Trademark Appeal Case
引用商標の周知性立証
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900078(T2008−900078/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5093073号商標(以下「本件商標」という。)は、「マグナム」及び「MAGNUM」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成19年2月5日に登録出願され、第25類「被服」を指定商品として平成19年11月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が商品「コンバットブーツ」について使用している「MAGNUM」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時には取引者、需要者の間に広く認識されていたものである。そして、本件商標と引用商標とは、称呼を同一にする類似の商標であり、また、本件商標の指定商品と引用商標が使用されている上記「コンバットブーツ」とは、密接な関連性を有するものである。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合には、該商品が申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)申立人は、引用商標が商品「コンバットブーツ」について使用する商標として、本件商標の登録出願時には需要者の間で広く認識されている旨主張し、証拠(甲第2ないし第7号証)を提出しているので、引用商標の周知性について検討する。
(ア)甲第2号証は、申立人関連のインターネットのウェブサイトの写しと認められるところ、その内容は申立人会社の歴史を紹介するにすぎないものである。
(イ)甲第3号証は、「YEAR OF FIRST USE OF MAGNUM」と題する書面の写しと認められるところ、これは引用商標が各国でいつから使用されたかを示すのみであり、その具体的な使用態様、商品の取引状況、宣伝広告の事実等は明らかでない。
(ウ)甲第4号証は、「OCCUPATIONAL FOOTWEAR 2005」と題する申立人に係る商品カタログの写しと認められるところ、その掲載内容からすると、商品「コンバットブーツ」について引用商標が使用されていることが窺えるものの、該カタログは全て英文であり、日本語は一切く、これが我が国において頒布され又は紹介されたものとは直ちに認められないし、仮にこれが我が国においても使用・頒布されたものであるとしても、その具体的な頒布の数量、範囲、期間等が一切明らかでない。
(エ)甲第5号証は、申立人に係る商品「コンバットブーツ」について紹介する雑誌記事の写しと認められるところ、これらの雑誌は全て英文であるばかりでなく、これらの発行者、発行場所、発行部数、頒布地域等が一切不明であり、これらが我が国において頒布され又は紹介されたものとは直ちに認められない。
(オ)甲第6号証は、インターネットの検索サイトによる検索結果の写しと認められるところ、これによれば、インターネットを通じて申立人に係る商品「コンバットブーツ」が取引されていることが窺えるものの、その具体的な取引数量等は一切不明である。
(カ)甲第7号証は、申立人に係る「MAGNAUM」関連商標登録リストの写しと認められるところ、これは各国における商標登録状況を示すのみであり、商標が登録されることのみによって当該商標が需要者間に周知著名であるとはいえない。
(キ)また、申立人は、商標登録異議申立理由補充書において、1997年ないし2007年における「MAGNUM」製品の世界規模の年間売上高及び宣伝広告費を挙げているが、主張のみであって何らの証左もないばかりか、我が国における売上高や宣伝広告費は一切不明である。
(2)以上によれば、引用商標が商品「コンバットブーツ」について使用されていることが窺えるものの、本件商標の登録出願時において引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。
その他、本件商標の登録出願時において引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めるに足る証拠はない。
(3)また、本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、「MAGNUM」(マグナム)の文字は、「マグナム弾(拳銃)<普通の拳銃より大きくて強力>」を意味する英語及び外来語として我が国においても親しまれている既成語であり、独創性を有する語ではないから、商標として採択される可能性も比較的高いものといえる。
(4)そうとすれば、本件商標と引用商標とが同一の称呼・観念を生じ、また、本件商標の指定商品と引用商標が使用されている商品との関係を考慮したとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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