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Trademark Appeal Case

造語の称呼同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900431(T2007−900431/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5052452号商標の指定商品中第4類「燃料,工業用油脂」についての商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5052452号商標(以下「本件商標」という。)は、「エネルギア」の文字と「EnerGia」(「G」は小文字と同じ大きさで表されている。)の文字を二段に横書きしてなり、平成18年6月21日に登録出願、第4類「靴油,保革油,燃料,工業用油脂,ろうそく」を指定商品として、平成19年6月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の指定商品中、第4類「燃料,工業用油脂」については、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2の規定により、その登録は取り消されるべきものであると申立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

申立人が引用する登録第2239401号商標(以下「引用商標」という。)は、「ENERGEAR」の文字を横書きしてなり、昭和62年8月25日に登録出願、第5類「工業用油、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年6月28日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

3 本件商標の取消理由の要旨

登録異議の申立てがあった結果、商標権者に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。

<取消理由>

本件商標は、「エネルギア」の文字と「EnerGia」(「G」は小文字と同じ大きさで表されている。)の文字を二段に書してなるものであり、その構成文字に相応して、「エネルギア」の称呼を生ずるものである。

一方、引用商標は、「ENERGEAR」の文字を横書きしてなり、造語を表したものとみるのが相当であるところ、我が国では、「energy」が、「力、エネルギー」の意味を有する英語として、また、外来語「エネルギー」の原語としても親しまれていることより、「エナジー」の外、「エネルギー」と発音されることも少なくないから、構成中前半の「ENER」の文字部分が、「エネル」と称呼され、同じく「GEAR」の文字部分が、「(機械の)ギア、用具」等意味する英語として一般に知られる「gear」と同じ綴りであることから、「ギア」と称呼され、構成文字全体として「エネルギア」と自然に称呼され、商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。

してみれば、引用商標よりは、「エネルギア」の称呼をも生ずるといわなければならない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観において相違し、いずれも造語よりなるものであるから、観念上比較することができないものであるとしても、「エネルギア」の称呼を同じくする類似の商標というべきである。

また、本件商標の指定商品中の「燃料,工業用油脂」は、引用商標の指定商品に含まれるものである。

以上のとおりであるから、本件商標の登録は、その指定商品中「燃料,工業用油脂」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものと認める。

4 商標権者の意見の要旨

商標法第4条第1項第11号における商標の類否判断においては、本件商標が使用される指定商品分野における需要者層の注意力及びその指定商品の分野における取引の実情を十分に考慮し、行う必要がある。

本件商標の指定商品である「燃料,工業用油脂」の分野において、これらを頻繁に購入している需要者の注意力を基準に鑑みるならば、引用商標の表記をもって「エネルギア」の称呼は生じないものと思料する。したがって、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、指定商品中の第4類「燃料,工業用油脂」について、登録が取り消される理由はない旨述べている。

5 当審の判断

本件商標は、前記のとおりの文字よりなるところ、申立人は、本件商標の登録が商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるとして、その登録について異議を申し立てているので、その理由の当否について判断する。

上記3の取消理由のとおり、本件商標と引用商標とは、「エネルギア」の称呼を同じくする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中の第4類「燃料,工業用油脂」は、引用商標の指定商品に含まれる商品と認められる。

してみれば、本件商標は、その指定商品中「燃料,工業用油脂」ついての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといわざるを得ない。

なお、申立人は、意見書において以下の(1)ないし(3)とおり主張している。

(1)引用商標の構成中「ENER」の文字部分は、通常「energy」が「エナジー」と発音され、本件商標に係る指定商品の分野においても、「energy」が商品名や会社名に使用される場合「エネルギー」より「エナジー」と称呼される例が複数有ること、引用商標の商標権者は、モータオイルで有名なカストロールを傘下におく「英国」の大企業であることから英語の発音に倣って称呼されるとみるのが自然であることから、「energy」よりは「エナジー」の称呼が自然に生じる取引の実情がみられる。

(2)また、「GEAR」は、英語の「gear」と同じ綴りであるから、「ギア」の観念が生じるが、称呼については「ギア」と「ギヤー」が生じる。

(3)そうとすると、引用商標よりは、「エナギア」または「エナギヤー」の称呼が生ずるから、「エネルギア」の称呼を生ずる本件商標とは非類似の商標である。

しかしながら、商標権者が英国に籍を置く法人であるとしても、我が国の取引者、需要者は、引用商標「ENERGEAR」を必ずしも英語の読みに倣って「エナギア」、「エナギヤー」とのみ称呼するものとは限らず、むしろ外来語「エネルギー」の原語が「energie」であることが、我が国においてよく知られていることよりすれば、「ener」の部分と同じ綴りを有する「ENERGEAR」を、「エネルギア」と称呼するとみるのが相当である。

そうとすれば、この点に関する申立人の主張によって、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとの前記認定を覆すことは出来ない。

(3)結語

以上のとおり、本件商標の登録は、結論掲記の商品について商標法第43条の3第2項の規定により、これを取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する 。

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