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結論

勝訴(請求認容)

志の多義性と識別力

審判番号
不服2008−26606(T2008−26606/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「志」の文字と「こころざし」の文字とを上下2段に書してなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成20年2月26日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『志』の文字及びその振り仮名表記と認められる『こころざし』の文字を2段に書してなるところ、『志』の文字は『死者への追善供養。また、そのしるしとして物を贈ること。』等の意味を有し、一般に香典返しや法要の際のお礼の上書きの語として使用されているので、これを本願指定商品に使用しても、お葬式や法要の際に用いられる商品のごとく理解させるにとどまり、これが商標を表示したものとは認識されず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「志」の文字とその表音である「こころざし」の平仮名とを上下2段に書してなるところ、「志」の文字は「死者への追善供養。また、そのしるしとして物を贈ること。」の意味を有する語であり、弔事における贈り物に用いる熨斗紙等の表書きに単独で記されるものである。しかしながら、該文字は、他に「心の向かうところ。心にめざすところ。相手が寄せてくれる厚意。親切心。気持を表して物を贈ること。また、その贈り物。」等(株式会社岩波書店発行「広辞苑第六版」)の複数の意味を有する語としても親しまれている語である。

そうとすると、本願商標は、上記のとおり多様な意味を有する「志」の文字とその振り仮名である「こころざし」の平仮名からなるものであるから、かかる構成態様においては、これをその指定商品に使用しても、直ちに原審説示の如き意味合いを認識させるものとはいい難く、また、当審において職権をもって調査するも、「志」の文字に「こころざし」の文字を併記したものが、当該指定商品を取り扱う業界において、死者への追善供養のしるしとして物を贈ることの意味合いを表示するものとして、取引上一般に使用されている事実も見出すことはできなかった。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標とはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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