Trademark Appeal Case
著名商標の要部抽出と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90482(T2006−90482/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4964830号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲の構成よりなり、平成17年12月9日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年6月30日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標は、商標法第4条第1項第10号、第11号、第15号及び第19号に該当するので、その商標登録は、取り消されるべきである。
第3 取消理由の通知(要旨)
1 商標「MORABITO」の著名性
登録異議申立人「モラビト」(以下「申立人」という。)より提出された甲第1号証ないし甲第34号証によれば、1905年創業の「モラビト」は、フランス屈指のバッグ店であり、申立人が使用する商標「MORABITO」(以下、「使用商標」という。)は、「バッグ」について、世界的に著名な商標と認められるだけでなく、日本においても著名な商標と認め得るものである(甲第22号証ほか)。
また、本件商標の登録出願年(平成17年)2月には、銀座「和光」店において「モラビト創業100周年記念展」が開催されているところである(甲第31号証)。
2 出所の混同を生ずるおそれ
本件商標は、別掲に表示したとおり、四角形内に黒点を配してなる図形を上段中央に描き、下段に「PASCAL MORABITO」の欧文字を横書きしてなるところ、下段の欧文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められる。
そして、「PASCAL」と「MORABITO」の各文字部分の間に少し間隔があり、加えて、後半部の「M」の文字が他の文字に比べやや大きく書されているところから、「PASCAL」の文字と「MORABITO」の文字は視覚上分離して把握され、かつ、全体で特定の熟語的意味合いを有する語とも認められないものである。
そして、「PASCAL」の文字と「MORABITO」の文字とを、常に一体不可分のものとして看取しなければならない特別の理由もないものである。
また、前記1で述べたとおり、本件商標の登録出願日前には、既に使用商標が「モラビト」と称呼されて、バッグはもとよりスカーフ、ネクタイ等、本件商標の指定商品とは、共にファッション関連商品という共通性を有する商品に使用され、申立人の業務に係る商品に付される商標として著名であったと認められるものである。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、その構成中の「MORABITO」(申立人の商標と全く同一の綴り字よりなる)の文字を捉えて、著名な申立人の商標を連想、想起し、該商品が申立人(モラビト)又は同人と何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
3 むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
第4 商標権者の意見(要旨)
1 被請求人は、使用商標が、フランスのみならず日本を含む各国においてある種の商品について広く知られていることを否定するものではない。
2 しかしながら、本件商標権者「パスカル・モラビト」は、アパレル商品などについて、「PASCAL MORABITO」の欧文字からなる商標を使用している。
そして、当該商標もまた、各国において需要者に広く知られている。
3 そして、使用商標及び本件商標の何れもが需要者に広く知られている実情に鑑みれば、互いに商品の出所について混同を生ずるおそれはない。
4 また、本件登録異議の申立てに関して、申立人より、その主張・立証に誤りがあった旨の宣誓書が作成される見通しである。
5 むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
第5 当審の判断
1 使用商標の著名性及び本件商標と使用商標との類否について
使用商標に著名性が認められること及び本件商標をその指定商品に使用するときは、商品の出所について混同を生ずるおそれがあることは、上記第3(取消理由の通知)で認定したとおりである。
2 商標権者の意見
(1)商標権者は、「PASCAL MORABITO」の欧文字よりなる商標が、需要者の間で広く知られている旨主張する。
しかしながら、商標権者は、当該商標が需要者の間で広く知られていることを証する証拠を何ら提出していない。
したがって、商標権者の主張は採用できない。
(2)商標権者は、本件登録異議の申立てに関して、申立人によって、その主張・立証に誤りがあった旨の宣誓書が作成される見通しである旨主張する。
しかしながら、意見書提出より相当期間経過するも、当該宣誓書は提出されていない。
したがって、商標権者の主張は採用できない。
3 結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。