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Trademark Appeal Case

商標称呼の語頭音類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900236(T2008−900236/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5115912号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5115912号商標(以下「本件商標」という。)は、「ココチーノ」の片仮名文字を標準文字で書してなり、平成19年7月20日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア」を指定商品として、平成20年3月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2629118号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CHOCOCCINO」の欧文字を書してなり、平成3年10月29日に登録出願、第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品として、平成6年2月28日に設定登録され、その後、指定商品については、平成17年9月21日に第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

(2)同じく、登録第3137092号商標(以下「引用商標2」という。)は、「CHOCOCINO」の欧文字を書してなり、平成5年8月9日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,茶,調味料(但し、みそ及び化学調味料を除く),香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,穀物の加工品,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー」を指定商品として、平成8年3月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。(以下、一括していうときは「引用各商標」という。)

3 登録異議申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、本件商標の登録は、同法第43条の2第1項第1号によって取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし第9号証を提出した。

(1)称呼の比較

本件商標から生じる「ココチーノ」の称呼と、引用各商標から生じる「チョコチーノ」の称呼とを比較すると、母音「o」の音を共通にする「コ」音と「チョ」音に差異があるにすぎない。

そして、一連の称呼においてその差異音「コ」と「チョ」は、いずれも無声音であり、50音図中の同列音に属し、母音「o」を共通にする近似音であり、後に続く「コチーノ」を共通にし、ともに「チー」の部分にアクセントがあるため、両商標の全体の語感語調が極めて近似し、両商標は、その称呼において類似する商標である。

また、両商標は、いずれも特定の語義を生じない造語であることから、これらが取引において用いられるときには、その称呼の果たす役割は大きいものというべきである。

(2)取引の実情

本件商標の商標権者は、2008年1月29日より指定商品「コーヒー」について、「COCOCCINO」の文字を付した態様で商品を販売しており、これと「CHOCOCCINO」とは、アルファベット10文字中9文字が共通し、単に中間部分に「H」の有無の差異があるに過ぎないことから、称呼における類似性に加え、外観においてもより一層類似性が高まる。

こうした取引実情が既に存在する以上、市場において商品「コーヒー」に接する取引者・需要者が、本件商標と引用各商標とを混同するおそれは極めて高く、商標の類否は、上記した取引の実情も参酌されて判断されるべきであると思料する。

(3)指定商品の類否

本件商標の指定商品「コーヒー及びココア」と引用各商標の指定商品中「コーヒー、ココア」は同一の商品である。

4 当審の判断

(1)本件商標は、「ココチーノ」の文字に相応して「ココチーノ」の称呼を生じるのに対し、引用商標1が「CHOCOCCINO」の文字からなり、また、引用商標2が「CHOCOCINO」の文字からなるものであるから、これらに相応して「チョコチーノ」の称呼を生じるものと認められる。

そこで、本件商標から生じる「ココチーノ」と、引用各商標から生じる「チョコチーノ」の称呼を比較するに、両称呼は、語頭音において「コ」と「チョ」の差異音を有し、第2音以下において「コチーノ」の音を共通にするものである。

しかして、該差異音である「コ」と「チョ」の音は、清音と開拗音の差異があり、いずれの音も強く発声されるものであって、これが称呼における重要な要素を占める語頭に位置するところから、子音及びその帯有する半母音の差異を明確に聴別し得るものである。しかも、次の「コ」の音を伴わせてみれば、語頭部分が「ココ」と「チョコ」とになり、指定商品との関係からイメージするものが相違し、その語調も自然に異なって称呼される。

そして、両称呼の音数が「チ」の長音を含む5音という比較的短い称呼にあっては、その差異音が両称呼に及ぼす影響は大きく、両称呼をそれぞれ一連に称呼しても、互いに聞き誤るおそれはないものというのが相当である。

また、本件商標と引用各商標とは、前記のとおりの構成よりみて、外観において区別し得る差異を有するものであり、観念においては、両商標とも特定の意味合いを有しない一種の造語よりなるものといえるから、比較することができないものである。

そうすると、本件商標と引用各商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。

(2)なお、申立人は、商標権者が指定商品「コーヒー」について「COCOCCINO」の文字を付した態様で商品を販売している実情が存在する以上、商標の類否は、当該取引の実情も参酌されて判断されるべきである旨述べている。

しかしながら、商標法第4条第1項第11号に該当するか否かの類否判断に当たっては、本件商標と引用各商標のそれぞれ願書記載の商標に基づいてすべきものと解され(商標法第27条)、「ココチーノ」の片仮名文字から構成される本件商標と、「CHOCOCCINO」又は「CHOCOCINO」の各文字によりなる引用各商標とは、類似しないこと上述のとおりである。

してみれば、商標権者の実際の使用に係る商標と引用各商標の類否は、本件異議申立とは別の問題といわざるを得ないから、この点についての申立人の主張は採用できない。

(3)まとめ

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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