結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−300113(T2008−300113/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2523542号商標(以下「本件商標」という。)は、「KADEC」の文字と「カデク」の文字を二段に横書きしてなり、平成2年9月4日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年4月28日に設定登録され、平成15年5月13日に存続期間の更新登録がされ、その後、平成16年1月7日に、指定商品を第9類「理化学機械器具,光学機械器具,測定機械器具」とする指定商品の書換の登録がされたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。なお、本件商標の商標権者は、その設定登録の時点においては、札幌市白石区菊水元町6条3丁目2番21号(後に、札幌市厚別区下野幌テクノパーク1丁目2番11号に表示変更され、その登録が平成18年7月12日にされた。)に所在のコーナシステム株式会社であったが、特定承継による商標権の移転により、札幌市豊平区月寒東二条一丁目3番3号に所在のノースワン株式会社となり、平成20年3月19日に移転の登録がされた。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を「本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。」旨述べた。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
(1)本件商標の商標権者
本件商標の前権利者であったコーナシステム株式会社(以下「コーナシステム」という。)は、平成19年7月24日に破産手続が開始された。本件商標の商標権について、現権利者(被請求人)への移転も、上記手続の過程において、コーナシステムと被請求人との間で任意売却による譲渡が行われたものである。
(2)使用の事実
ア コーナシステムは、本件商標を各種測定装置の商標として使用してきた。
(ア)乙第1号証は、コーナシステムが2006年4月に発行した自社製品のカタログである。このなかで、例えば「全天候型測定データ記録装置(サーミスタ温度・抵抗・電圧)」や「風向風速測定装置」の商標として本件商標ないし本件商標と社会通念上同一の商標の使用がされている事実が示されている。
(イ)乙第2号証及び乙第3号証は、コーナシステムが2007年5月に発行した個別製品に関するカタログである。前者は「水文測定器」であり、後者は「風向風速測定装置」である。
コーナシステムは、上記個別製品のパンフレットを全国の販売店・ユーザ等に配布した。表紙左上部分に「KADEC」の記載が認められる。その後に続く「−U21」の部分は商品の品番等の記号、符号を表したものにすぎない。したがって、上記商標は、本件商標と社会通念上同一である。
(ウ)乙第4号証は、社団法人日本雪氷学会機関誌(2006年10月10日発行)であり、コーナシステムは、該機関誌にレーザー式積雪深測定装置「KADEC21−YUKI」の広告をした。ここにおいても「21−YUKI」部分は商品の品番等の記号、符号を表したものにすぎない。
(エ)乙第5号証は、2006年1月のコーナシステムの年賀状である。コーナシステムは、年賀状に自社製品の広告を掲載しており、その中に本件商標の使用の事実が認められる。なお、ここで掲載されている商品「KADEC−U21シリーズ ネットモデル2<eメール通信モデル>」は、積雪地帯などで無人計測を行う装置に装着する付属品であり、計測データがメールにて受取可能な装置であり、測定機械器具の付属品として位置付けられるものである。
(オ)乙第6号証は、顧客からコーナシステムに宛てた平成19年7月18日付け注文書(写し)である。ここに記載された注文品名「KADEC−PLSII」は、雨量・降雨強度測定装置(乙第1号証88頁)であり、本件商標(ないしはその社会通念上同一の商標)を付して取引されていたことが明らかである。
イ 以上のように、旧商標権者であるコーナシステムは、少なくとも指定商品「測定機械器具」について、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標ないしこれと社会通念上同一の商標の使用を行っていた。
(3)その他
乙第7号証は、被請求人及びその代理人である株式会社岩崎(乙第8号証)から、「KADEC」シリーズの愛用顧客に対して発送された通知(写し)である。この通知において、平成19年7月に、コーナシステムが倒産したこと、平成19年12月に被請求人がKADEC事業に関する商標及び特許の移転を受けたこと、KADEC事業に関する今後の製造、アフターメンテナンスを手掛けること、過去販売分の機器についても通常どおり一年間の保証を継続して行なうこと、が述べられている。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者(コーナシステム)により、その請求に係る指定商品中、少なくとも「第9類 測定機械器具」について使用されていたことが明らかである。
(1)乙第1号証ないし乙第8号証及び答弁の理由によれば、以下の事実が認められる。
ア コーナシステムは、「フィールド計測機械器具」のメーカーであったが、平成19年7月23日に倒産したこと、被請求人は、コーナシステムの事業を承継し、それと共に、本件商標の商標権も譲り受けたこと。本件商標の商標権が被請求人に譲渡された事実は、商標登録原簿によっても認めることができ、前記1のとおり、被請求人への移転の登録が平成20年3月19日にされた。
イ コーナシステムは、その業務に係る各種計測機械器具を掲載した、いわば総合カタログである「KADEC−U21 series/ALL WEATHER DATA RECORDING SYSTEM」(2006年4月現在の商品を掲載)の表紙及びこれに掲載された各種商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示した(乙第1号証)。
また、コーナシステムは、「全天候型測定データ記録装置 KADEC−U21シリーズ/水文測定器〈2007/5〉」(2007年5月現在の商品を掲載)、「全天候型測定データ記録装置 KADEC−U21シリーズ/風向風速測定装置〈2007/5〉」(2007年5月現在の商品を掲載)といった個別商品を掲載したカタログについても、その表紙及びこれに掲載された商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示した(乙第2号証及び乙第3号証)。
さらに、コーナシステムは、社団法人日本雪氷学会北海道支部機関誌「北海道の雪氷」(2006年10月10日発行)や2006年の年賀状に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示した自社製の測定機械器具を掲載して広告をした(乙第4号証及び乙第5号証)。
ウ コーナシステムは、平成19年7月18日に、群馬県前橋市に所在の「有限会社タイプエス」から「KADEC−PLSII」等の注文を受けた(乙第6号証)。なお、該「KADEC−PLSII」なる商品は、乙第1号証(総合カタログ)の88頁に掲載されている「雨量・降雨強度測定装置」と認められる。
(2)前記(1)で認定した事実によれば、本件商標の前商標権者であったコーナシステムは、その業務に係る各種測定機械器具を掲載した総合カタログや個別商品カタログ及びこれらに掲載された商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示し、本件審判の請求の登録(平成20年2月14日)前3年以内である2006年(平成18年)4月及び2007年(平成19年)5月にこれらを発行したこと、また、同期間内に、自社製の測定機械器具の広告をしたこと、さらに、2006年(平成18年)4月に発行された総合カタログに掲載された商品のうち、雨量・降雨強度測定装置について、同期間内である平成19年7月に、日本国内に所在の顧客から注文を受けたことを、それぞれ推認することができる。そして、上記使用に係る商品「測定機械器具」は、本件請求に係る指定商品中に含まれることは明らかである。
してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、(前)商標権者が請求に係る指定商品に含まれる「測定機械器具」について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることができる。
そして、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。