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Trademark Appeal Case

周知図形商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−17507(T2005−17507/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、平成16年8月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、図形と文字の組み合わせよりなるところ、該構成中の図形部分は、アメリカ合衆国ニューヨーク市在の『ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ』が、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服、かばん類等に使用し、著名なポロプレーヤーの図形(例えば、登録第2691725号商標など。)と、共に馬に乗ってマレットを持ち、ポロ競技に興じているプレーヤーを描いてなる点において構成の軌を一にし、それらの図形を連想、想起させるから、これを出願人がその指定商品に使用するときは、あたかも商品が上記会社若しくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)引用商標の周知著名性について

「Polo」ないし「POLO」の文字よりなる標章、「by RALPH LAUREN」の文字よりなる標章、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形よりなる標章及びこれらを組み合わせた標章は、我が国においては、遅くとも本願商標の登録出願時までにはラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして、被服類、眼鏡等のいわゆるファッション関連の商品分野の取引者、需要者の間において広く認識され、かつ著名となっていたものであり、その状態は現在においても継続しているものと認めることができる。

この点に関して、請求人は、「ポロ/ローレン社が使用している引用商標『ポロプレーヤーの図形』は周知・著名であるため、かえって図形商標の有する類似範囲(混同範囲)は狭くなっているとも考えられます。ポロ/ローレン社自身の活発な広告宣伝・販売活動や、雑誌媒体等による図形の露出度は他の有名ブランドと比較しても大変高い頻度を保っております。」と述べ、その著名性については否定をしていないところである。

(2)商品の出所の混同のおそれについて

本願商標は、別掲(1)のとおり、青色・赤色・白色の3色を用いて、斜め右方に向けて疾駆する馬及び同馬に乗り上体をやや屈めてマレットを振り下ろすポロ競技者を描き、その下部に「USPA」の文字を青色の太字で横書きした構成よりなるものある。

一方、引用商標は、別掲(2)のとおり、黒色を基調に、斜め左方に向けて疾駆する馬及び同馬に乗り上体をやや屈めてマレットを振りかざすポロ競技者の図を表したものである。

しかして、両者の図形は、仔細にみれば馬の向き、マレットの位置、色彩の有無等において相違するところがあるとしても、両者は共に、疾駆する馬及び同馬に乗ってマレットを操っているポロ競技者の図柄を全体として描いてなる点において構成の軌を一にするものといえるから、両図形を時と所を異にして離隔的に観察した場合は、全体的な外観における印象において、彼此相紛らわしいものといわなければならない。

また、本願の指定商品は、前記周知・著名な引用商標を使用している被服等の商品と同一又は類似する商品を含むか、又は密接な関係にある商品といえるものであり、商品の取引者及び需要者が共通すること明らかである。

そして、本願の指定商品は、「洋服」をはじめとする「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,靴下,ネクタイ」等の日常的に消費される商品を含むものであることから、その対象となる需要者層は、必ずしもブランドに対する意識が高い者のみとはいえず、むしろ、ブランドに対する意識の高くない者をも含む幅広い需要者層であるといえる。

さらに、本願商標は、例えば、被服においては、ワンポイントマークとして使用され得ると考えられるので、ワンポイントマークが商品において比較的小さく表示されて取引に資されている実情からすれば、本願商標と引用商標における馬の向き、マレットの位置、色彩の有無などの細部の相違点までは十分に注意が向けられないままに商品の選択、購入がされることが少なくないというべきである。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標が馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形商標であることに着目して、前記周知・著名になっている引用商標を連想、想起し、当該商品がラルフ・ローレン又は同人(ないし同社)と組織的・経済的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤解、誤信され、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。

(3)請求人は、本願商標と引用商標との間には、色彩の有無・タッチの相違・主要構成要素の表現態様の相違から、需要者・取引者に全く異なる印象を与え、容易に識別可能な非類似の商標と考えられると述べ、東京高裁平成15年(行ケ)第371号判決及び東京高裁平成15年(行ケ)第564号判決では、両商標の図形の外観上の相違を詳細に比較検討した上で、非類似であるとの判断を導いていると主張するが、商標法第4条第1項第15号該当性の判断は、当該商標をその指定商品等に使用したときに、当該商品等が他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれがあるかどうかを問題とするものであって、当該商標が他人の商標等に類似するか否かは、上記の判断における考慮要素のひとつにすぎないものである。そして、前者の判決は、商標法第4条第1項第11号の該当性が争われたもので、かつ、商標の態様及び指定商品が本件とは異なるものであり、また、後者の判決は、商標法第4条第1項第15号の該当性が争われたものではあるが、商標の態様及び指定商品が本件とは異なるものであって、いずれも本件とは事案を異にするものであるから、請求人の主張を採用することはできない。

さらに、請求人は、「USPA」の語は、全米ポロ協会(United States Polo Association)の略称として既に著名性を獲得しているものであり、ポロ競技の統括団体である全米ポロ協会がポロ競技の育成と発展に努めてきたこと、また、ライセンスビジネスにおいても、そのビジネスにより得た利益は、ポロ競技の発展のために使用されており、本願商標と引用商標は出所の混同を生じていない旨を主張するが、これらの事情は、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとの上記判断を左右するものではない。

(4)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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