したものと理解され、それ自体では自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められるものであるから、各引用商標において自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は、引用商標1ないし引用商標3においては、構成中の「AKEBONO CRAB」の欧文字部分に、また、引用商標5については、構成中、四角枠の中に「あけぼの」の文字及びその様子を表した太陽と思しき図形及び蟹の図形の上部に描かれたペンギンと氷山からなる図形部分にあるものと判断するのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標1ないし引用商標3及び引用商標5とが、それ自体では自他商品の識別機能を有しない蟹の図形において類似するとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本願商標の構成中の蟹の図形部分は、前記(1)の認定のとおり、自他商品の識別機能を有しないばかりでなく、当審において調査するも本願商標の登録出願時において、引用商標1ないし引用商標3及び引用商標5の蟹の図形が、東京都千代田区有楽町1丁目12番1号所在の株式会社ニチロが、たらばがにの缶詰及びその関連商品に使用して、需要者等の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、「株式会社ニチロ」の業務に係るもの、又は前記会社と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく誤認し、ひいては商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号のいずれにも該当しないものである。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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