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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用事実

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2008−300831(T2008−300831/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4821523号商標(以下「本件商標」という。)は、「MOST」の文字を標準文字で表してなり、平成16年3月10日に登録出願、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉又は水産物を主原料とするブロック状・顆粒状・粉状・粒状・錠剤状・カプセル状・液体状又はゼリー状の加工食品,植物を主原料とするブロック状・顆粒状・粉状・粒状・錠剤状・カプセル状・液体状又はゼリー状の加工食品,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」、第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,はちみつ・ロイヤルゼリー又はプロポリスを主原料とするブロック状・顆粒状・粉状・粒状・錠剤状・カプセル状・液体状又はゼリー状の加工食品,穀物を主原料とするブロック状・顆粒状・粉状・粒状・錠剤状・カプセル状・液体状又はゼリー状の加工食品,その他の穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」及び第32類「清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成16年11月26日に設定登録されたものである。

また、本件審判の請求の登録日は、平成20年7月24日である。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中、第30類「菓子及びパン,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」ついて登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べた。

本件商標は、その指定商品中、第30類「菓子及びパン,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。

1 登録商標の使用事実について

(1)乙第1号証は、被請求人の製造・販売に係る商品である「MOST パウチゼリー アミノ酸」のパッケージ印刷用版下データのプリントである。このプリントによれば、商品パッケージに主体的に「most」として、本件商標が使用されている。

なお、この「most」の表記は、本件商標「MOST」の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標に該当する表記態様であり、商標法第50条第1項かっこ書きにより、本件商標「MOST」に含まれるものである。

また、本件商標の使用商品については、商品パッケージのプリント右端において赤い楕円にて示した食品表示欄に、商品名称として「生菓子(ゼリー)」と記載されており、本件請求に係る指定商品「菓子」についての登録商標の使用に該当する。

さらに、本件商標の使用時期については、商品パッケージのプリント左上端枠外において、商品パッケージ印刷用版下データの入稿時期として「05.3.31」と記載されており、少なくとも2005年(平成17年)3月31日以降に本件商品パッケージの使用が開始されたことが把握できる。

したがって、被請求人は本件商標を、本件請求に係る指定商品「第30類 菓子」について少なくとも2005年(平成17年)3月31日以降使用しているものである。

(2)乙第2号証は、被請求人の2007年版「健康食品総合カタログ」である。ここでは、残部僅少のため同カタログの写しを添付するが、口頭審理期日等において実際のカタログを貴庁に持参することは可能である。

このカタログの第15ないし17頁では「MOSTシリーズ」として被請求人の製造・販売に係る商品が掲載されており、本件商標「MOST」が使用されている。

また、本件商標の使用商品については、第16頁右欄上から2番目に、乙第1号証に係る商品パッケージを使用した商品が掲載されていることから明らかなとおり「生菓子(ゼリー)」であり、本件請求に係る指定商品「菓子」についての登録商標の使用に該当する。

さらに、本件商標の使用時期については、カタログ表紙に「2007」と記載されており、少なくとも2007年(平成19年)に「MOSTシリーズ」の各商品が被請求人により製造・販売されたことが把握できる。

したがって、被請求人は本件商標を、本件請求に係る指定商品「第30類 菓子」について、本審判の請求の登録前3年以内である2007年(平成19年)に使用しているものである。

(3)ところで、上記カタログでは「MOSTシリーズ」に係る商品を「栄養補助食品」に分類していることから、上記登録商標が使用されている指定商品は「菓子」ではなく、いわゆる健康食品(加工食品)である、との反論が予想されるが、仮に上記使用商品が「菓子」のみならず「健康食品」の性質も併有していたとしてもなお、本件商標は指定商品「菓子」にも使用されているものと思料する。

すなわち、東京高判昭和60年5月14日(スキンライフ事件・乙第3号証)では、「旧商標法における商品類別ないし現行商標法における商品区分は、市場で流通する膨大な種類の商品を、商標登録出願に際しての出願人の便宜及び審査の便宜を図るという行政的見地から分類したものであり、もとより、いずれの分類に属するか判断の極めて困難な商品も存する(中略)右分類のいずれか一つに属するとは決し難い商品が出現した場合、不使用取消審判の場で、商品は常にいずれか一つの分類に属すべきものであって、二つの分類に属することはありえないとするのは相当でなく、登録商標の使用されている当該商品の実質に則して、それが真に二つの分類に属する二面性を有する商品であれば、当該二つの分類に属する商品について登録商標が使用されているものと扱つて差支えないというべきであり、このように解しても、前記のような商品類別ないし商品区分の趣旨に反することにはならない。」と判示されており、その後これをリーディングケースとした判決も複数存在する。

仮に被請求人の登録商標の使用に係る商品が、「菓子」のみならず「健康食品」の性質をも併有するとすれば、まさに上記に引用した判決内容がそのまま妥当するものと解され、「健康食品(加工食品)」のみならず「菓子」についても登録商標が使用されているものとされるべきである。

2 以上のとおり被請求人は、本審判の請求の登録前3年以内に日本国内においてその請求に係る指定商品「第30類 菓子」について登録商標を使用しているものであるから、本件商標の登録は維持されるものである。

第4 請求人の弁駁

請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。

第5 当審における審尋の要旨

商標法第50条の規定よりすれば、取消審判請求の審理の対象となる指定商品の範囲は、請求人が取消しを求めた審判請求書の「請求の趣旨」の記載に基づいて決められるところ、「請求の趣旨」は、審判における審理の対象・範囲を画し、被請求人における防御の要否の判断・防御の準備の機会を保障し、取消審決が確定した場合における登録商標の及ぶ指定商品の範囲を決定づけるという意味で重要なものであるから、「請求の趣旨」の記載は、客観的で明確なものであることを要するものである。

請求人は、審判請求書の「請求の趣旨」において、登録第4821523号商標の指定商品中、第30類「菓子及びパン,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,及びこれらに類似する商品」についての登録の取消しを求めている。

しかしながら、登録第4821523号商標の指定商品中、第30類「菓子及びパン,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」以外の指定商品中には、「菓子及びパン,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」に類似する商品は存在しないことから、上記記載中の「及びこれらに類似する商品」は、請求の趣旨として不明確なものである。

したがって、「請求の趣旨」に記載された「及びこれらに類似する商品」を削除されたい。

第6 審尋に対する請求の趣旨の補正

審判請求書の請求の趣旨を「商標法第50条第1項の規定により登録第4821523号商標の指定商品中『第30類 菓子及びパン,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ』ついて登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と補正する。

第7 当審の判断

1 請求の趣旨の補正について

請求人が、請求の趣旨を前記第6のように補正した結果、不明確な請求の趣旨は、明確になったものと認める。そして、本件商標の商標登録原簿に徴すれば、平成20年12月2日付けで、請求の趣旨について、更正の登録がされたものである。

2 そこで、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人が、取消請求に係る指定商品中、第30類「菓子及びパン,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」について、本件商標を使用したか否かについて、以下、被請求人提出の乙各号証を検討するところ、被請求人の主張及び提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証は、被請求人が制作した「MOST パウチゼリー アミノ酸」のパッケージ印刷用版下データのプリントと認められるところ、中央及び右側に「モスト」の文字及び「most(tの文字の右側には、小さな丸の中にRの文字が表示されている。)」の文字が記載されている。

右側の「モスト」の文字及び「most」の文字の下には、「名称:生菓子(ゼリー)」の文字並びに製造者として商標権者の名称及び住所が記載されている。

(2)乙第2号証は、被請求人が制作した「HEALTHY CATALOG 2007」と認められるところ、16頁には、「MOSTパウチゼリー アミノ酸」の文字、「モスト」の文字及び「most」の文字が記載された商品の写真及び「話題のアミノ酸を1袋中に1000mg配合した一口タイプの蒟蒻ゼリーです。美味しいリンゴ味。」の文字が記載されている。

17頁には、「蒟蒻ゼリースタンディング カシス」の文字及び「カシスエキスを配合したカシス味の蒟蒻ゼリー。食べたときの満足感が違います。おやつにも最適です。」の文字が記載されている。

最終頁には、商標権者の名称、住所及び電話番号等が記載されている。

3 判断

(1)本件商標は、「MOST」の文字を標準文字で表した構成からなるところ、「モスト」の称呼及び「最大多数の。最多数。最も。」の観念を生ずるものと認めることができる。

そして、使用に係る商標は、「most」の欧文字からなるものであり、これより「モスト」の称呼及び「最大多数の。最多数。最も。」の観念を生ずるものである。

しかして、本件商標と使用に係る商標とは、大文字と小文字の違いを有するとしても、同一の称呼及び観念を生ずる商標と認め得るものであるから、社会通念上同一の商標ということができる。

(2)また、当該商標「most」の使用に係る商品「生菓子(ゼリー)」は、本件審判の取消請求に係る指定商品中「菓子及びパン」に包含されるものである。

(3)乙第2号証の商品カタログの表題は、「HEALTHY CATALOG 2007」と記載されており、商標権者の名称、住所及び電話番号等が記載されていることから、商標権者によって、2007年に制作され、頒布されたものと推認される。

4 まとめ

乙第1号証及び乙第2号証によれば、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者が指定商品中「菓子及びパン」に属する「生菓子(ゼリー)」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと認めることができる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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