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Trademark Appeal Case

ICEの識別力と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900210(T2008−900210/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5113430号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5113430号商標(以下「本件商標」という。)は、平成19年7月20日に登録出願、「ICE CUBE」の欧文字と「アイスキューブ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、第30類「菓子」を指定商品として、同20年1月21日に登録査定、同年2月22日に設定登録されたものである。

2 申立ての理由の概要

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4988319号商標(以下「引用商標」という。)は、平成18年1月30日に登録出願、「キューブ」の片仮名文字と「CUBE」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同年9月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(2)理由の要点

ア 本件商標は、その構成中の「ICE」の欧文字及び「アイス」の片仮名文字が「アイスクリーム」等を認識させるものである(甲第3号証及び甲第4号証)。

また、「アイスクリーム」、「アイスキャンディ」及び「氷菓子」は、いずれも本件商標の指定商品「菓子」に属する商品の普通名称である(甲第5号証及び甲第6号証)。

さらに、「菓子」業界において、「ICE」、「アイス」又はこれに類する語は、「アイスクリーム」、「アイスキャンディ」、「氷菓子」を表す語として普通に用いられている(甲第7号証ないし甲第27号証)。

そして、特許庁においても、「アイス」の語を含む結合商標が、当該商標から「アイス」の語を除いた商標と類似するとした、「電子アイス」対「でん四」(平成6年審判第18505号)他2件の審決例がある(甲第28号証ないし甲第30号証)。

これらのことから、欧文字「ICE」及び片仮名文字「アイス」の語は、本件異議申立てに係る指定商品「菓子」においては、識別力がない語であることは明白である。

イ 次に、本件商標及び引用商標の称呼及び観念について検討する。

引用商標を構成する欧文字「CUBE」は、「3乗」、「さいころ」、「堅物」等の意味を有する(甲第31号証)一般的な日本人が慣れ親しんだ英語であるから、これよりは、構成中の片仮名文字「キューブ」と相侯って「キューブ」のみの称呼が生じる。また、引用商標からは、前述の意味の観念が生じる。

一方、本件商標を構成する欧文字「ICE CUBE」と片仮名文字「アイスキューブ」からは、「アイスキューブ」の称呼が生じるが、これまで申立人が述べてきたように、欧文字「ICE」及び片仮名文字「アイス」の語に関しては、本件異議申立てに係る指定商品においては識別力が全くないので、本件商標の要部は「CUBE」及び「キューブ」である。

したがって、本件商標からは前述の「アイスキューブ」以外に「キューブ」の称呼が生じることは明らかであり、また、本件商標から生ずる観念は引用商標から生ずる観念と同一のものである。

ウ これらのことから考えると、本件商標は、自然と「CUBE」又は「キューブ」を認識させること明らかであり、また、本件商標の本件異議申立てに係る指定商品と引用商標の指定商品は、類似するものである。

エ 以上のことから、本件商標と引用商標は、称呼及び観念が類似するものであり、またその指定商品も類似するものであるから、時と所を違えて離隔的観察をした場合、つまり時と所を異にして本件商標を付した商品が店頭に並んでいる時、引用商標を付した商品と相紛らわしいものであり、商品の出所の誤認混同を招くものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)よって、本件商標と引用商標とは類似であり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標について

本件商標は、前記1のとおり、「ICE CUBE」の欧文字と「アイスキューブ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなるものである。

そして、本件商標の構成についてみるに、上段の欧文字は、中間部に一字程度間隔を有しているとしても、他は同書、同大、等間隔で一体的に書されており、また、下段の片仮名文字は、同書、同大、等間隔一連一体に書されており、さらに、該上段の欧文字における一字程度の間隔は、欧文字の二語を表す場合に一般的に行われる表記方法であって、本件商標は、上段及び下段全体を含めて極めてまとまりよく表されているものである。

また、本件商標は、これより生ずると認められる「アイスキューブ」の称呼も格別冗長にわたるものではなく、一連に無理なく称呼し得るものである。

加えて、「ICE」、「アイス」の文字は、「氷」を意味する語であるとしても、本件商標の指定商品との関係からすると、「アイスクリーム」、「アイスキャンディ」の例のように、他の語(「クリーム」、「キャンディ」)と結合して一つの商品を表す語として採択、使用されているといえるものである。

以上を総合すると、本件商標は、「アイスキューブ」のみの称呼を生じ、特定の観念を生じない造語というのが相当である。

なお、申立人は、本件商標は、その構成中の「ICE」及び「アイス」の文字部分が、指定商品との関係において、商品を表す語であって、自他商品識別標識としての機能を有しないものであるから、本件商標は、その構成中の「CUBE」、「キューブ」の文字部分より、単に「キューブ」の称呼、観念をも生ずる旨主張するが、本件商標の上記の構成よりすると、殊更後半部の「CUBE」、「キューブ」の文字部分のみを抽出して、これより生ずる称呼、観念をもって、商品取引に資する場合は殆どないというのが相当であるから、この点についての申立人の主張は採用できない。

(2)引用商標について

引用商標の構成態様は、前記2(1)のとおりであり、その構成、態様に相応して、「キューブ」の称呼、「3乗」、「さいころ」及び「堅物」の観念を生ずるものである。

(3)本件商標と引用商標との類否について

本件商標より生ずる「アイスキューブ」の称呼と、引用商標より生ずる「キューブ」の称呼とを比較するに、両者は構成音数に顕著な差違を有するものであるから、両者は称呼上明らかに聴別し得るものである。

また、本件商標は特定の意味を有しない造語であるから、本件商標と引用商標とは、観念上比較することができないものである。

さらに、本件商標と引用商標の構成は、前記1及び2のとおりであり、外観上判然と区別し得るものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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