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Trademark Appeal Case

電子ブックの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成7年審判第6796号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示したとおり「電子ブック」の漢字及び片仮名文字を横書きしてなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成2年2月22日に登録出願されたものであるが、指定商品については、平成6年3月14日付け手続補正書により、「光ディスクプレーヤー」と補正されているものである。

2 原査定の理由

本願商標は、紙を使わずに電子エレクトロニクス媒体による出版物であることを容易に認識させる「電子ブック」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品中「電子ブックプレーヤー」に使用しても単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

3 請求人の主張

本願商標は、請求人が新製品として開発した「光ディスクプレーヤー」とその規格に準拠した「光ディスク」に使用している商標であり、その使用状況から指定商品との関係で充分に自他商品の識別標識として認識されうるものであり、本願商標は商標法第3条第2項に該当し、登録を認められるべきものである。

4 当審の判断

本願商標は別紙に表示したとおり「電子ブック」の文字よりなるところ、「電子ブック」は、「▲1▼CD−ROMやフロッピーディスクを利用した出版物。→電子出版。▲2▼直径8センチメートルのCD−ROMを対象とした電子出版の規格の一種。検索用ソフトはロム化し、ディスクを保護するためのプラスチック製の容器を具備する。」(1998年11月11日発行株式会社岩波書店「広辞苑」「電子ブック」の項参照。)を意味するものであり、また、本願出願前の特許出願に係る発明の名称「電子ブック」〔公開特許公報昭57−147767(特許第1451053号)参照。〕や、同じく実用新案登録出願に係る考案の名称「折畳式電子ブック」〔公開実用新案公報平4−20155(実用新案登録第2052830号)参照。〕などとしても採択され、公開されているところである。

そうすると、本願商標は、これをその指定商品「光ディスクプレーヤー」について使用しても、「CD−ROMによる電子出版物(電子ブック)」を操作するためのものであることの用途・品質を表すものであって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであった。

そこでつぎに、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するものであるかどうかを、請求人(出願人)が提出した甲第1号証ないし同第7号証について検討すると、以下の事実が認められる。

甲第6号証によれば、「電子ブック」を利用するには専用の電子ブックプレーヤーが必要であるほか、パソコン上で利用するのであれば、検索ソフトが別途必要であること。

甲第1号証ないし同第3号証によれば、「その(ソニーの)ゼネラルオーディオ事業本部から一見して畑違いな新製品が誕生した。名づけて『データディスクマン』。CD−ROMを用いた電子出版の携帯用再生機である。」、「データディスクマン 『いつでも、どこでも手軽に使える電子ブック・プレーヤー』」、「今年の5月にソニーが発売した『電子ブック・プレーヤー』と銘打たれたDATA Discmanは、一般のビジネスマンが手に入れられる価格(五万八〇〇〇円)のCD−ROMプレーヤーであり、しかも携帯に便利な小型サイズである。」、「去年発売されたソニーのデータディスクマンDD−1は、この8

CM

CDを記録媒体とした′′電子ブック′′プレーヤーである。」などの記載により、請求人(出願人)の使用する「電子ブックプレーヤー」の商標としての機能は、「データディスクマン」又は「DATA Discman」と認められること。

甲第5号証によれば、「新しく発売された電子ブックプレーヤー2機種徹底比較」の記事により、「電子ブックプレーヤー」には、少なくとも、請求人(出願人)のほか、松下電器の商品もあること。

甲第6号証によれば、特集電子データを使いこなす「CD−ROM,電子ブック,インターネットは宝の山だ」の記事において、情報検索をするツールとして「ON LINE,電子ブック,CD−ROM,デジタルブック」があり、データベースの内容と値段が掲載されていること。

以上によれば、請求人(出願人)の提出した証拠は「電子ブック専用の光ディスクプレーヤー」とその規格に準拠した「電子ブック(光ディスク)」の内容を紹介する記事であり、ここで紹介されている「電子ブック」の語は、むしろ普通名称として使用されているものと認められ、請求人(出願人)が指定商品について本願商標を使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものとするに足るものではない。

したがって、請求人(出願人)が提出した証拠により、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するものであるとの主張については、採用の限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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