Trademark Appeal Case
ミントン称呼類似と周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900226(T2008−900226/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5115221号商標(以下「本件商標」という。)は、「ミントON」の文字を標準文字で表してなり、平成19年6月11日に登録出願、第30類「ミント香気の食品香料(精油のものを除く。),ミントを使用した菓子及びパン,ミントを使用したアイスクリームのもと,ミントを使用したシャーベットのもと,ミントを使用した即席菓子のもと」を指定商品として、同20年2月29日に設定登録されたものである。
2 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4647608号商標(以下「引用商標」という。)は、「MINTON」の欧文字を標準文字で表してなり、平成13年12月7日に登録出願、第8類「手動利器,フォーク,スプーン」及び第30類「茶,コーヒー及びココア,コーヒー豆,はちみつ,ソース(調味料)」を指定商品として、同15年2月21日に設定登録されたものである。
3 本件登録異議の申立ての理由
申立人は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、称呼上類似する。また、両商標の指定商品は類似しており、特に「茶、コーヒー,ココア」と少なくとも「菓子及びパン」は、販売店舗を同一にする蓋然性が高い又は同一店舗で販売されている。したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違背するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 商標「MINTON」の登録と同商標の過去数年の使用実績について
申立人は、長い歴史を有し特に陶磁器製品及び紅茶の品質において、我が国のみならず世界的な評価と名声を確立している。また、その信用維持のために我が国並びに外国において商標「MINTON」について多数の商標権を確立し、かつ、絶えずその侵害防止等の権利保全に努力している。
国内では、商標登録第4768117号、商標登録第3282970号、商標登録第3223103号、商標登録第4236311号、商標登録第510130号、登録第4199110号、商標登録第3331950号、商標登録第4140924号、商標登録第4647608号の登録商標を有し、外国においても、甲第2号証の陳述書の第11項及びそのAppendix7に記載されているように、諸外国で商標「MINTON」が陶磁器製の諸製品を中心として多くの商標権が登録されている。
このように、申立人は、商標「MINTON」を非常に重視し、内外国においてそのイメージを上げ、他人の類似商標を監視し、商標権の侵害を防止し、MINTONブランドの維持と保全に不断の努力を払っている。
イ 申立人のMINTONブランドの歴史は古く、高品質で優美なデザインの陶磁器の製造業者として古くから高い評価を確立している。
甲第7号証(ロイヤル・ドルトン・ジャパンのMINTONホームページhistoryには、「ミントン」は、トーマス・ミントンにより1973年に設立されたこと、「世界で最も美しいテーブルウェア」と賞賛された名実の伝統を守り続けている旨が記載されているように、MINTONブランドは、200年以上の歴史を有することが分かる。
ウ MINTONブランドの紅茶等に関する営業活動と販売活動について
甲第2号証のAppendix2には、次のカタログが添付されている。
・Petit Gift Selection from Kobe(2006年、株式会社ビィウェーブ)の表紙・裏表紙及びMINTON製品を示す関連ページ。
・MINTON紅茶に関するパンフレット(1996年、共栄製茶株式会社)。
・商標MINTONを付した紅茶パッケージコピー(1996年、共栄製茶株式会社)
このように、申立人は、本件商標の出願日よりも10年以上もさかのぼる販売活動をしていることが立証される。
エ MINTONブランドの陶磁器製品に関するカタログ等の配布について
甲第2号証のAppendix3は、次のカタログ等が配布されていることを示している。
・2004年、2006年、2007年にロイヤル・ドルトン・ジャパンが日本で配布したMINTON Gift Collectionカタログ。
・ロイヤル・ドルトン・ジャパンが日本で配布した食器類とギフトウェアのカタログ。
・「MINTON The World’s Most Beautiful China」パンフレット(1981年、1982年)。
・日本向け「MINTON ENGLISH BLOSSOM」製品パンフレット。
・日本向け「MINTON ELIZABETH」製品パンフレット。
・日本向け「MINTON FAISAN BLUE」製品パンフレット。
・「MINTON HADDON HALL Silver P1ated & Fine Porcelain」製品パンフレット(1995年)。
・「MINTON HADDON HALL」製品カタログ(1996年、ロイヤル・ドルトン・ジャパン株式会社)。
これらは申立人が配布したカタログ等の膨大な資料の中の若干を示すにすぎず、MINTON製品について活発な宣伝・販売活動が行われていることは、これらの資料のみでも十分に立証されている。
オ さらに、陶磁器については全国の有名デパートやその他の場所で展示や販売が行われている。甲第2号証のAppendix4には、比較的最近の次の資料が含まれている。
・2007年2月のMINTON製品のディスプレイを示す写真(高島屋新宿店)。
・2008年3月のMINTON製品のディスプレイを示す写真(東武池袋店)。
・2007年9月のMINTON製品のディスプレイを示す写真(三越札幌店)。
・2004年9月のMINTON製品のディスプレイを示す写真(三越日本橋店)。
・2006年9月のMINTON製品のディスプレイを示す写真(小田急新宿店)。
・2006年11月のMINTON製品のディスプレイを示す写真(そごう横浜店)。
・2007年4月のMINTON展における写真(高島屋日本橋店)。
・2006年10月〜11月の岩崎邸におけるMINTONタイルフェアの写真。
・2008年2月のMINTONタイルフェアの写真(東武船橋店)。
また、甲第8号証の2007年の4月〜5月の「MINTON展」の予定を示す2007年4月付のamebaホームページコピーによると「MINTON展」が全国で広く開催されたことが示されている。
カ MINTON製品の販売実績について
甲第2号証のAppendix5〜6によれば、商標「MINTON」の下に、食器類、プレステイージ(高度装飾食器等)、ギフト製品(紅茶セット等)が大量に販売されており、そのうち2003年〜2007年の実績は、Appendix5の右半分のJAPANの欄に記載されているとおりである。具体的には、2003〜2007年の世界での売り上げが円換算で50億5千万円、我が国での売り上げがその過半部を占める27億5千万円に上る。甲第2号証のAppendix6は、MINTON製品の2005年以降の国内売り上げ実績を示し、申立人の製品の最も重要な市場は我が国である。なお、MINTONブランドの紅茶は、セットの売上額は小さいが、それは、陶磁器に比してきわめて低価格だからであり、数量自体は相当な量に上り、消費者の目に触れる機会も多い。このように、商標「MINTON」は、その所有者であるロイヤル ドルトン(ユーケイ)リミテッド及びその子会社であるロイヤル・ドルトン・ジャパンの信用そのものを表す商標として、国内において周知・著名な商標となっているものであるから、本件商標「ミントON」は、その指定商品が申立人が有する登録商標と非類似であるとしても、需要者は、本件商標が申立人自身の又は申立人と関連のある者の商標ではないかと誤解し、よって、出所の混同を生じるものであり、他人が商標「MINTON」と類似の商標を使用するのは、他人の信用を利用して自己の利益を図ることにほかならず、不当な結果を生じるものと考える。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおり「ミントON」と書してなるところ、その構成文字全体より「ミントオン」の称呼を生じるものである。そして、本願商標は、構成中の「ミント」が「ハッカ、ミント」、「ON」が「・・の上に」等の意味を有する一般に知られた語であることから、全体として「・・の上にミント」程の意味合いを有する一種の造語を表したものとみるのが相当である。
他方、引用商標は、「MINTON」の欧文字よりなるものであるから、「ミントン」の称呼を生じ、特定の意味を有しない造語よりなるものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、先ず、本件商標より生ずる「ミントオン」の称呼と引用商標より生ずる「ミントン」の称呼は、「ミントン」が、淀みなく一気に称呼されるのに対し、「ミントオン」は、前記のとおり片仮名文字「ミント」と欧文字「ON」を組み合わせた構成よりなること、及び「ミント」が指定商品の原材料を表すことと相俟って、二音節に「ミント」、「オン」と明確に発音、聴取されるものである。
そうとすると、両称呼は、それぞれを全体として称呼するときには語調、語感が著しく異なり、十分に聴別し得るものといわなければならない。
また、両商標は、前記のとおりの構成よりなるから、外観上十分に区別できるものであり、さらに、共に格別の観念を生じない造語であるから、観念上比較できないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観及び称呼において非類似の商標であり、観念上も比較できないものというべきである。
したがって、両商標の指定商品の類否について検討するまでもなく、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人が紅茶や陶磁器製品について使用した結果、本件商標の出願時及び登録時に、我が国の需要者間にも広く知られているものと認められものの、本件商標と引用商標とは、上記(1)の認定のとおり別異の商標であるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係にある者の商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものでもない。
(3)結び
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項11号及び同15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する
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